クラブ釣行レポート

山形渓遊会07年初夏+その後のダム湖の釣り(6月2・3日)


すっかり気候も良くなった6月初、今年も山形渓遊会の初夏の釣行に参加してきました。昨年同時期に訪れた時は、入れ食いに近いとても良い思いをした渓でしたが、今年は少雪の影響で早期から大勢の釣り人が入っていたらしく大ハズレ。それでも翌日はボートを使って、ダム湖に注ぐまだ人の入っていない小渓を巡り歩き、なんとか初夏の渓を満喫することができました。オマケで、その後のダム湖の釣りについてもお伝えします。

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【6月2日(土)】

今回の参加者は、いつもの渡邊会長・佐谷名人・K++に加え、一昨年から参加の佐々木さん、今年から参加の朝日さんの5名です。ただ、佐々木さんは用事があるらしく、私と入れ違いで土曜お昼過ぎには帰られてしまいました。彼と佐谷名人の2人は金曜から有給を取得し、この付近の渓を釣っていました。そして、2日土曜早朝に佐谷名人と私が写真の渓に、渡邊会長と朝日さんがその隣の渓に入渓しました。いずれも昨年同時期に訪れ、入れ食いに近いとても良い思いをした渓だったのです。

いきなり出た29cm

しかし、佐谷氏と佐々木氏の話では、前日は平日にも関わらず、釣果はイマイチだったとのこと。不思議に思いながら入渓すると、まず私のルアーロッドにかなり大きなアタリがありましたが、惜しくもバラシ。次に林道入り口から100mほどの所で佐谷名人が29cmの良型をあっさり釣り上げてしまいました。ちゃんと釣れるではないか!これは期待できそうだ!、と釣り進みますが、後が続きません。最初の高巻き地点まで、チビイワナのみでサッパリです。まるで狐につままれた様でした。


この渓は林道入り口にゲートがあり5月末までは車では入れませんが、どうやら小雪のため、地元の人たちがバイクを使って相当数、先に入っていた様子。どうりで昨年の様には釣れません。昨年は雪が多くてバイクですらこれらの渓には辿り着けなかったハズですから。こんなところにも小雪の影響が出てしまうとは、いやはや予想外の出来事でした。そして、林道入り口で最初にヒットした魚は、どうやらすぐ下のダム湖からの遡上の大型だった様子であり、100mも進むと、魚影はサッパリ・・・と言う訳だったのです。

水量の安定した峪は心が安らぐ

その後は高巻きを2ヶ所ほど経て、ようやく魚影がそれなりに見られる様になり、私のロッドにも29cmまではヒット。しかし、この渓では結局尺物はヒットせず、昨年とは打って変わって寂しい結果となってしまいました。テン場に戻った渡邊会長と朝日氏に聞いたところ、状況は我々の入った渓よりもまだ酷かった様子で、尺物はおろか、殆どまともな釣果が無かった様子。ただ、転んでもタダでは起きない会長さんですので、沢山の種類の山菜をタップリと採取して、ザックがぷっくらと膨らんではいました。

結実したネコノメソウニリンソウオオバミズホウズキ(ミソホウズキ)
シドケ(モミジガサ)のおしたしウドのキンピラとクルミ和え

夜はこの時期恒例の山菜・イワナパーティーです。あまり釣れなかった会長さんのお陰か、時期遅れにも関わらず、ウド・シドケ・タラの芽・シオデなどタップリの山菜が宴を賑わせてくれました。4月末の「07渓遊会春」では、ちょっとした事件で山菜パーティーが出来なかった私は、この春とても寂しい思いをしていた訳ですが、今回の釣行でそのウップンを十分に晴らすほどに山菜をたらふく食べることができ、至福、大満足、言うこと無し!、の大宴会でした。「ありがどぉごぜぇますだ、会長さまぁ!」

通りがかりの釣り人(中央2人)と話し込み、記念写真

そして、あまりの楽しそうな雰囲気に、通り掛りの釣り人が車を止めてやって来ました。聞けばお二人とは過去にお会いしたことがあり、このホームページを時折ご覧頂いているとのこと。残念ながら帰りを急いでおられたらしく、お酒はご一緒できませんでしたが、急遽、記念写真を撮影し、また会う機会を楽しみにお別れしました。しかしなんですね、こうやって知らない人と人が知らずに宴を交わしてしまうのは、ネットと森の力なんでしょうか。こんな楽しみが忘れられなくて、ついつい源流へやってきてしまうのです。

定番!イワナの骨酒たっぷりの山菜の天ぷらそして、イワナの空焼き
タチツボスミレオオバキスミレヤシオツツジ

【6月3日(日)】

翌日曜日は、非常に良いお天気の穏やかな日でした。しかし、あまりの酒宴に皆が起き出したのは、既に日の上がった7時ころ。既にテン場横の林道を10台以上の車が通り過ぎ、今から入渓しても人の後を追う釣り以外には考えられません。しかし、今年の私には妙案がありました。ゴムボートとエレキを車に積んでおり、ボートでないと渡れないダム湖の対岸の小渓を攻めてみることにしました。ダム湖のルアーフィッシングのために買い込んだボートですが、源流の釣りでも大いに役立つという訳です。

快晴のダム湖1本目の渓は数・型ともまずまず
朝日さん上流部は開けた渓相

ただ、このダム湖の対岸の支流は非常に狭く、水量も大したことがありません。4本の支流が入っていますが、うち1本はちょっとした山越えで簡単に入渓できるためパス。残り3本をボートで次々と移動しながら釣り歩きます。1本目はテン場から一番近い渓でしたが、これが以外と良く釣れました。小さな沢であり、大物は望めませんが、ポイントらしき所には必ずイワナが入っていて、数も相当数出ました。そして、あっと言う間に魚止めらしき滝まで到着した会長さんと朝日さんが、31cmの、こんな小渓にしては良型を仕留めていました。

2本目の渓は足跡だらけ朝日さんの28cm1時間ほど釣り上がるが、サッパリ

2本目に入った渓は、1本目の支流よりもかなり開けていて、水量もありました。しかし、ボートで上陸してみると少々ガッカリでした。足跡だらけなのです。どうやら地元の人たちが早期から入っているらしく、ここでは朝日さんに28cmほどのイワナがヒットしただけで、会長さんも私も全くの無反応でした。このダム湖にはエンジン付のボートが何艘か係留してあり、山菜採りのついでに釣りもする地元の人がいるらしく、既に殆ど釣り切られたに近い状況だった様です。やはり開けたそれなりに釣れる渓は、既に終わっていたと言う訳です。

3本目の渓は小滝の連続する沢25・6cm級がポツポツ釣れる

そして3本目の渓は、とても短く水量も少ない小沢でしたが、そのぶん人が全く入っていない様子で、逆に結構楽しめました。ほんの200mほどで魚止めになってしまいましたが、途中、写真下の様に小さな滝と壷が沢山あるナメ状の沢となっており、各壷には尺足らずではありますが、イワナが入っていました。ただ、あまりにも少ない水量で透明度も高く、迂闊に近づいてしまうと釣れません。ここでは私もミノーで27cmをゲットしましたが、ルアーを投げるほどの距離もありませんので、壷に腰を低くして近づき、2m程度垂らしたラインでミノーを壷に投入し、ミノーの脈釣りの要領で釣り上げました。

27cmと私魚止め滝で粘る朝日さん

こうやってダム湖に注ぐ3本の沢を攻めて見ましたが、釣り人さえ入っていなければ魚影はそれなりに濃く、結構楽しめます。ただ、こういった小さな沢は、ダム湖に注ぐ河川群全体の種沢になっているのではないかと思えました。もちろんこの日の釣果は全てリリースでしたが、こんな条件の悪い渓で育つイワナたちをも根こそぎ持ち帰ってしまう様な釣り方は、厳に慎みたいものですね。  さて、今年の源流の釣りですが、記録的な小雪で早期から釣り人が入り込み、予想通りの寂しい釣果が多くなりそうです。しかしそんな中でも逞しく生きているイワナ達は健在であり、今年も我々を楽しませてくれることでしょう。

ラショウモンカズラトウダイグサ(有毒)タンポポ

【その後のダム湖の釣り】

ダム湖の釣り終盤へ(07年4/30-5/13)」で、今年の下越地方のダム湖の釣りが例年より早く終わってしまったことをお伝えしましたが、降雪量のそれほど極端には少なく無かった山形県内のダム湖には、その後も数度出かけています。ただ、県内でもやはり小雪ぎみであり、例年よりやや早く終盤を迎えており、このレポートを書いている6月8日時点では、岸からのダム湖の釣りのシーズンは既に終わっている様です。また来る08年のシーズンを楽しみにしながら、下記のレポートをご覧下さい。

水没した10m滝イワナ41cm滝の多い水系

県内には釣りの可能なダム湖が数多くありますが、5月19日に出かけた釣り場は最近になり完成したダム湖であり、その釣りの状況は雑誌などにも一切触れられてはいません。ダム湖完成から3年程度で大型化したイワナが釣れ始めると考えていますが、このダム湖は既にその期間を過ぎていて、大物の存在を確かめる目的もあって入渓しました。このダム湖は源流部の標高が比較的高いためか、水温はまだ6℃程度と低く、十分に釣りになる状況でした。午後からハンドトローリングでインレット〜2kmの範囲を丹念に探った結果、中間付近の岬の先端で41cmがヒットしてきました。やはり大物は居る様です。

太ったイワナ36cmインレットには2人のルアーマン

この日は山形市の自宅へ戻り、翌20日の午後もほぼ同じ区間を攻めています。しかし前日に一度攻めた場所はスレてしまうのか反応が悪く、別の大支流の同様の区間を攻めることで、なんとか36cmをゲット。ただ、午後2回の釣行にしては魚影は薄く、どうも下越のダム湖には敵わない様子です。翌週の26日にも別のダム湖に入っています。こちらは水温8〜10℃と高めでしたが、午後の遅い時間からの出漁だったこともあり、イワナは不発、ウグイのみでした。ただ、インレット付近で釣っていた2人のルアーマンが、目の前で45cmのイワナを釣り上げており、この日は付近に泊り込み、翌朝に期待しました。

翌朝7時ころキャスティングで釣れたイワナ43cm

そして、翌27日は早朝7時半ころ、岸からのキャスティングにより、インレット直下で上写真の43cmがヒットしています。この時期は既に流入水の水温が7℃を超えていて、ワカサギ達がインレット直下に集まっていた様子で、イワナも狭い範囲に集中していたのでしょう、下流部では何も釣れませんでした。午後の水温上昇時の流入水の水温8℃が決め手と考えていますが、概ねどちらのダム湖においてもセオリーどおりの結果であり、やはりこの付近でもダム湖の釣りの終焉を迎えていることを示していました。また来年のダム湖のシーズンが待ち遠しいですね。

【今回使用のタックル】
源流の釣り:KenCraft SuperTroutSpecial60LT(Telesco.PackRod)、Shimano SensiLite MG2500、
Kureha SeagerAce1号(6lb)、Wavy50S/65S/ヤマメ、D-contact50Sヤマメ/TS、他
ダム湖の釣り:Zehpyr Boat ZR-220MH、MinnKota RT40S(28in)、Voyager 105A
Wellner 8ft TroutRod、Shimano SensiLite MG2500、Kureha SeagerAce1号(6lb)、
D-contact50/63S/鮎/ヤマメ/TS、SuperSinkingMinnow50S/緑、他