山形渓遊会の渡邊会長と二人で、ちょっとした源流の釣りに行ってきました。今シーズンは前半に体調を崩し、渓遊会との釣行は5月の連休に一度だけという寂しい状況でした。お盆を過ぎてイザ源流と思いきや、その後は休日になると決まって雨ばかりの日が続き、思った様な源流釣行は出来ずじまい。しかし、最後の最後になって、少し物足りない思いは有ったものの、源流らしい渓と魚たちに出会うことができ、まずまず満足して今年の源流のシーズンを終えることができました。(釣行レポートは9月末の納竿釣行レポートが今シーズンの最後となります。) 【9月13〜15日】 これまでのレポートでも「体調を崩し」と何度か書いた様な記憶がありますが、実は目の障害でした。左目だけが異常に強い近視の状態で焦点が合わず、山歩きは危険と判断して源流釣行を控えていたのです。ただ、体そのものはすこぶる元気であり、フローターフィッシングやダム湖の釣りでは全く問題無く、釣りまくっていたと言う訳です。このレポートを書いている現在は、手術も成功し、以前よりも非常に良く見える状態になっていて(医学の進歩に感謝!)、体力的にも気力的にも、以前にも増して釣りに意欲が湧いている状態です。
視力が完全に回復し、源流遡行も問題無い状態になったのはお盆明けでしたが、しかし今度は土日毎に山形・下越地方は大雨の連続でした。今年のお天とうさんはホントに意地悪ですね。結局、9月の末まで、すっきりと晴れた土日は一度もありませんでした。仕方なく近場でお茶を濁す日が殆どでしたが、この時期大物たちは産卵準備で魚止の近くまで遡上していて、近場では小物以外は殆ど釣れません。9月の2つの連休に最後の望みを賭けていましたが、両前日の金曜に仕事が入ってしまい、この週(13〜15日)に予定していた山形渓遊会の源流釣行は参加できずじまいでした。
【9月21日】 20日から24日までを4連休としていた私ですが、やはり金曜夜に仕事が入っていて、土曜早朝からの活動は不可能でした。20日(土曜)午後、渡邊会長と予定していた某山越えの源流への山道の入口に到着すると、案の定、水戸ナンバーのクロカンが1台停まっています。先行者有りです。これでは山越えしても意味がありません。仕方なく全く別の渓流へと向かいました。ただ、この日の夜にはかなり強い雨がこの地方で見られ、結果的には源流に入らなくて良かったのかも知れません。とにかく土日は雨なのです。下手に源流域に入ろうものなら、どんな災難が待ち受けているか判りません。
この日は車中泊でしたが、前述の通り、夜半には相当な豪雨があり、車の屋根を叩く雨音で目が覚めてしまうほど。翌朝7時ころには雨は上がりましたが、周辺は源流に近い場所にも関わらず、写真左上の様なかなり強い濁りが残っていました。しかしこの程度の濁りはむしろルアーフィッシングには味方です。この日入った渓流は道路沿いでアクセスが良く、しかも、とても有名な場所であり、普段は釣り人が非常に多くてそう簡単には魚が出てきてくれはしないハズなのです。しかし釣りはじめてその憂慮はあっさり消えてくれました。というか、最初のうちはほとんど入れ食いなのです。
入渓した場所は小さな取水堰の下流域であり、普段は殆ど水が流れていません。実は漁協による放流がまんべん無く行われているにも関わらず、高透明度と水の少なさで普段は殆ど釣れないのです。雨で堰が溢れ水量が何倍にもなり、かつ濁りで魚の警戒心が薄れた時だけに、入れ食いが楽しめると言う訳なのですね。ただ、放流魚の哀しさで、サイズは27cm程度までの型揃いで、しかも尾びれがやや小さく引きの弱いイワナばかりです。中には生き延びて40cmを超える様なサイズも残ってはいるのですが、そんなツワモノが釣れる可能性は殆どありません。そのうち透明度が上がってきて、みるみる釣れなくなってしまいました。
さて、夜はお決まりのキャンプです。仲間うちではイワナパーティーと呼んでいますが、1人2尾以内のイワナの料理と焚き火を肴に、森の中で杯を交わすのは、何度やっても楽しく飽きません。ただ、今回は今シーズン最後のイワナパーティーであり、付近にはススキの穂が風になびき、遠く山々には早くも葉を黄色く染め始めた木々の姿が見えていて、なんとなく寂しさが漂います。最後の宴会の話題は決まって今シーズン入った峪やイワナの思い出、そして、来年はあの峪に行こう、こっちの峪にも行こうと、まるで他愛のないものばかり。でも、それが楽しくて、それでも話は尽きないのです。
【9月22日】 翌朝はいつもの通り、呑み過ぎていて目が覚めたのは7時を回っていました。まぁ、この日は4連休とは言え月曜の平日であり、地元の人は殆ど入ってはきません。テン場の横を流れる渓の源流部に入ろうと考えていた訳ですが、この時間でもまだ誰も来ていない様子。この釣り場は綺麗な林道が整備されていて、初心者にも攻め易く、雑誌などにも頻繁に登場する非常に有名な渓なのですが、こんなこともあるんですね。8時過ぎ、その林道を30分ほど歩き、渓に降り立ちました。早速、会長さんが網で川虫を採取しようとしますが、時期的なものもあるのかも知れませんが、どうもこの渓には川虫が殆どいない様子。仕方なく、2人ともルアーで攻めることに。
前夜にも結構な雨が降っていて、入渓当初は褐色のかなり強い濁りが見られましたが、例によってルアーフィッシングにとってはむしろ最適です。入渓地点からすぐに釣果が見られ、ポイントごとにしっかりとイワナが出てきてくれました。ただ、放流物がハバを利かせているのか、釣れてくるイワナはパーマークの不鮮明な尾びれの小さなイワナばかり。それに、やはり相当な釣り人が入っている様子で、この濁りなら居れば釣れるはずなのですが、大型はまるで出てきません。まぁ、7時ころにゴソゴソと起きだしてきて、しかも連休のド真ん中で散々叩かれた後ですから、こんなもんでしょうか。
さて、写真を良くご覧頂ければお判りかと思いますが、私(写真左上)はネオプレーンの重いウェーダーを履いています。起きたのが遅く、先行者もいるかも知れないからと、最奥まで釣り上がる気は最初から無く、適当なところで引き上げてくるつもりだったのです。ただ気温は意外と低く、ネオプレーンでも全く問題はありませんでした。大物こそ出ないものの数は相当なものがあり、しかも先行者の形跡もありません。2人とも夢中になってどんどんと釣り上がって行くと、やがて両岸が切り立った狭い地形に変化してきました。そろそろ魚止めの滝が近い様です。・・・ネオプレーンで魚止めまで攻めたのは、実は今回が初めてでした。
釣り始めて5時間が経過した13時ころ、先に歩いていた会長さんが両手で○印を描いています。どうやら魚止めの滝に到達した様です。私がその場に追い付くと、会長さんは既にロッドを構えています。そうなんです、いつもの事なんですが、魚止めの滝は会長さんが真っ先に釣っちゃうんですよねぇ。・・・おぃおぃ、一番に釣るのは良いけど、魚止めの主の大物をしっかりと釣り上げる責任もあるんでっせ。判ってまっしゃろね!・・・と思いきや、既に会長のルアーは滝壺にしっかりと投げ込まれていて、写真上中央の27cmが会長の手中に。またまたやられてしまいました。んー、でもまぁ、ここまでの釣果と状況を考えれば、27cmでも魚止めの主だった可能性もある訳で・・・仕方なく、仕方なく、許して上げることにしましたとサ。
【9月23日】 翌23日の連休最終日は会長さんには用事があったらしく、あっさり帰ってしまいました。残された私は21日に釣った更に上流側を一人で攻めることに。この日も幸いに(?)雨模様であり、適度な濁りと水量で最高の条件でした。やはりアクセスが良く釣り人の非常に多い有名な釣り場ではあるのですが、しっかりと放流事業の行われている場所ではあるため、この日、ほんの500mほどの短い距離を釣り上がりましたが、16尾の釣果が見られました。また、放流魚が中心とは言うものの、中には釣られずに大きく成長している魚体も僅かながら存在するものです。33、32、30cmと尺物も3尾混じり、大満足で帰路に着きました。
【今回使用のタックル】 KenCraft SuperTroutSpecial60LT(Telesco.PackRod)、Shimano SensiLite MG2500、Kureha SeagerAce1号(6lb)、DensMinnow37S緑、D-contact50S鮎/TS/緑、他 |