ミニオフレポート

ダム湖の釣り再び(4月23-24日)


前週に少々不本意な釣果だった私は、気が付けば再び下越地方のダム湖へと車を走らせていました。なにせ釣期の短いこの釣りは、チャンスを逃すとまた1年間のお預けとなってしまうため、無理にでも時間を作って釣り場に向かってしまうのです。はやる気持ちを抑えながら釣り場に到着すると、やはりなじみの仲間の顔が並んでいました。前週に引き続き、新潟の仲間とのミニオフを楽しみながら、長い冬をようやく抜け出たばかりの、早春の自然を満喫してきました。(写真下は新発田市方面から見た二王子岳)

注:場所の特定を防ぐため、風景画像の一部に大幅な修正を加えるか同イメージの別の写真を使用しています。


【4月23日(土)】

前週のダム湖の釣りでは37cmと35cmの2尾だけという寂しい釣果に終わった私は、どうしてももう一度、下越のダム湖に挑戦するしかありませんでした。最近は仕事が異常に忙しく、金曜の作業が終わったのはもう21時ころ。その後、このホームページの更新作業などをしたあと、深夜2時にいわき市のアパートを出発し、一睡もせずに夜明けとともに釣りをすると言う久しぶりの暴挙に出ました。下越地方のダム湖へは磐越自動車道を直接東へ新潟まで横断した方が早く、夜明けとほぼ同時、早朝5時前には釣り場に到着していました。


ところが釣り場に到着してびっくり。なにやらどこかで見た白い大きな車がポイントのすぐ近くに止まっています。新潟市の風玉さんが、一番のポイントをしっかりと押さえていました。どうやら彼も到着したばかりの様子で、軽く挨拶を交わしたあとは、2人で黙々とロッドを振り続けます。時間は5時10分ほど前、まず最初にロッドが曲がったのは風玉さんのほうでした。31cmの小ぶりながら非常に元気なイワナ君(写真上中央・右)でした。この日は雨の後で透明度が比較的低く、この後、私に思わぬ釣果がやってくることになります。


風玉さんのヒットに少々焦った私は、赤黒のDコンタクト5cmではアタリが来ないと判断し、今回始めて使うMaxBate5cm5gというワカサギカラーのミノーに切り替えて試しました。このミノー、リップの構造が悪いのか、足元でツゥィッチングさせてもサッパリ泳ぎません。まっすぐに引っ張られてきてそのままヒラヒラとサージャーの様に沈んで行くだけです。しかし1投目でイワナは食いついてきました。最初にヒットしたのはちょっと細目で一見して35cmくらいしかないかと思われるイワナでしたが、しかし、全長を測ってみるとしっかりと39cmもある大物(写真上左・中央)で、ちょっぴり喜んでしまいました。

土曜午前の釣果:イワナ39、36、36、35、35、31cmの大漁。

どうやらこの日の当り色はこのワカサギカラーだった様で、2尾目は遠投したミノーが着水後フォールする最中にラインがグンっと引き込まれるアタリでヒット。3尾目・4尾目も結構な沖合いの底付近で次々とヒットしました。写真下中央はトラウトチューン55mmにヒット(?)してしまったワカサギとMaxBateミノーを並べてみたものですが、色や大きさ・雰囲気が確かに良く似ています。加えてサージャーの様にフォールする姿がワカサギに似ているのか、どの魚も沈んで行く途中でヒットしているのも特徴でした。その後、フローターを浮かべて少し移動し、もう2尾のイワナを追加してこの日の午前中は終えています。


さて、午後からは、ダム湖のある新しい理論を考えていたため、それを実際に試すことにしていました。これまでダム湖での魚の付き場は「かけ上がり(水中のなだらかな斜面)」とワカサギなどの「ベイトの集まる場所」というのが一般的に考えられていますが、どうも私にはそれだけでは無い様に思えます。下越や山形での早春のダム湖での釣りを思い起こす時、同じ様な場所でイワナばかりかニジマス・ヤマメ・鯉・ウグイ・ナマズなど、実に様々な魚が釣れており、その釣り場に共通点が見られるからです。その釣り場には大抵の場合、水深数mから十数mの水平な広場があり、その広さは縦横数mの広場から田んぼの跡地、沈んだ駐車場まで様々です。場合によっては幅1mほどの細長い道路跡などもあります。

オオイヌノフグリ ハコベ カタクリ

そして、私の考えているのはこの「棚理論」です。水温がまだ数℃の魚の動きの鈍い早春のこの時期には、どうも魚たちは、その餌になる小魚も含めて、きつい流れは苦手の様です。実際、解氷直後のダム湖では、インレットでは比較的適応力と強いウグイ以外はほとんど釣れず、あとはごく小さなイワナやヤマメがいる程度です。水温が10℃近くまで上がってくるとインレットにワカサギなどが集まりだし爆釣する訳ですが、もっと水温が低く魚の動きの鈍い状況下では、また別の場所に魚が集まっている様です。その集まる場所が水深数mの水中の棚ではないかと考えています。それほど深くない水平な棚は、魚たちにとって最も休まる場所なのかも知れません。


この日の午後はBuuさんと2人で、それぞれ別の水中の棚のある全く新しい場所を選び、分かれて釣ることにしました。ダム湖は夏に水位が大きく下がるため、そういった時に撮影された写真を見れば、水面下の状況がすぐに判ります。実は昨年の夏の間にあちこちのダム湖の写真を撮影しており、どこに水中の棚があるかを幾つか探し当てていました。いずれもこれまで釣れた実績の全く無い様な場所ばかりですが、今回、2人でそういった場所を探ってみて、イワナが釣れるかどうかを試してみたと言う訳です。

結果はBuuさんに33cm、私にも37cmの1尾づつのイワナ(写真上中央・右)であり、この理論が正しいのかどうかはまだ判りませんが、一応の結果は得られた様です。この水温数℃時の「棚理論」は今後もあちこちの早春のダム湖で試してみたいと考えていますが、一定の結果が出るまでにはそれなりに時間がかかるものと考えられ、今後も折に触れてレポートの中で考察して行きたいと思っています。

白いキクザキイチゲ サンシュユ(木本) タチツボスミレ

【4月24日(日)】

さて、翌朝はまたまたBuuさんと風玉さんの3人で、昨日大漁だったダム湖でミニオフの予定をしていました。Buuさんとは前日夜に新潟市内の居酒屋でイッパイやっていて、一緒に釣り場に到着したのですが、うーん、風玉さんの姿がまた見えません。先週もそうでしたが、彼は遅れて来て釣期を逃してしまっています。今週も全く同じパターンになってしまうとは・・・。話を元に戻しますが、この朝は3時過ぎには新潟市内を出発し、まだ真っ暗な4時半過ぎから釣り始めました。


残念ながらこの日は昨日よりはかなり透明度が高く、まだ薄暗い5時前のほんの一時に釣果が見られましたが、5時を過ぎるとパッタリと魚の反応が無くなってしまいました。この朝、釣れたのはBuuさんに36cm、私に33cmの2尾。そして程なくして風玉さんが登場ですが、こういった透明度の高い状況ではルアーやラインを見切られてしまうためか、ほんの少し明るくなっただけで魚は見向きもしなくなってしまいます。残念ながら風玉さんにはお魚さんはお相手をしてくれませんでした。

二王子岳と満開の桜 珍しい薄ピンクのカタクリ

この日の午後も3人で夕方遅くまで頑張りましたが、土曜から散々ルアーを投げまくってきたせいか、どんどんと釣果は落ちてゆくばかりで、Buuさんと私に尺ちょうどくらいのイワナが1尾づつ釣れただけでした。そして、2日間ほとんど寝ずに頑張って来たせいで、午後にはもうくたくたに疲れていました。そのころには釣りは既に眼中に無く、非常に良く晴れ渡った青空のもと、早春の大自然を写真に残すことに専念してしまいました。

さて、このレポートを書いている29日現在、恐らくは下越のダム湖の釣りも最盛期を過ぎたあたりかと思われますが、雪の多かった今シーズンは、まだしばらくは釣れ続けるのではないかと考えています。24日早朝には、先週紹介した「漁労長」さんが某ダム湖で49cmの大物を仕留めたとの情報も入っています。今後は寒河江など豪雪地帯でのダム湖も釣期に入り、恐らく連休一杯は十分にダム湖での大イワナを狙えるものと考えています。もう少しの間、大イワナたちと遊んでみることに致しましょう。


【今回使用のタックル】
Wellner8ftTroutRod、シマノSensiLiteMG2500、呉羽シーガーエース1号(6lb)、MaxBate55Sワカサギ、D-contact50Sヤマメ/ハヤ、PinTail6gイワシ、ヤマメスプーン5cm緑/金、Kルアー5cm緑、他