最近は釣りに忙しくて、レポートをしたためる暇がありません。ここ数年のこの時期はダム湖の釣りに没頭していますが、今年は例年以上にハマってしまっていて、休日はほぼ全てダム湖の上に浮かんでいる状況が続いています。なぜか釣果は好調で、例年にないペースで大物が釣れ続けています。4月中旬から5月の連休にかけてのダム湖の釣りを、今回と次回の2回に分けてお送りします。季節は今、新緑と野草花・山菜の盛期であり、同時にダム湖の釣りの盛期でもあるのです。 【4月11日(土)】 ここまで休日を留守にしていると、いつカミさんから離婚を要求されても不思議ではない状況なのですが、なぜか家庭はこれまで以上に平和そのものです。どうも50歳を過ぎたダンナなんぞには、給料以外は用事が無い様です。これはこれで困ったものですが、まぁ、釣りの趣味を楽しむ上では、非常に助かっています。しかし、毎週の様に家を留守にして、上写真の様な素晴らしい景色に囲まれて楽しんでいることは、知っているのでしょうかねぇ。知っていれば「私も連れてけ!」なんてなりそうですが、ふむ??
4月11日は、水戸から風玉さんがやってきました。彼は転勤で昨年末から水戸住まいですが、当地のダム湖の釣りにはやはり耐えがたい魅力がある様で、この日と5月の連休にも下越・山形へ来られています。そりゃそうでしょう、この時期のダム湖は新緑・野草花・山菜、それに青空と残雪、そして大イワナですから、一度味を占めてしまうと止められないのは当然でしょう。それにしても遠くからご苦労さまですが、高速も1000円になりましたので、まぁ、飽きずに来て下さい。私もいわき市から毎週来ているのですから。
季節の移り変わりが早いとは言え、まだ4月も前半ですので、この日はまだインレットには魚たちはおらず、岬の先端やカケアガリをボートからと岸から狙う釣りでした。ホスト役の私としては、遠くからこられた風玉さんには1尾だけでも釣って欲しいものと思う訳ですが、そんな憂慮も関係なく、この日は風玉さんに45cm・38cmがヒット。私は最後の最後にバスとチビイワナが1尾だけの、ホストとしては理想的?な日でした。45cmも立派でしたが、しかし10m以上も深いところから引きずり出した38cmは見事でした。またひとつ新しい釣り方のヒントを得られた気がします。
【4月12日(日)】 翌日は新潟からおなじみのBuuさんともっくん・たかちゃんが加わり、久しぶりにいつものメンバーが揃って5人のミニオフになりました。場所は通い慣れた下越のいつものダム湖ですが、ちょっとした心配がありました。このダム湖の上流には深くて長いゴルジュ帯が控えていて、釣り人の入渓を阻んでいる分、大イワナが数多く育つ訳ですが、なぜか昨年・一昨年と源流釣り師たちが殺到し、かなりの大物が源流部で釣り上げられてしまっている様子なのです。我が渓遊会のメンバーも昨年初夏にこの源流部を攻めていますが、テン場には4パーティ15人もの釣り師がいて、全く釣りにならなかったとのことらしいのです。
昨年のシーズンもこのダム湖は不調で、数も大物も例年よりずいぶんと少なかった記憶なのですが、はて、今年は更に状況が悪化している可能性があったのです。5人で早朝から頑張りましたが、まずは風玉さんに38cmがヒットし、遠来のお客さんには満足してもらえた様子。その後はもっくんに37cm、私にも尺ちょっとのイワナがヒットしましたが、5人の釣果にしてはやはり数も少なく型も小さ過ぎます。でもま、おなじみのメンバーでガヤガヤとやっていると、それだけで楽しいものですね。釣果はいまいちですが、ミニオフの楽しみはあまり変わりはない様です。
風玉さんは用事があるとのことで午後3時ころ帰られましたが、帰り道に尺ちょっとのイワナを追加されたそうです。しかし、Buuさんとたかちゃんにはヒットは無く、オフの楽しさとは裏腹に釣果は実に寂しい状況でした。そして、大物はもうこのダム湖では出ないのかなと諦めかけていた16時ころになって、なぜか私のロッドに41cmがヒット。今シーズン7尾目の大物でした。トローリングでアタリが出たがヒットせず、違う角度からのキャスティングに切り替えて釣れたものです。それにしても5人で最大41cm・全部で5尾の釣果は、やはりこのダム湖の大きな変化を感じざるを得ません。
【4月19日(日)】
翌週は下越のダム湖を諦め、山形県内のダム湖を攻めています。この日は偶然にも「かのかの虫」さんとお友達にお会いし、3人で一緒に釣りをすることになりました。かのかの虫さんもボートを購入されたそうで、今年はあちこちのダム湖で今まで行けなかったポイントを攻めてみるそうです。ただ、このダム湖は下越と違ってまだ水温がとても低く、しかも濁りがきつくて、この日は下流部の広いところでは全く釣りになりませんでした。念のためインレットまで行きましたが、まだ水温は5℃以下で、魚たちはまだ下流部の広いところに分布している様子。かろうじて38cmが底付近の非常にゆっくりとしたミノーの操作でヒットしましたが、インレットでの魚影はまだ薄い気配でした。
【4月28日(火)】
さて、4月も終盤になると、水温も上昇し、そろそろインレットの釣りが楽しくなってくるころです。インレットでの早朝の水温が6℃を超え始めると、ワカサギも付近に集まり始めるのか、イワナたちの姿が次第に増えてくる様です。そして、下越のダム湖は比較的標高が低く水温が上がり易いため、山形の標高の高いダム湖に比べ、2週間程度もインレットの釣りが早く始まります。ゴールデンウィークに突入した私は、この日は半ばあきらめ気味ではありましたが、再び下越のいつものダム湖へと入りました。しかし、朝から丸一日頑張りましたが、釣れたのは早朝にインレットからかなり下の岬のポイントで釣れた42cmの1尾のみ。目的のインレットでは何も釣れませんでした。
【4月29日(水)】
下越のダム湖はこれ以上は無理だろうと、翌朝は大きく移動して、再び山形県内のダム湖畔に立っていました。早朝からインレットへ入りましたが、しかし相変わらず水温は4.5℃付近ととても低く、午前中は全くのノーバイト。一人で寂しく早めの昼食を取り、ボートの上でひとしきりの昼寝です。昨夜は下越から150km近くを走破して疲れており、しかも極端な寝不足で、11時ころには体力が限界になってしまったからです。しかし、この昼寝が大正解でした。昼寝の場所はインレットの流れ込みから200mほど下流のちょっとした開きになっている場所で、流れが緩くなり魚たちが付きやすい場所だった様なのです。
ここで3時間近く寝ていた私は、「少しだけ投げてから帰るか」と目の前の緩い流れにWiseMinnow50FS若鮎を期待もせずに投げ込みました。するとすぐに35cmがヒット。続いて根掛かりの様なアタリが来て、49cmのイワナがボートの上で跳ねていました。その後も32cmと29cmがヒット。更に場所を上流へ少し変えて今度は50cmがヒットしてきました。15時からのほんの1時間の出来事でした。この日はお天気が非常に良く、水温が6.8℃まで上昇していて、午前中は寝ていたイワナたちが、にわかに活動し始めたのでしょう。
イワナと言うのは、目の前に沢山泳いでいても、水温や様々な条件が合わなければ、まるで魚がいないかの様に見えるものなのですね。だからイワナの釣りは難しく、だから楽しいのでしょう。そして、このレポートを皆さんがご覧になる頃にはインレットの水温は更に上昇し、ワカサギの遡上のタイミングである「早朝の水温8℃」に近づいてくるでしょう。今後は水温の高くなり過ぎた下流部ではほとんど何も釣れなくなり、インレット付近の非常に狭い範囲での釣りへと変化して行くと考えています。 * 盛期のダム湖の釣り(2)へ続く。 【今回使用のタックル】 Wellner 8ft TroutRod、Shimano BiomasterC2000、Kureha SeagerAce1.2号(9lb)、 BuffetMute50FS鮎(5.5g)、WiseMinnow50FS若鮎(5.2g)、D-contact50/鮎(4.5g)、他 |