単独釣行レポート

盛期の堰堤プールの釣り(6月18-26日)


今年も堰堤プールの釣りが最盛期を迎えています。仕事が忙しく、本レポートをお届けするのが少々遅くなってしまいましたが、7月中旬現在でも今年の堰堤プールは釣れ続けています。今年は残雪が多く、ダム湖では例年にない大物の多い釣果が見られましたが、残念ながら堰堤プールでは予想に反し魚影はかなり少なめです。多い残雪で未だに雪代は続いていますが、40年ぶりとも言われる少雨が、源流から落ちてくるイワナたちの数を少なくしてしまったのがその原因の様です。それでも大物の魚影は十分に見られ、梅雨明けまでは、私達ルアーマンを楽しませてくれそうです。

注:場所の特定を防ぐため、風景画像の一部に大幅な修正を加えるか同イメージの別の写真を使用しています。


【6月18日(土)】


今年はどうも堰堤プールの釣りに異変が起きている様に感じています。濁った雪代や洪水が、源流で育ったイワナ達を下流部に押し流し、堰堤プールに魚影を集めていると考えていますが、今年は40年ぶりとも言われる少雨の年となってしまい、濁流が殆ど起こっていません。そのためか、今年はプールに魚影がかなり少ないのです。夏に干上がってしまわない堰堤プールでは比較的良く釣れていますが、ホームグラウンドの堰堤の様に、昨夏に干上がってしまったところは極端に魚影が少ない状況の様です。


この日は朝一番からホームの堰堤プールに入りましたが、釣れたのは37cm・35cmと尺足らずの3尾のみ。小さな魚影が追いかけてくるのは見えるのですが、透明度が異常に高く、ちっとも喰い付いてくれません。底ギリギリを重いシンキングミノーでゆるゆるとトレースすることで、なんとか釣果を得た状態です。遠方からやってきた餌釣り師の姿も見えましたが「5月末に来た時には40cmオーバーも出たが、今日はチビばかりで数も少ない」と嘆いていました。

ヒメシジミ蝶 クルマバナ ヤナギタンポポ

【6月19日(日)】

翌日は県南部にある別の堰堤プールに向かっています。ここは例年、ヤマメの数釣りが楽しめる私のお気に入りの堰堤プールですが、ここでもちょっと変わったことが起きていました。予想通りに数も少なめでしたが、10尾ほど釣れたうち、ヤマメはたった2尾しか出ませんでした。ここは以前はイワナしか釣れなかったのですが、ある年からヤマメがまとめて釣れる様になりました。恐らく又、ヤマメ主体からイワナ主体あるいはイワナのみへと漁協の放流の方針が変わってしまったのではないかと思われました。


魚影は少なめではありますが、源流で育った大物はそれでも確実に姿を見せてくれます。この日は夕方3時ころから釣り始めましたが、ちいさめのイワナが何尾か出たあと、堰堤の隅のなんでもない様なところを探っていると、突然ロッドが強烈に締め込まれました。写真下のまるで小錦を連想させる様なデップリと太った40cmジャストのイワナ君でした。魚影が少ない分、餌が豊富なのか、今年はどこの堰堤でも魚たちが良く太っています。しかしこのおデブちゃんはどうでしょう、まるで50cmクラスの大物がヒットしたのかと、喜ばせてくれました。


実はこの堰堤は5月末に来たときには全く何も釣れていませんでした。小さな小さなアタリは何度か確認していましたが、恐らく20cmにも満たない様な小さな魚がルアーを追いかけてきていて、大物はいないのではないかと落胆していました。今考えてみると、やはり少雨で魚影がまだまだ少なかったのではないかと思われます。3週間ほどの間に、少なめではありますが魚影が増えたのでしょう。7月中旬の今、お天気の良い日であれば、もっともっと釣れているのではないかと、想像しています。

ミヤマキンポウゲ シモツケソウ ミヤマガラシ

ただ、ある程度水温が上がってしまうと、たとえ強い流れがやってきても、魚たちは下流部へはもう落ちては来なくなると言うことが、過去の経験から判っています。恐らく水温とともに遊泳力が高くなり、多少の流れでも平気で上流を目指す様になるのではないかと想像しています。夏に干上がってしまう堰堤ではもちろん魚影は全て上流へと移動してしまいますが、干上がらない堰堤プールでも、8月に入る頃には魚たちは大物を中心に上流を目指し始め、魚影がガックリと減ってしまうのが普通です。


その後も会津地方のとある堰堤プールへと繰り出しています。しかしこの堰堤プールは比較的低い山を源頭にしているため、6月末のこの日は既に雪代は終了していました。透明度は高く水温も16度と、もうイワナ達がプール内にジッとしていられる状況ではなさそうでした。表層をルアーを引いても全く反応が無く、重いミノーで底ギリギリを根掛かり覚悟で引いてくるとなんとか4尾の釣果がありましたが、しかし案の定、釣れてくるのは尺までの小さめのイワナばかりで、がっかりさせられました。山形や新潟の堰堤プールも、大物たちは梅雨明け後には再び源流へと姿を消してしまうことでしょう。

ヤマブキショウマ アサツキ エビネチドリ

【6月25(土)・26日(日)】

さて、今回の堰堤プールのお話はここまでですが、オマケで6月末に出かけた銀山湖(奥只見ダム)での釣りについてもお伝えします。今年はなぜか、新潟のBuuさん・風玉さんとの釣行が非常に多いのですが、今回もその通りでした。私自身は銀山湖へは以前に2回訪れていて、いずれも友人にお世話になってのエンジン付ボートでのトローリングでしたが、今回はBuuさん・風玉さんはシーカヤック、私はフローターを使ったキャスティングによる釣りを試みました。前回のレポートまででダム湖の大物釣りを盛んに行ってきているのがお判りかと思いますが、その延長線上の釣りのつもりでした。


話は少しそれますが、今回ちょっと納得の行かないことが幾つかありました。その一つは写真上中央の「入船券」の存在です。入漁料は別途1,050円支払いますが、電源開発の持ち物であるダム湖に舟を浮かべるのになぜ3,000円も支払わなければならないのかが理解できません。それも10馬力エンジン付ボートも機動力の殆どないフローターも同じ金額で、しかも舟宿でボートを借りればボート代のみなのです。管理所に聞いてみたところ、「看板を立てたり様々な活動をしている」「船の事故で救助活動をしている」などでお金が掛かるのがその理由とのこと。しかし看板や救助活動はどこでもやっていることですし、また、内陸部での救助活動の費用は個人の実費払いが基本です(海上の救助の場合は無料)。この入船券とは一体何なんでしょう?法的な裏づけをご存知のかたはぜひご教授下さい。


さて釣りにお話を戻しますが、銀山湖でのトローリングの最盛期は5月であり、キャスティングにおいても時期的にはかなり遅かった様子でした。釣れてきたのは写真上左の38cmのニジマスと33cmのイワナ、それに尺にに満たない小さなイワナが数尾だけ。それも写真を良くご覧頂ければお判りかと思いますが、ニジマスのヒレはボロボロで、イワナも尾びれ上部先端の切り取られた明らかに成魚放流物が多く混じっていました。この様な魚なら、同じ4000円も払えば管理釣り場で嫌と言うほど釣れます。ちょっとガッカリさせられました。やはり最盛期にトローリングもしくは船着場から遠く離れたところでのキャスティング、と言うのが銀山湖の基本の様です。


【今回使用のタックル】
Wellner8ftTroutRod、シマノSensiLiteMG2500、呉羽SeagerAce1号(6lb)、WeightedWavy50/65S6/8g、WeightedQuickMinnow6gワカサギ、TroutTune55S6g赤銀、D-contact50/63Sヤマメ/アユ/赤銀、DenseMinnow7g、他