2006年も本格的な渓流釣りシーズンの始まりです。今年は3月ころから仕事が非常に忙しくなり、初春の釣りを楽しむ余裕も無いまま1ヶ月半が過ぎ、レポートもお送りできない状況が続きました。そして気が付いてみれば、いつの間にかダム湖の釣りのシーズンに突入していたと言う訳です。ここ数年は、毎年この時期、同じ釣り場に、いつものメンバーが自然と集まってきて、思いがけないミニオフになってしまうのが常となっています。今年も顔なじみのメンバーが釣り場に集い、楽しいひと時を過ごすことができました。 【4月16日(日)】 今年の冬はなんだか寒い日が続きました。12月には季節外れの豪雪が各地を襲いました。積雪は2月以降少なくなったものの、気温は思ったほどは上がってくれず、4月になっても季節はやや遅く推移している様です。例年なら4月中旬から全開のダム湖の釣りですが、今年はちょっぴり遅くはじまりました。加えて、3月から急に仕事が忙しくなってしまい、今シーズンは最初にお届けするレポートが、いきなりダム湖の釣りになってしまったと言う訳です。
この日は前日の土曜夜に現地入りし、半年振りの夜明けからの釣りでした。新潟のBuuさん・風玉さんと釣りの約束をしていましたが、現れたのはBuuさん一人。風玉さんはどうやら寝坊のようです。水温はまだ5度と低く、ようやくイワナたちが浅場へと移動をしたばかりの時期の様であり、あまり大物は期待できません。それでも、早朝6時ころ、私のロッドに連続してヒットがあり、34cmと35cm(写真上左)の2尾が釣れてくれました。ミノーはどちらもRigge56SSワカサギに鉛板を貼り付けて6g程度に調整したもの。まずは幸先の良い今シーズンのスタートです。
ただ、TroutTuneやD-Contactを使用していた相棒のBuuさんには残念ながらアタリはなく、まだ本格的なシーズンではないのでしょうか、どうもイワナのルアーに対する選択性が高い様です。その後はパタリとアタリが遠のき、ちっとも釣りの女神様は微笑んではくれません。お天気も良くなり、透明度の高さも手伝って、9時ころには釣りの出来る状況ではなくなってしまい、遅れてやってきた風玉さん、それに現地でお会いしたルアーマンの4人で、ひとしきり釣り談義に花が咲いてしまいました。このルアーマンの人ですが、現地の昔からのルアー名人さんで、20年も前はこの地で50cmを超える大イワナが上がったとか・・・ウラヤマシイ 午後からは3人でフローターを繰り出して頑張りましたが、やはりアタリはなく、結局この日は先の獲物2尾だけで終わってしまいました。それにしても水温5度にフローターは辛いものがありますね。分厚いネオプレンウェーダーを履いているにも関わらず、1時間も入水すると我慢の限界で、おしっこがチビりそうになってしまいます(失礼)。ちなみに、Buuさんは今年、フローターデビューです。昨年デビューの風玉さんに続いて、とうとう3人ともがフローターの虜になってしまった様です。んー、あと残ってる人は誰かなぁ・・・
【4月22日(土)】 ダム湖の釣期は案外と短く、南東北や新潟県では4月中旬から5月下旬ころまでの1ヶ月余りしかありません(詳しくは「季節の釣り:ダム湖・湖水のルアーフィッシング」をご参照下さい)。そのため、毎年この時期は釣れそうなダム湖へと足しげく通うことになってしまいます。翌週の土日は赴任先のいわき市から直接、現地へ向かいました。距離にして250km。毎年のことですが、我ながら良くやるナァと思います。ただ、ダム湖のルアーフィッシングを楽しむ人たちも皆さん思いは共通の様で、同じ釣り場に毎年同じメンバーが集まってしまうのも、この釣りの楽しいところでもある訳です。 この週も土曜の夕方に現地入りしました。もう何年も続いているこの釣りは、夕方の時合いを一釣りし、あとは近くの温泉とレストランを利用し、車中キャンプがいつものパターンです。しかしどうでしょう、なぜかこの日の夕方もサッパリで、どうも今年は調子が掴めません。とにかく渋いのです。大物は一体どこへいってしまったのでしょう? この日の釣果はBuuさん釣った小さめのイワナ(写真上右)が1尾だけ。風玉さんと3人もいて、こんなに大物の出ない年も、ちょっと珍しいのです。
【4月23日(日)午前】 翌朝はご覧の様な雲一つない良いお天気でした。この日はまだ薄暗いうちから残雪の上を歩き出し、夜明けと同時にキャスト開始の作戦です。快晴の日は明る過ぎて、太陽光が湖面に差し込む8時ころには時合いが終わってしまう可能性が高いのです。早朝のわずか3時間ほどに勝負を掛けて、往復1時間ほどの道のりを汗だくで歩きます。しかし、苦労とは裏腹に、早朝にBuuさんに小さめの源流育ちと思われるイワナが釣れただけで、その後はこれと言った反応もなく、無情にも時間だけが過ぎてゆきます。 6時頃になって、少し暖かくなってきたころ、すぐ隣で釣っていたkatsuさんのロッドが曲がりました。尺を少し切るアメマス系の綺麗なイワナでした。katsuさんとは実は初対面でしたが、彼はこちらのことを良くご存知らしく、すぐに打ち解けて話が進み、お願いして魚とご本人の写真を撮らせて頂きました。なにせ昨夕からまだ1尾も釣れていない私ですので、HPに載せる魚の写真がありません。要するにHPネタを頂いたと言う訳です。しかし、いつも感心するんですが、淡水でルアーをされる若い人たちは真面目で真摯な方が多いですね。katsuさんも次に登場されるズミさんも、お二人とも実に感じの良い方たちでした。
もうそろそろ時合いの終了かと思われた8時ころ、今度はお子さんと釣りに来られていたズミさんのロッドにヒットがありました。こちらは尺を少しこえる、やはり綺麗なアメマス系のイワナです。お二人にもモデルになって頂き、ご覧の様に写真を撮らせて頂きました。しかし・・・なんだかうらやましいですね。見て下さい、このお子さんの楽しそうな顔! 私の息子も昔はこんな風だったんですが、この年になって今ではオヤジは見向きもされなくなってしまいました。まぁ、単身赴任と釣りで年中ほとんど家にいない私ですので、仕方ないことかも知れませんが、お二人の楽しそうな姿を見ていると、なんとも微笑ましくて・・・
【4月23日(日)午後】 良いお天気で10時ころからは付近の写真撮影を楽しみましたが、良く考えてみれば昨夕から全く釣れていなかったのは、私だけになってしまっていました。それに、釣れている魚も小さめで数も少なく、どうも今年のダム湖は期待が持てません。恐らくまだ水温が低く、未だ本調子ではないのでは?と思われました。しかし往復5時間も掛けてこの釣り場までやって来た訳でして、このままでは帰れません。なんとしても大物を釣り上げようと・・・結局、奥の手を繰り出すことになってしまいました。フローターを使ってまだ誰もルアーを投入していないフレッシュなポイントを探り、ウブな大物を釣り上げるしか手がありません。 フローターを使った釣果の差は、言わば海釣りの岸壁釣りと舟釣りの差の様なものであり、決して同列に比較できるものではありませんが、まぁ、背に腹は換えられません。午後からはBuuさんと2人でフローターフィッシングに挑戦しました。水温はダムサイト付近では8℃と比較的暖かかったものの、インレットから3〜4Kmの付近からは急激に水温が下がり、水温の低下したこの付近からがイワナの釣り場になる様です。水温の高いところで釣りをしていたBuuさんには、ご覧の様な40cmクラスのウグイ君(写真上左)が釣れていました。 この時、私はたまたま奥へとフローターを進ませ、水温の急に低下するあたりでロッドを振っていましたが、これが大当たりでした。この時期、イワナ達は餌のワカサギを待ち伏せる形で様々なところに定位しているものと考えられますが、写真上左の様な、なだらかな斜面に続くブッシュが湖水面の上昇によって沈んでいる様な場所・・・多くは緩斜面か棚状で深さは数mと浅い場所・・・に多くイワナ達が潜んでいるものです。こんなポイントをフローターを移動させながら探し出し、岸際2〜3mのところにルアーを着水させ、深さに応じてカウントダウンをさせた後、ストップ&ゴーでミノーを引いてくると、イワナたちがいとも簡単にヒットしてくるものです。 夕方の17時を少し回ったころでした。上述の様なポイントにルアーを投入し続けていると、カウントダウンの最中に妙な動きがロッドに伝わってきて、慌ててロッドをアワせると、写真下左の40cmジャストのアメマス系イワナが釣れ上がってきました。使ったミノーは写真下右のDコンタクト65S銀/赤。誰も釣ったことの無いポイントゆえ、魚は全くのウブな状態らしく、どうやらカウントダウンの最中にこのイワナはミノーに喰い付いて来た様です。釣れ上がった瞬間に写真下中央の10cm近いワカサギを2尾、吐き出しました。 釣れたのを見てBuuさんが追い付いてきましたが、最初に釣れたポイントからさらに上流側50mほどのところに私がミノーを投げるとまたまたヒット。今度は43cmの更なる良型。そして驚いたことに、Buuさんに「あそこに投げてこんな風にしたら釣れたよ・・・」と説明しながら全く同じ場所にルアーを投げると、更にもう1尾の43cmがヒット。更にもう一度同じ場所にルアーを投入すると、今度は30cmほどのウグイ君までヒットしてきました。これには本当に驚きました。たった15分ほどの間に40cmオーバーのイワナが3尾にウグイのオマケ付き。これだからフローターフィッシングは止められません。 その後、更にインレット側へと移動し釣り探りましたが、既に薄暗く、水温の関係でインレット付近には魚が居なかったのか、或いは時合いが終わってしまっていたのかは判りませんが、反応は見られませんでした。もう真っ暗になったころ、入水地点へ戻ってきて浅い水辺で撮影した写真が上左ですが、いずれも非常に綺麗なアメマス系イワナであり、今年のダム湖の不調ぶりを吹き飛ばすその輝きに、十分満足して帰路につきました。なお、この3尾はこの後、元気にダム湖へと戻って行ってくれたことは言うまでもありません。 【今回使用のタックル】 Wellner8ftTroutRod、シマノSensiLiteMG2500、呉羽SeagerAce1.2号(7lb)、MarkBate55S、WeightedQuickMinnow6gワカサギ、TroutTune55S6g赤銀、WeightedRigge56SS6gワカサギ、D-contact63Sヤマメ/アユ/赤銀、他 |