今シーズンのダム湖の釣りは、暖冬の影響で3月の解禁と同時に始まってしまいました。しかし、どうやら幸いな事に、3月以降の低温な気候が、例年よりもむしろ長い釣期を我々に与えてくれそうです。3月中旬より平均気温が平年を下回り始め、4月も平均気温は平年よりやや低い状態の様です。そのためか、ダム湖では普通にイワナやアメマスが釣れ続けています。ただ、やはり盛期は早めに訪れた様であり、4月の2〜3週目にかけて出かけたダム湖では、40cmオーバーが何本も出迎えてくれました。 【4月15日】 例年この時期は毎週の様にあちこちのダム湖に出かけますが、土曜に用事のあった私は、この週は15日の日曜早朝からのアタックです。朝4時半にBuuさん、もっくん、風玉さんと集合し、5時半にはボートを漕ぎ出しました。私は今、前レポートでお話しした「ハンドトローリング」にハマっています。とにかく良く釣れるのです。ただ、釣り方がまだ確定しておらず、まだまだ研究段階であり、今シーズン中になんとか一定の成果を出してみたいと考えています。そのためにも、毎週の様にダム湖に出かけなくてはならない??のです。(^_^;;
この日は幸先良く、ボートを漕ぎ出してから15分ほどで写真上の40cmがヒットしてきました。まだ数回しか経験のないハンドトローリングですが、釣れる場所はキャスティングとほぼ同じであり、1.深さ数mの台地または緩やかなカケアガリか、2.垂直の岩盤で岬の様にそこだけ突出している様なところ、の2箇所に集中しています。この40cmも深さ3mほどの典型的なカケアガリの真上でヒットしており、この2箇所の考え方には間違いが無いようです。ただ、キャスティングで釣れる滝の下や沢の出口ではこの時期まだ釣れていません。まだ水温が低いのがその理由の様ですが、トローリングでは奥まったところの魚を誘い出してまで釣れるのかが、まだ判っていません。
さて、この日も例によって、別に打ち合わせなどしていませんが、パパイヤさんとズミさんと娘さんが釣り場に現れました。最近は私を含めたこの5人が一緒になることが殆どで、前週までに沢山のボートでやってきた釣り人たちの姿が全く見えません。近隣の人なら、それなりに釣れていればまたやってくるでしょうに、恐らく先週は釣れなかったのかも知れませんね。まぁ、無理もありません。ここにこうやって書いているイワナの釣り方ですが、実際にやってみるとそう簡単ではありません。やはり経験とセンスが物を言う世界ですし、このHPを見て誰でも簡単に大イワナが釣れると思ったら大間違いですから、まぁ、仕方の無いことかも知れません。
幸先の良かったこの日ですが、残念ながら午前中は20cmほどのチビを追加しただけで終わってしまいました。どうも最初に大物が釣れてしまうと、それ以後に気合が入らないのです。以後はダラダラと緊張感の無い釣りが続いてしまい、時間だけが過ぎて行ってしまいました。一方で、まだエレキを入手していないBuuさん・風玉さんはキャスティングonlyであり、こちらもアタリが無い様子。仕方なく、午後からはボートを使わないと入れない奥のポイントへと大移動することにしました。もっくんはフローターですが、風玉さんと私のボートに本人とフローター・荷物を分乗すれば、どこまでも移動が可能です。
12時ころ奥のポイントに到着しましたが、こんな真昼間だと言うのに、まだ誰も釣っていないポイントというのは魅せてくれますね。投げ始めてまもなく、Buuさんのロッドに38cmの奇麗なアメマスがヒット。他にも魚のトレースが数回見られましたが、やはり明るい条件下ではスレるのも早いらしく、なかなか魚たちは口を使ってはくれない様です。魚影も遠のいた後、お昼の時間帯はいつもの様に、広場で皆で楽しい昼食タイムです。私しゃ釣りよりもこの時間の方が実は楽しくてここにやってくるのかも知れませんね。なんとも心の安らぐ、ゆったりとした楽しい時間帯です。
さて、午後からは再びハンドトローリングに挑戦です。フローターで攻める予定だったもっくんですが、私のボートは2人乗りですので、急遽フローターを置き去りにして、私のボートで2人でハンドトローリングをやることにしました。私自身は朝に大物を釣っていましたので、まぁ、ここはもっくんにも釣ってもらってハンドトローリングの威力を皆に知ってもらおうと言う訳です。しかしながら、この作戦が実に大当たりしました。キャスティングの2人には何も釣れなかったこの日の午後、私ともっくんの2人で、45・41・39・36cmの4尾のアメマスを釣り上げてしまいました。どうやらこの時期、ハンドトローリングには敵わない様です。
45cmと39cmはもっくんの釣果でした。最初のうちは「こんな釣り方で本当に釣れるの?」と疑っていた様ですが、私がまず41cmを釣り上げ目の色が変わりました。続いてもっくんが大物を掛けましたが、惜しくもライン切れ。恐らく45cmオーバーの結構な大物だったに違い有りません。そして、トローリングを始めて2時間近くが経過した17時ころ、もっくんの竿にまたまたヒットがあり、今度こそは45cmの丸々と太ったアメマス化したイワナがボートの床で跳ねていました。その後、私の竿に36cm、帰路に寄り道しながら流したポイントで、もっくんに39cmがヒット。ハンドトローリングの威力を確信した日でした。
ちなみに、娘さんと一緒に別行動をされていたズミさんですが、スプーンのハンドトローリングで35cm、キャスティングで38cmの釣果があった様です。お子さん連れでその釣果は、実にお見事!というしかありませんね。そしてこの日、トローリングの威力を間近に見せつけられた格好のBuuさんと風玉さんは、とうとうエレキを購入する決心がついてしまった様です。ま、お二人にとっては、そんなに高い買い物でもありませんでしょうし、よろしいんではないでしょうか。私を恨まないでくだしゃんせ。
【4月21日】 調子に乗った私は、翌週も飽きずにダム湖に出かけています。この日は午後から山形県内の近隣のダム湖に入りました。ただ、雨で濁りがきつく、巨大ダムのためにポイントも絞りきれず、3時間ほどのハンドトローリングでしたが、完全なオデコでした。それにしてもこのダム湖にはイワナがいるんでしょうか? キャスティングをしても魚のトレースがまるでないのです。本当のことを言うと、私が14年前に釣った過去最大のイワナ(アメマスではなく)53cmは、このダム湖での釣果でした。一昔半もの長い年月は、キャンプ場や大規模な公園まで進出し、辺りの風景さえも大きく変化させていました。ま、これでは釣れなくても仕方ないのかも知れません。 県内のダム湖では釣れそうもないと判断した私は、またまた件の下越のダム湖へと車を走らせてしまいます。この日の夜も風玉さんにキャンプに付き合って頂きましたが、・・・なんと風玉さんもエレキを入手したとか。翌日はハンドトローリングに挑戦するとのこと、なんともはや変わり身の早いことですねぇ。思えばこのダム湖では皆さん岸からのキャスティングだけで釣っておられた訳ですが、私がフローターを持ち込んだが為に皆さんフローターを購入されました。その次はボートにエレキ・・・これからはどうなるんでしょうね。最後はクルーザーでも持ち込みますかね。(冗談ですよ) 【4月22日】
さて、翌朝目覚めた私たちは、ちょっとガッカリしました。雨と風が強く、この時期のこういったお天気は水温の低下を招いてしまう様であり、魚たちの活性が落ちてしまうのです。5月の連休を過ぎた頃からは、ダム湖の水温がかなり高くなるために、逆に雨の日の方が良く釣れる様にと変化して行くようなのですが、4月の半ばではまだまだ早すぎます。この時期はポカポカ陽気の日に限るのですね。でもま、ここまで来てしまったからには竿を出さない訳にも行きません。しかしそれにしても今年のシーズンもサンデーアングラー泣かせですね。土日毎にお天気が崩れ、仕事を始める月曜のお昼ころになるとポカポカ陽気になるのですから。
かなりキツイ雨模様の日でしたが、幸いにも早朝6時から8時ころにかけて、ほんの一時だけ雨と風が止んでくれ、奥のポイントで私の竿に釣りの神様が一瞬だけ微笑んでくれました。今年一番の46cmでした。しかも、これまでアメマスしか釣れていなかった中で、この1尾は紛れもない源流育ちの大イワナでした。ただ頭の大きさの割りには胴体が異様に細く、恐らく、たった今この雨で源流部から流下してきたばかりのイワナではないかと思われました。ダム湖内で越冬していれば、この時期でも豊富な餌で丸々と太っているのですが、どうみても餌の少ない場所で冬を過ごしてきたとしか思えないのです。雨は釣りにとって邪魔物ですが、大イワナの流下のためには、必要不可欠なものの様です。
ただ、その後は冷たい雨と時折の強い風が湖面を覆い、ライズリング狙いで仕留めた風玉さんの泣き尺が1尾だけで、残念ながらこの日は他には何も釣果がありませんでした。さて、この土日(4月21・22日)の雨はこの春一番の雨量を観測した様です。水曜にもかなりな雨量を観測している様であり、これらの雨が多くの源流部の大イワナを流下させているものと考えています。07年ゴールデンウィークのお天気はまずまずの様子であり、源流育ちの大イワナを釣り上げる大きなチャンスではないかと信じています。さて、ダム湖の釣りの後半戦は如何なるものか、楽しみですね。
【今回使用のタックル】 Zehpyr Boat ZR-220MH、MinnKota RT40S(28in)、Voyager 105A Wellner 8ft TroutRod、Shimano SensiLite MG2500、Kureha SeagerAce1号(6lb)、 D-contact50/63S/ヤマメ/TS、Coatac ヤマメSpoon、他 |