ミニオフレポート

08年ダム湖の釣り始動(4月5-6日)


今年もダム湖のルアーフィッシングのシーズンが始まりました。昨年は異様な小雪で3月からダム湖はスタートしましたが、今年は例年より少し早い程度のごく普通の年の様です。この時期まだダム湖の水位は低く、透明度も高くて釣り辛いのですが、とても良いお天気に恵まれ、ダム湖での初釣りは非常に幸先の良い結果を招いてくれました。淡水のルアーマンにとって、一年で最も楽しい時期が、いよいよ今年も始まりました。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


毎年、4月から5月の連休ころまでの釣りは、天候や残雪量に大きく左右されるものです。今年はごく平年なみの残雪量の様であり、3月末に出かけた寒河江C&Rでも、写真下の様にごく普通の風景が見られました。ただ、この3月は大きく平均気温を上回っており、かなり早い時期から雪代が出ていた様です。この陽気は4月も続くと予想されており、午後からの強い濁りの雪代が流れることで、大物たちが源流部からダム湖や堰堤プールへと効率良く流下してくれるのではないかと、大いに期待しています。

08年の新潟/山形共通遊漁承認証大井沢の残雪は平年並み寒河江C&RのニジマスとKフライ

最近は便利な時代になったもので、新潟・山形・福島でも複数のダム湖にライブカメラが設置されていて、残雪や結氷・水位の様子をインターネット上で見ることができる様になっています。以前は現場まで行ってみないと状況が判らなかったものですが、今は自宅に居ながらにして釣りの時期を見定めることができる様になったと言う訳です。この地方の結氷が融けたのは、例年より1週間ほど早い4月初。長い冬の間、じっと我慢をしていた釣りの虫がにわかに騒ぎだしてしまいました。

【4月5日(土)】

残雪の朝日連邦異様に減水したダム湖Dコン50S鮎に来たアメマス32cm

この日は午前中にちょっとした用事があり、午後からの出陣でした。5月の連休ころまでは、暖かい良く晴れた日が狙い目となるものですが、この日は朝から雲一つ無い快晴で暖かく、翌日曜までこのお天気は続くとの予報。ダム湖の初釣りには最適です。2時ころ最初のダム湖に到着しましたが、案の定、ダム湖は20mほども減水していて、しかも林道には残雪が残っていて、車で奥へは入れません。仕方なく、ダムサイトのすぐ近くで試しにルアーを投げてみると、数投目で上右写真のアメマス32cmがヒットしてきました。今年初めてのダム湖の釣果でした。

南東北日本海側でのダム湖の水位の変化: 詳しくは各ダム湖の管理事務所や関連サイトにてご確認下さい。
 3月 :急な雪解けに備え、一旦、貯水率10〜50%程度まで減水するところが多い。
 4月〜:水位を上げ続け、田植え時期の5月連休の頃までに満水になり、その状態が5月末頃まで続く。
 6月〜:梅雨以降の洪水に備え、再び10〜50%程度まで減水し、9月末頃まで減水期が続く。
10月〜:非洪水期の10月〜2月は満水を保つダムと減水したままのダムに分かれる。


このダム湖も大減水だが・・・Dコン50Sヤマメに来た34cm28cmほどのアメマスを追加

ただ、翌日は新潟の釣り仲間とのミニオフを予定していましたので、その後は予定の別のダム湖へと移動しています。こちらも20m近い減水で、同じく残雪で車の移動はままなりませんが、草木の生えていない法面が露出していて、なんとか岸辺を歩くことができるため、徒歩で移動しながら釣ることにしました。ここでもすぐに34cmのアメマスがヒット。途中、写真を撮影しながらのんびりと釣りましたが、すぐに時間切れ。もう一尾、28cmほどを追加してこの日は終わりました。今年のダム湖の初釣りは幸先が良い様です。

カタクリフクジュソウ紫のキクザキイチゲ

【4月6日(日)】

翌日はおなじみの新潟のBuuさん、風玉さん、もっくんとミニオフです。予報通りにこの日も雲ひとつ無い快晴で暖かく、期待が膨らみます。新潟の皆さんとは5ヶ月ぶりの再会ですが、メイルや掲示板でしょっちゅうやりとりをしていますので、まるで久し振りには感じません。挨拶もそこそこに早朝5時に釣りをスタートしました。そして、前日に私が試し釣りをしていたのと同じ付近を、皆で岸辺を歩きながら探り続ける戦法で、まずはもっくんにアメマス38cmがヒット。ポイントは前日34cmが釣れたと同じ、ちょっとした岬の先端でした。

もっくんとBuuさんまずはもっくんに38cmがまだ小ぶりのワカサギを吐き出した
良いお天気でダム湖畔は気持ち良い続いてBuuさんに30cm私にも37cmアメマス

岬に連なる緩やかな馬の背状のかけ上がりは、餌となるワカサギなどを待ち伏せるには都合が良いのでしょう。1尾釣れてもすぐに別の魚が入ってきて、捕食効率の良い場所を占領している様です。そして、その後もポツリポツリとヒットが見られ、Buuさんにちょうど尺、私にも37cm、もっくんに再び39.5cm、最後に私に33cmと、期待通りの釣果に大満足です。40cmオーバーが出ていないにも関わらず、なぜ期待通りかと言うと、この時期はまだ雪代が少なく出始まったばかりであり、源流部からの大物の流下がほとんど起きていません。そのため、釣れるのは小ぶりのアメマスが殆どなのです。

もっくんの39.5cm、惜しい!もっくんと泣キ40cm撮影後は全てリリースした

ただ、ここでちょっと気になることがありました。昨年9月の某山小屋釣行時もそうでしたが、風玉さんと私は、一緒に釣るとまるで釣れなくなる「キモン」の仲がまだ続いている可能性があったのです。私には小型が釣れていましたが、風玉さんだけが全く釣れていません。この日も風玉さんと近くで並んで釣っているときはさっぱりで、ちょっと離れた隙?に私だけに釣れていた様な・・・気にするとますます釣れなくなっちゃうんですねぇ、不思議です。そして、太陽の高くなった9時近くになり、ついにアタリが遠のいてしまいました。

なぜか風玉さんだけが釣れない8時ころ私に来た33cmこれも楽しみの皆でコーヒータイム

水温5〜6℃と非常に水の冷たいこの時期は、日中でも普通に釣れるはずなのですが、朝からかなり場を荒らしていますので、しばらくは釣れそうもありません。仕方なく、一旦は車の置いてある所に戻り、皆でコーヒータイムです。釣りも楽しいのですが、この時間が楽しくて、仲間のいる下越までわざわざ来ている様なもの。久し振りの釣り談義に思いっきり花が咲いてしまいました。ただ、風玉さんは午後から用事があるらしく、昼過ぎには帰らないといけないとのこと。一人まだ釣れていない彼は落ち着きがありません。11時ころになって、風玉さん一人だけがロッドを持って湖岸へと降りてゆきました。

大きな斑点が綺麗なダム湖のアメマス44cm破顔する風玉さんと44cm

そして、それから15分も経った頃でしょうか、崖の下から「40アップ出ましたぁぁーーーー」と、まるで谷間全体に響きわたる様な巨大な叫び声が聞こえてきたのです。・・・ 何事かと皆で急いで崖を降りてゆくと、そこには上写真の本日一番の大物、44cmのアメマスが横たわっていました。・・・ やーー、やっぱり風玉さんと私とは、離れていないと釣れないみたいですねぇ。キモンが外れるまで、今シーズンはしばらくの間、並んで釣りをするのは止めましょうね、風玉さん!! それにしても、この時期この大きさはなかなか出るものではありません。起死回生の44cm、ご立派です。参りました。

北海道のアメマスを彷彿とさせるやさしくリリースすぐにもっくんが35cmを追加

この44cmですが、引き寄せてくる時にもう一尾、別の大きな魚が後をついて来ていたそうで、もっくんがすかさずルアーを投げ込むと、1投目で上右写真の35cmがヒット。夫婦でこの辺りをうろちょろしていたのでしょうか、2尾とももちろん優しくリリースしてやりました。ちなみに、なぜ6℃くらいまでの水温の低い時期は真昼間でも釣れるかというと、イワナやアメマスなど冷水性の魚にとってもこの水温はまだ寒すぎるため、水温の上がる昼間に活性が上がるからではないかと考えています。但し、昼間は朝夕よりかなり深い所で釣れる様です。また、大物ほど活性の上がる時間帯は遅い(昼に近い)様です。

フキノトウショウジョウバカマオオイヌノフグリ

昼寝などをして過ごした後は、午後3時ころから交代でボートでハンドトローリングを試すことにしました。減水でボートを下ろすのが非常に大変ですが、3人で分担して荷物を持ってもらったため、難なく出船できました。この時期はまだ残雪で車での移動がままならないため、まだ誰も釣っていないポイントが沢山残っています。そういったポイントをボートで徹底的に探ろうと言う作戦です。ボートを下ろしたダムサイト近くから釣り始めましたが、しばらくして私のロッドに40cmオーバーを思わせる強いアタリが出て大喜び。しかし、その魚体を見て愕然としました。30cmちょっとのブラックバスだったのです。

午後はボートでハンドトロール作戦に減水したダム湖でも難なくしかし1尾目はブラックバス

あきらめずにそのままボートを走らせましたが、今度はBuuさんのロッドに更に強烈なアタリが・・・ しかし、こちらも40cmもある立派?なブラックバスでガッカリ。バスの再放流は禁止されていますので、ちょっと可愛そうでしたが2尾とも完全に昇天して頂き、カラスの餌になって頂きました。ただ、それでもメげずにボートを走らせると、今度はBuuさんに35cm、私に33cm、またBuuさんに尺、しばらく何も釣れずに、再び私に28cmと続き、最後はBuuさんに40cmジャストのアメマスがヒットしてきました。

今回、ダムサイト付近から釣り始め、インレット近くで折り返す様にボートを走らせていましたが、どうやら水温の高いダムサイト付近はブラックバス、ダム湖中央部(6℃前後)はアメマス、水温の低いインレット付近は何も釣れないと言う、水温の分布に綺麗に従った釣果だった様です。岸からの釣りでも、水温の低い時期はインレットよりもずっと手前で良く釣れることがあるものです。結氷の融けた直後はダムサイト付近、その後は徐々にインレット部へ向かって適正な水温の場所を探して釣るのが最適なのでしょう。

Buuさんとジャスト40cm午後の釣果も全てリリース今、ダム湖は急速に水位を上げている

さて、今年も無事、ダム湖の釣りがスタートし、しかもその幸先は非常に良い様です。5月の連休ころにかけてダム湖の水位は上がり続け、それと同時に、雪代に乗って源流部からの大イワナがダム湖内で増え始めます。今年のダム湖の釣りの最盛期は例年より少し早めの5月のゴールデンウィーク前半になるのではないかと予想しています。そして、5月の末頃までダム湖のルアーフィッシングは続きます。そしてすぐ目の前に、新緑とスプリングエフェメラルズと大イワナの季節がやって来ています。一年で最も楽しいこの時期を、大いに楽しんでみたいと思います。

【今回使用のタックル】
Zehpyr Boat ZR-220MH、MinnKota RT40S(28in)、Voyager 105A
Wellner 8ft TroutRod、Shimano SensiLite MG2500、Kureha SeagerAce1号(6lb)、
D-contact50/63S/鮎/ヤマメ、CoatacヤマメSpoon、他