今年のダム湖の釣りは最初から最後まで例年にない異常っぷりです。新潟県下越地方では、ダム湖の釣りが例年より1ヶ月以上早く始まり、逆に3週間ほど早く終焉を迎えてしまった様です。暖冬で異常に少ない残雪の与える影響は大きく、ここ数年見られなかった様々な異常な現象を見せ付けられる格好になっています。なお、ここ数日仕事が非常に忙しく、大変申し訳ありませんが、4月末から5月2週目までのダム湖のレポートをまとめてお届けさせて頂きます。 【4月30日・5月1日】 私のお気に入りの新潟県下越地方のダム湖の釣りですが、今年は3月1日の解禁から始まりました。本格化したのは例年より1ヶ月も早い4月1週目からでした。そして、5月の連休が終わった今、既に源流部の残雪は殆ど消失してしまい、水温の上昇とともにイワナ達は源流部へと遡上を始めてしまった様です。なお、山形では例年の70%程度の残雪が記録されており、例年よりはやや早く終盤を迎えそうですが、5月の中旬以降もしばらくはダム湖の釣りを楽しめそうです。
30日は非常に良いお天気で暖かく「序盤戦はポカポカ陽気に限る」のセオリー通りなら、大釣りのチャンスだったハズでした。しかし、風玉さんと2人で釣行しましたが、魚影すら見られない酷い状況に驚かされました。夕方、ボートでインレットまで様子を見に行きましたが、流入水の温度は8℃まで上昇しており、ワカサギが結集し始めていて、既にこのダム湖の釣りは終盤の状況でした。インレットでも釣りを試みましたが、残念ながらこの日は、夕暮れ近くで時間が無く、しかも雪代でかなり強く濁っていて、釣果には繋がりませんでした。
翌5月1日は一旦自宅に戻り、午後から山形県内の別のダム湖を攻めています。この日は逆にちょっと寒く、条件としてはあまり良くありませんでしたが、下越地方とは違って残雪も豊富に残っていて、まるで別世界でした。水温は6℃、インレット部では4.5℃程度と、まだまだ冬から抜け出したばかりのダム湖では、悪条件に見えても活性はあった様子で、午後からの2時間ほどの短時間にもかかわらず、アメマス33cmとニジマス・ヤマメが1尾づつ釣れてくれました。ほんの数十キロ離れただけの隣の県では、こんなにも気候が異なるのかと、驚かされたものです。
【5月3・4日】 2日と3日の午前中は家族サービスで釣りはお休みしましたが、3日の午後から4日にかけて、再び県内の別のダム湖に出かけています。下越のダムが魚影も濃く、様々な条件が全て揃っていて大好きなのですが、どうやら異常に少ない残雪で既に雪代が消失しかけていて、早くもシーズン終了ではないかと考えられ、足が向かなかったのです。3日も午後4時半ころからボートで釣りを開始しましたが、ハンドトローリングで尺ちょうどのアメマスが1尾だけヒット。あっと言う間に真っ暗になってしまい、仕方なく現地でたった一人でキャンプとなってしまいました。
翌4日は非常に良いお天気で、早朝7時半ころ、インレットから1kmほどの地点で、待望の40cmオーバーがヒット。しかし後が続かず、この日は終日頑張ったにも関わらず、尺ちょうどくらいのニジマスとウグイを追加しただけで、どうやらこのダム湖も魚影はそれほど濃くはない様です。夕方、インレット部で強烈なライズリングの嵐に遭遇しましたが、いくらルアーを投げ込んでも全く反応がありません。まだ水温が6℃と低いため、インレットにはワカサギや渓魚たちが集まってはいない様子で、ウグイの天国だった様です。
豪雪地帯のダム湖では、ワカサギ遡上開始のサインとして、流入水の水温8℃が決め手と考えています。日によって流入水温は変化しますが、徐々に確実に水温は上昇して行き、午後の水温上昇時に8℃を超え始めたころからワカサギ達がインレットに集まり始める様です。逆にシーズン初はインレットから離れたポイントにワカサギが回遊していて、イワナのポイントもインレットから数kmの地点となります。下越と山形県内のダム湖では、この連休に同時にこの2つの状況が起きていたと考えています。水温の上昇とともに次第にインレットに近いところにポイントが移って行き、ワカサギの遡上とともに、シーズンは突如終わるものと考えています。
【5月5日】 さて、翌5日は再び下越のダム湖に舞い戻ってしまいました。下越には足が向かないとは言ったものの、一人でのキャンプ釣行はどうもつまらないもので、3・4日の2日間ですっかり飽きてしまったのです。釣果よりも釣友を取ったと言う訳ですが、しかしこれが正解でした。シーズン終盤とは言え、インレットの狭いところでも実は十分に釣りになります。むしろポイントが限られていてお手軽であり、多くのアングラーはこの時期を本命と考えている様です。ただ、昨年まではフローターで釣っており、激流に歯向かってインレットまで行く手立てがありませんでしたが、今年はエレキ付のボートでインレットまで難なく入れる様になったのも、大きな点でした。
ただ、下越地方にいくつかあるダム湖はどこもインレットが非常に狭く、3人で入ると場所の取り合いになってしまいます。また、狭いインレットでの釣りですので、ポイントに到着後、あっと言う間に場が荒れてしまい、すぐに釣りが終わってしまうのも難点です。場荒れした後は何の反応も無くなってしまうのです。私は今シーズン、既に40cmオーバーを何尾か釣り上げていましたので、不調のBuuさんと風玉さんに場所を譲っての釣りでしたが、なぜか5日は不意に投げた私のミノーに46cmが釣れてしまい、お二人には37cmと尺足らずのアメマスのみで、どうも不本意な状況になってしまいました。
私はやはり、広々としたところで自分の気に入ったポイントを気ままにのんびりと攻める釣り方のほうが好きですね。私がシーバスやサクラマスをやらない理由はこの辺りにもありそうです。(もう一点、水や景色の奇麗な所で釣りたいという理由もありますが) さて、一方で、この日はまだインレットから1〜2km離れた場所でも僅かながら釣果が見られていました。30日には全く反応すらなかったのですが、この日は例年のGWころのポイントで36cmがハンドトローリングで釣れています。ただ、例年ほどは魚影は濃くは無く、残り物のイワナといった感じでした。イワナたちの気まぐれが未だに良く判りません。
【5月6日】 翌6日は連休最後の日であり、ここは何としてもお二人に大物を釣って頂かなくてはなりません。私はハンドトローリングやレッドコアで深場を攻めてみたいと思っていたこともあり、インレットには2人に1時間以上も遅れて入りました。しかし、いつものGW頃のポイントでは、やはり魚影は非常に薄くなっていて、レッドコアを以ってしてもウグイ以外は何も釣れませんでした。ただ、風玉さんがインレットへと移動中にハンドトローリングで41cmをヒットさせています。場所はインレットから2kmほども離れた所であり、このイワナが最後の残り物だったのかも知れませんね。
この日はズミさんもボートで来られていましたが、彼はこれまでインレット付近まで来られたことは無かった様であり、我々が釣っている様子を後ろの方からご覧になっておられました。ダム湖の釣りも終盤になると、こういった釣り方になりますので、来年からでもぜひ挑戦されてみてはいかがでしょう。私とズミさんが大幅に遅れてインレットに到着しましたが、インレットの釣りは完全に終わっていて、何も釣れない状態になっていました。しかし、Buuさんに待望の大物45cmがヒットしていて、この土日のミニオフでは、Buuさん、風玉さん、K++に40cmUpが揃ったことになりました。メデタシメデタシ。ちなみに、ミニオフで3人揃いぶみは初めてですよね。
ただこの日、私にはこの時点でウグイしかヒットが無く、その後は別の支流のインレットに私一人で入って行き、なんとか最後の最後に37cmをゲットしました。ま、良く釣れた土日ではありました。しかし釣果の殆どはインレット直下の流れのある場所でのものであり、これはこの辺りのダム湖の釣りの終焉が近い事を告げる合図でもありました。間も無くワカサギ達は遡上を開始し、それに釣られて多くの大物たちも上流を目指すでしょう。また、あるものは再び広いダム湖に戻り、岸からの釣りでは到底届かない様な深い層で1年を過ごすことになると考えています。(詳しくは「マニュアル:ダム湖・湖水のルアーフィッシング」をご覧下さい。)
それから、今シーズンのダム湖の釣りをしていて、非常に気になった点がありました。この付近のダム湖で今年釣れた魚たちの大部分がアメマスだったことです。源流育ちらしいイワナは私の知る限りでは3尾だけで、他の数十尾は全てアメマスでした。また、全体に尾数も少なく、源流部からのイワナの供給が少なかったことを示しています。この事実は、大物たちが雪代に流され源流部から流下してくると言う説をはっきりと裏付ける形にはなりましたが、これは逆に、これから始まる堰堤プールの釣りでは、大物があまり望めないことも意味します。さて、今年の堰堤プールの釣りがどうなるか、興味深いところですね。
【5月12・13日】 そして、連休明けの翌週も懲りずに下越まで出かけています。狙いはもうインレット直下の流れの中の大物以外は考えられない訳ですが、この歳になると何がなんでも釣りたいと言う気持ちは薄らいでいて、まぁ、一人で釣っているよりも仲間と遊んでいたほうが楽しいのですね。この日もBuuさん・風玉さんにインレットはお任せし、私はひたすらレッドコアで深い層をトローリングしていました。残念ながらレッドコアでは、この日もウグイ以外は何も釣れず、このダム湖で夏にかけても深層の釣りが可能なのかどうかは、未だに良く判っていません。この日はインレット直下で風玉さんに釣りの女神様が微笑んだ様で、今度は42cmをゲットされていました。
さて、下越地方では暖冬で降雪が異常に少なく、これがダム湖の釣りを非常な早期に終焉させてしまったと考えられます。しかし、山形県など残雪のそれ程少なくなかった地域でのダム湖の釣りは、もう2〜3週間は楽しめるものと考えています。しかも山形県内の多くの有名なダム湖では、インレットがとても広く、大勢の人が一度に入れます。但し、釣り人一人当りの釣果は、非常に少なくなりますが・・・。 恐らくこの週末(5月19・20日)か次週末ころに、ワカサギの大フィーバーがあり、大物が数多く釣られるのではないかと考えています。皆さんも、お出かけになってみてはいかがですか? 注:ボートを使用される場合は、現地の漁業組合 及び ダム管理事務所に、ボート釣りが可能かをお問い合わせ下さい。 ・国土交通省管理のダム(寒河江・置賜白川ダム)では、書面による事前申請が必要です。 ・水質保全の観点から、ガソリンエンジンの使用を禁止しているダム湖が多くあります。 ・荒沢ダムなど、ボート釣り券が別途必要なダム湖があります。 ・県南や酒田地区の一部ではボート乗り入れ禁止となっています。 また、ボート使用時には必ずライフベストなどを着用して下さい。安全には十分にご配慮をお願い致します。 【今回使用のタックル】 Zehpyr Boat ZR-220MH、MinnKota RT40S(28in)、Voyager 105A Wellner 8ft TroutRod、Shimano SensiLite MG2500、Kureha SeagerAce1号(6lb)、 D-contact50/63S/鮎/ヤマメ/TS、SuperSinkingMinnow50S/緑、他 |