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クラブ釣行レポート
山形渓遊会、源流釣行(7月16-17日)
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久々に山形渓遊会の源流釣行に参加してきました。相変わらずメンバーの予定がそろわず、今年も春の例会の無いまま、気が付けば7月になっていました。既に山の季節は夏。アブやブヨの出る直前の、もっとも源流行には最適の季節に、とある源流部を遡行しました。そこには大物こそいませんでしたが、素晴らしい魚影と盛夏のたおやかな流れがありました。いよいよ夏本番です。
注:場所の特定を防ぐため、風景画像の一部に大幅な修正を加えるか同イメージの別の写真を使用しています。
【7月16日(土)】
例によって渓遊会のメンバーはせっかちです。いつも通りに金曜の夜から現地入りし、土曜の早朝には一番に渓に入らないと気のすまない我が会長さんは、これまたいつも通りに、一人私を置き去りにして、とある源流に先に入ってしまっていました。メンバーは会長・佐谷名人・S長老の3人ですが、私には土曜夕方に某所に来るようにメイルで指示があっただけ。いわきで夜遅くまで仕事の終わらない私は、いつもの様に土曜はたった一人で近くの堰堤を釣るしかありません。でもま、釣果なら負けません。写真上のこの時期にしてはまずまずの33cm・31cmを釣り上げ、待ち合わせの場所へと向かいます。
しかし、待ち合わせの場所へ着いても今回はメンバーがなかなか戻ってきません。通常の源流行ならば3時すぎにはキャンプサイトに戻って来るはずなのですが、今回は6時を過ぎるまで頑張っていたようです。なんでも、ひとつ山を越えて隣の渓の最源流部へと入ったのはいいが、工程が予想以上にきつく、時間が掛かってしまったとのこと。しかも最源流部は今年まだ殆ど人が入っておらず、尺上のイワナたちの楽園が残っていたとのこと。ついつい時間を忘れて釣っていた様でした。・・・ったく、うらやましいじゃねぇかい。
待ちくたびれた私は待ち合わせ場所のすぐ下を流れる渓でも竿を出してみましたが、写真上の様な小さな小さなイワナとヤマメがお相手をしてくれただけで、道路脇の人の多い渓流ではとてもじゃありませんが、大物を望める筈もありません。しかし夏の渓は透明度が高く、釣果とは全く関係なく清々しい遡行を楽しめます。ほんの1時間ほどの遡行でしたが、今年初めての流水域の釣りは、堰堤やダム湖とはまた違ったなんとも言えない魅力を思い出させてくれます。
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ヤマジノホトトギス |
ヨツバヒヨドリ |
ミヤマカラマツ |
そして夜はいつもの様に焚き火を囲んでの宴会です。場所は写真上の超有名なキャンプ場なのですが、なぜか我々は芝生のキャンプサイトには入らず、すぐ横の石ころだらけの河原に陣を広げました。キャンプサイトにいた大勢に人たちは、恐らく我々を奇異の目で見てたのでしょうね。「よりによってあんな場所で・・・・」。そして、渓遊会の規則に則り、1人2尾の釣果をありがたくご馳走になりました。今年初めての宴会ですので、話題も尽きず、珍しく遅くまで呑み明かしてしまいました。
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イワナの骨酒、最高でした |
【7月17日(日)】
翌朝の3人には、早朝から渓を攻める元気はもうありません。中でも佐谷名人は前日の山越えですっかり体力を使い果たし、しかも骨酒を呑み過ぎてゲロを吐く始末で、この日は一人リタイヤ。今度は会長とS長老・私の3人で近くの源流へと向かいます。起きた時間はもう8時を回っていて、仕度をして河原に立ったのは9時半過ぎでしたが、昨今の釣りブームの低迷は相当なもので、こんな時間にも関わらずまだ誰も入渓していない状態の様でした。2つの沢の合流点から入渓すると、すぐに写真下の小さなイワナが元気に飛び出して来てくれました。
この渓は少し離れたところを大きな道路が走っていて、数箇所から入渓が可能なのですが、暫くは釣り人の痕跡は全くなく、小さいながらもポツポツとイワナ君が釣れてきます。ただ、不思議なことにスレで掛かって来るイワナがとても多いのです。渡辺会長は最初は餌釣りをしていましたが、こちらも小さなイワナが時折釣れるだけで反応が鈍い様子。少し行ったところに有った如何にも釣れそうな淵で会長が餌で粘りますが、全く反応がなく、魚は居ない・・・と思ったのですが、私が試しにルアーを投げてみると、なんと今まで静かだった淵からぞろぞろと魚たちが追いかけてきます。尺上も混じっていて、会長は目を丸くしてビックリしています。
どうやら魚影は相当豊富なのですが、人の多い渓のため魚がスレていて、餌には全く見向きもされ無かった様子。ルアーには反応して追いかけてはくるのですが、勢い良く喰い付くまでには至らず、結局はスレ掛かりばかりが多かったと言うことの様でした。しかしこの魚影はなんなのでしょう。一つの淵に数尾の、それも結構なサイズのイワナも入っています。でも、殆ど釣れないのです。ただ、2時間ほど遡行を続けると、やがて魚影は薄くなり、そのうち殆ど反応が無くなってしまいました。
実はこの渓の下流部にも大きな堰堤プールがあります。今年の堰堤プールはどこも、大物は時折釣れるものの魚影は少な目で、その原因は数十年ぶりの少雨ではなかったかと推測しています。濁流の発生が少なく、堰堤には魚たちがそれほど落ちてきてはいないと考えられ、その分、源流部には魚影が濃いのではないかと期待していた訳ですが、どうやら人が多い分、魚影が濃くてもスレていて釣れない状態に既になっていたのではないか・・・そんな風に想像されました。案外、大きめのイワナ達は源流域の下流部に生息していて、堰堤プールとの間を行き来している様です。
でもま、こんな遅い時間にも関わらず、会長にもS長老にも私にも、ちょっぴり小型で期待ハズレではありましたがそれなりに釣果もあり、私にとって今年初めての源流は、期待を裏切るものではありませんでした。それになによりも、盛夏の透明度の高い源流部の遡行は、それだけで素晴らしく清々しいものでした。堰堤プールでは今年魚影が薄く、少し寂しい思いをしていた訳ですが、源流部に彼らがしっかりと元気に暮らしている様子を確認できたことも、今回の遡行の大きな収穫だったと言えます。
ただ、これからの夏に向けて、次から次へとやってくる釣り師たちの罠は彼らには全く容赦は無く、やがてこの豊富な魚影もお盆休みころにはすっかり消えてしまうであろうことを想像すると、また少し寂しい思いをさせられてしまいました。そんなちょっと複雑な気分を抱えながら、我々は渓を後にし、急な仙道を登り始めるのでした。そして、山形もいよいよ夏本番を迎えます。これから1ヶ月ほどの間に、実に沢山の源流釣り師たちが付近の渓にやってきます。今年、源流部のイワナの魚影は例年以上に豊富な状況の様ですが、どうか節度ある釣りを楽しんで頂きたいと、切に願って止みません。
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ミズタビラコ |
ヤマブキショウマ(雌) |
ウメガサソウ |
【今回使用のタックル】
Wellner8ftTroutRod、シマノSensiLiteMG2500、呉羽SeagerAce1号(6lb)、WeightedWavy50/65S6/8g、WeightedQuickMinnow6gワカサギ、TroutTune55S6g赤銀、D-contact50/63Sヤマメ/アユ/赤銀、他
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