今年も渓流釣りのシーズンが始まりました。最近はシーズン初をダム湖のルアーフィッシングで楽しんでいますが、今年もまたちょっと異常なスタートの様です。暖冬で異様に雪が少なく、例年であれば4月2週目あたりから始まるダム湖の釣りが、今年は一ヵ月も早い3月の2週目に始まってしまいました。この時期、小ぶりのアメマスが多いダム湖ですが、今年は幸先が良い様で、初日から40cmオーバーの大物にも恵まれ、まずまずのスタートを切ることができました。 しかし今年の雪の少なさは異様です。過去の積雪のデータを収集し、その状況を発表(09年水況予想/積雪情報)していますが、今年の残雪量は過去最低クラスであり、ダム湖面上の雪氷も例年より1ヶ月も早く融けてしまいました。2年前にも同じ様な状況がありましたが、その年は3月に寒冷な気候でした。しかし今年は3月の平均気温が高く、残雪は融けてゆく一方の様です。これでは今年のイワナ釣りの先行きが非常に心配です。少ない残雪は源流部からの大物の流下を妨げてしまいます。ダム湖も堰堤のプールの釣りも、期待できそうにないのです。
また、3月の2週目(8日)に寒河江C&R区間へ様子を見に出かけていますが、ご覧の様に例年よりかなり残雪が少なく、河原へ降りるのもほとんど苦労しなくて良いほどの状況でした。その分、渓流へは早くから釣り人が入りこんでいる様子で、近くの沢には釣り人のものらしき足跡が一杯でした。恐らく林道の開通も1ヶ月程度は早まると考えられ、餌釣り師たちによって相当に早い時期から魚たちが釣り切られてしまうのではないかと、こちらも更に不安です。しかしなんですね、どう考えても地球温暖化が関係しているとしか思えないのですが、あと50年もすれば、イワナ釣りも過去の出来事になってしまうのでしょうか。
【3月15日(日)】 そんな中、新潟のBuuさんから写真付メイルでダム湖の状況が送られてきました。3月9日時点で某ダム湖の氷は完全に融け、既にいつでも釣りが可能な状態になっていると言うのです。まるまる1ヶ月も早い開幕には驚かされましたが、こうなるとジッとしては居られません。この土日はいわき市に留まり、またまた管釣りにでも・・・と思っていたのですが、急遽、山形経由で下越地方のダム湖へと、今年初めての出漁となった訳でした。釣りは日曜だけでしたが、どうせこの時期は9時ころからの暖かくなった時間帯の方が良く釣れるだろうと、のんびりと自宅を出発し、釣り場に到着したのは8時過ぎでした。
現場に到着すると、既にBuuさんともっくんが朝早くから釣っておられました。5時ころから釣り始めたとのことですが、1尾目は8時ころに釣れたもっくんの37cmだとのことで、やはりこの時期は遅い時間の方が魚たちの活性が高い様です。水温はまだ4℃しかなく、お魚さんたちも寒くて早朝は動けないのですね。そして私も8時半ころから釣り始めましたが、ここでちょっとしたドラマがありました。今シーズン新発売されたヘビーシンキングミノー2種類を試してみたくて仕方なかった私は、まさか釣れるとも思わずに新品のBuffetMute50FS鮎を何気なく投げて感触を確かめていたのです。
しかし、釣り始めてたった2投目で、40cmを超えそうな大物がほんの10mほどの距離でヒットしてしまったのです。全く心の準備ができていなかったためフッキングが甘かった様子で、足元まで来てバレてしまいました。シーズン初の大バラシは、さすがにガックリと萎えてしまいました。さて、話は新製品のミノーに戻りますが、しかし最近は非常に重いミノーが次々と発売され、大助かりです。HPを開設した10年以上も前からヘビーシンキングミノーの必要性を述べていたのですが、ようやく希望が叶ってきた形です。重いミノーが数多く発売されることで、Dコンタクトの一人勝ちも、そろそろ終焉を迎えるでしょう。 さて、釣りの方は先の1尾を見ただけで、その後はさっぱり反応がありません。少し休憩の後は、仕方なくフローターを繰り出すことにしました。残雪でまだダム湖周囲の道路は完全に開通しておらず、対岸にはまだ誰もルアーを投げ込んでいないポイントが沢山あり、どうしてもそこを狙ってみたかったからです。この作戦は一応は成功で、最初の釣り場のちょうど対岸付近の、ちょっとした岬になっている先端付近で、すぐに38cmがヒット。ただ、釣れたのはこの1尾だけで、途中からは結構な強い風の中、アラレが降ってきたため、寒さに降参してしまいました。この時期のフローターは結構辛いものがあります。なにせ、水が冷たく、2時間もすると体中が冷え切ってしまうのです。
上陸後はまたまた休憩タイムです。なにせ寒く、フローターはもちろんのこと、岸からの釣りでも水辺は気温が低く、長時間の釣りは体が持ちません。でもま、こうやって顔なじみの仲間と一緒の釣りは、この休憩タイムがまた楽しいのですね。半年振りに出会った仲間であり、暖かい飲み物と簡単な食事を取りながら、釣り談義に思いっきり花が咲いてしまいました。今年はどこへ行こうか、どんな釣りが待っているか、新製品はどんな風なのか、解禁後の状況はどうなのか・・・そんな他愛もない釣りの話題が尽きないのです。私がわざわざ下越のダム湖まで足を運んでしまうのは、この楽しみがあるからに他なりませんね。
さて、聞くと私がフローターで釣っている間に、もっくんにはもう一尾の獲物が有った様子。ややアメマスっぽい37cmの立派なイワナでした。しかしここでちょっと気になることがありました。そうです、Buuさんだけがこの日、朝からまだ1尾も釣れていないのです。ミノーを追い掛けてくる魚の姿は何度か見ているとのことですが、ヒットに繋がらないのです。どうももっくんとBuuさんは「キモン」の仲の様でして、昨年から2人が揃うとBuuさんだけがなぜか釣れないのです。私ともっくんはもうすっかり満足していましたが、夕方のベストタイムはBuuさんに一番のポイントを譲り、キモンが解消してくれることを願って頑張りました。
夕方4時半ころ、Buuさんの近くで釣っていた私は、尺ちょうどのイワナを追加。この夕方も活性は有る様です。そして、そろそろあたりが薄暗くなってきた午後5時過ぎ、次のドラマが待ち構えていたのです。Buuさんのすぐ隣で私がDコンを遠投すると、聞き覚えのあるスティービーワンダーの「You are the Sunshine of my life」のメロディーが聞こえてきました。私の携帯の着メロです。この時、私はちょっと迷いました。すぐにルアーを回収してしまおうかとも思いましたが、この釣り場は底がゴロタ石で敷き詰められていて、根掛かりは余り有りません。ルアーを放置して、電話にすぐに応答することを優先したのです。
電話の主は水戸の風玉さんでした。この日のダム湖の状況が気になっていたらしく、釣果や水温などの情報を一通りお話し、5分ほどで電話を切りました。この時、Buuさんも流石にあきらめたのか「そろそろ切りあげましょうか」とのお言葉。「そうですね」と言いながら、根掛かりが気になっていた私は、一度大きくロッドをあおりミノーを浮き上がらせてから、高速でリールを巻き始めました。2〜3秒後に「コツン」と小さな抵抗があり「うぁ、根掛かりしそう・・・」と、もう一度大きくロッドをあおった瞬間に今度は「ガツン」と来てしまいました。「根掛かりかよぉー」・・・と思った次の瞬間、ロッドがグイグイと引き込まる感触が手元に伝わってきました。この日一番の42cmの大物でした。まったく、こんなことも有るんですねぇ。
ところでこのイワナ、なぜ釣れたのでしょうか? 単に運良く大物が回遊してきただけとも思えません。恐らく、朝から何度もルアーを投げていて、その動きをイワナたちが覚えてしまい、スレていただけではないかと思えるのです。最後の私のミノーの動き(5分放置→ダッシュ)は、彼らがまだ見たことのない動きであり、思わず反応してしまったのではないか・・・そんな風に思えました。ちなみに、最初の「コツン」は恐らく前当たりであり、2度も喰い付いた可能性が高く、また、ミノーのフックを2本ともガッチリと咥えていて、よほど迷いなく喰らい付いてしまった様子なのです。そして、この「底でホットケメソッド」がはたして正しいのか? 次回ダム湖に行った時にぜひ試してみたいと思っています。それにしても・・・うーーん・・・Buuさん、ゴメンなさい。風玉さん、大感謝!
さて、今年も無事、ダム湖の釣りがスタートしました。ラッキーも手伝って取り敢えず幸先は良かった様ですが、今年は一体どんなシーズンになるのでしょうか。今後5月の連休ころにかけてダム湖の水位は上がり続け、それと同時に、雪代に乗って源流部からの大イワナがダム湖内で増え始めます。今年のダム湖の釣りの最盛期は例年より1ヶ月ほど早めの4月の中旬ころになるのではないかと予想しています。そして、もうすぐ目の前に、陽春の季節がやって来ています。一年で最も楽しく美しいこの時期を、大いに楽しんでみようではありませんか。 【今回使用のタックル】 Wellner 8ft TroutRod、Shimano BiomasterC2000、Kureha SeagerAce1.2号(9lb)、 D-contact50/鮎(4.5g)、BuffetMute50FS鮎(5.5g)、WiseMinnow50FS若鮎(5.2g)、他 |