今年も本格的な渓流釣りのシーズンが始まりました。今年は残雪がとても多く、シーズン初期の釣りは大変な苦戦を強いられっぱなしでしたが、4月も中旬を迎えるとようやく春らしさもまして、気がつけば既にダム湖の釣りのシーズンに突入していました。この時期、特に約束した訳でもないのに、同じ釣り場に、いつものメンバーが自然と集まってきて、思いがけないミニオフになってしまうのが例年のパターンです。今年も顔なじみのメンバーが釣り場に集い、楽しいひと時を過ごすことができました。 【〜4月3日(日)】 今年は特に山形県・新潟県で積雪が多く、山形県大井沢では20年ぶりの豪雪となった様です。また3月に入っても平年を大きく下回る低温が続いたため、異常に多い残雪とあいまり、3月の渓流釣り解禁直後はまるで釣りにならない日が続きました。また、例年解禁と同時に出かけていた堰堤プールが、昨年ついに砂で埋まってしまったため、初期にはこれと言った釣り場がなかったことも私の釣行回数を減らしました。「どうせ行っても釣れないや」という気持ちも手伝って、3月は結局、釣りにでかけたのは1度だけ。初釣りは3月20日でしたが、ご覧の様な小さな小さなイワナ君が1尾だけお相手をしてくれました。非常に寒い日で、なんとか解禁の雰囲気を味わうだけの釣行でした。 その後も4月2・3日に釣行に出かけています。2日は最上郡の某堰堤プールで粘りましたが、結局何も釣れず、下流でご覧の様なこれまた小さなヤマメ君が何尾かお相手してくれただけ。空けて3日は近くの某ダム湖に繰り出しましたが、現場に到着してみてビックリしました。例年ならすっかり融けているはずの湖面がご覧の様にインレットのごく一部が空いているだけで、まるで釣りになりません。しかたなく狭く浅いインレットでKルアーを投げますが、なんとか釣れてくれたのは写真右下のこれまた小さなニジマス君が1尾。まぁ、なんとか3種の神魚(?)は揃った訳ですが、あまりにも小さな渓魚たちに、すっかり戦意を喪失してその後は釣りに出かける気がしませんでした。
【4月16日(土)】 そんな日々があっと言う間に過ぎて行き、そして気が付けばもう4月も中旬です。そうです、今年はいきなりダム湖の釣りが始まってしまったのです。4月16・17日に、いつもの下越地方の幾つかのダム湖を訪れることにしました。渓流や堰堤では未だに残雪が多くて釣り辛い日が続いている様ですが、それはダム湖でも同じです。写真左下の様に、例年ならとっくに融けているダム湖周辺の林道は、今年は16日現在でも全く車が入れません。残雪があまりにも多いため、除雪してもすぐに雪崩れてくることから、除雪開始が遅れてしまうのです。仕方なくこの日は午後から徒歩で林道を移動し、いつもの釣り場へと入りました。 しかし同じ様なことを考えている人がいるものですね。数十分も残雪の上を歩いて釣り場に到着すると、あれれ、どこかで見た顔の人が先に釣っています。新潟の「漁労長」さんでした。しかし今年はちょっとダム湖の釣りにも異変が起きている様です。彼は昨年、このあたりのダム湖で50cm近い大物を含め大イワナを実に沢山釣り上げています。しかし今年は残雪で出遅れたことはあるものの、この日までに釣れた獲物はまだ36cm止まりとのこと。渓流でもそうですが、どうも大きな魚の話が聞こえて来ず、どこも小物の話ばかりなのが、今シーズン初期の特徴の様です。雪代の出が今年はとても遅く、源流域に生息する大物たちは、まだ下流部へは落ちてきてはいないのでしょうか。 結局この日は漁労長さんに35cmと28cm(いずれもラパラCD5黒/オレンジ)のイワナ(アメマス)が釣れ、私にも40cmクラスと30cmクラスのイワナらしきトレースが見られたものの、私はノーフィッシュという残念な結果に終わってしまいました。今年はまだ納得できる釣果に全く恵まれておらず、悔しい思いが募るばかりです。そして、その日は近くの温泉に入ったあと、そそくさとビールをやっつけて車の中で寝てしまいました。ふと車窓から空を見上げると、しかし、星空が綺麗でした。約半年ぶりに見る自然の中の景色は、長い冬に閉ざされていた心の曇りをも、一気に吹き飛ばしてくれるだけの力を持ち合わせている様です。
翌17日は、早朝の暗いうちから活動開始です。前日夜に新潟市の風玉さんから電話があり、同じく新潟市のBuuさんと風玉さんの2人がこのダム湖に入ることを聞いていました。まだ夜の明けない薄暗い時間にBuuさんが登場です。あれれ、しかし風玉さんの姿が見えません。どうやら寝坊したらしく、我々2人で先に出発することにしました。このダム湖も前日のダム湖と同じく、林道はまだタップリの残雪で覆われていて、歩いてポイントに向かうしかありません。ここでも数十分の辛い歩きを強いられましたが、ポイントに到着して早速ルアーを投げ始めると、なんと3投目でBuuさんのロッドが大きくしなっています。歩いて来た甲斐がありました。待望の42cmのイワナ(写真上左)でした。 その後すぐに、Buuさんに39cmが追加され、私にも少し遅れて37cmと35cmのイワナがヒットし、この日の朝はまずまずの釣果を納めることができました。昨年の同時期には既にこのダム湖では水温が高くなり過ぎてあまり良い結果が得られなかったと記憶していますが、今年はやはり雪代の出が遅い分、まだ釣期が続いている様に思えます。ちなみに、この朝のヒットルアーは、Buuさんの2尾がオレンジベリーのミノー、私の2尾が緑マジックで塗りつぶしたDコンタクト5cmでした。私の釣果はBuuさんの2尾よりも1時間近く遅く、薄暗い時やスレていない状況では赤系統、明るくなってスレて来た状況では緑系のミノーが良いようでした。
私の2尾がヒットして間も無く風玉さんが現れました。しかし風も強くなってきて、どうやら時合いは終了してしまった様子です。風玉さんもスプーンを何度か投げておられましたが、残念ながらアタリはありません。もう少し早くくれば、イワナに巡り合えたかも、残念です。その後、3人で早めの昼食を取り昼寝でもしようと別の釣り場へ向かいましたが、ここで新潟のパパイヤさんが登場。なんでもこの釣り場で、早朝からルアーを投げていたらしく、11時ころに、なんと47cmもある大イワナ(写真上右)をラパラCD5黒オレンジでヒットしたとのこと。俄然やる気が出る我々でした。ただこの日は、パパイヤさんには早朝からアタリがなく、この1尾だけがお昼近い時間にヒットしたとのこと。どうもイワナ君の考えていることがさっぱり判りません。
一寝入りした午後3時頃から今度はこの釣り場でよくお会いする「だ」さんとも合流し、5人でルアーを投げましたが、うーん、どうも気合が入り過ぎたのか、ルアーを損失するばかりでさっぱり釣果がありません。夕方の5時ころになって、ようやくBuuさんに尺ほどのイワナがヒット(ラパラCD5黒オレンジ)したのみで、この日の釣行を終えました。私にも他の人たちにも魚のトレースは見られたものの、いずれも喰いつくまでには行かず、どうも人が多すぎて警戒心が強くなってしまっている様に思えました。残雪で車が入れないにも関わらず、数十分の雪上の歩きをもろともせずに釣り場にやってくる人はあとを絶たない様であり、林道の残雪の上には数え切れないほどの足跡が残っていました。やはり釣期の短いダム湖の釣りには、それだけの魅力がある様です。 さて、まだまだ山には残雪の多い今年のシーズンですが、季節は確実に春に向かっています。写真下右は福島県浜通りのサクラの名所、双葉郡富岡町夜ノ森で撮影した満開の桜並木です。このレポートを書いている22日ころには山形県内でもサクラの満開の時期を迎えていることと思います。この時期、なぜか心がウキウキしてしまうのは私だけでは無いはずですね。心弾むそんな季節の中で、もう少しの間、ダム湖の釣りを楽しんでみたいと思っています。
【今回使用のタックル】 Wellner8ftTroutRod、シマノSensiLiteMG2500、呉羽シーガーエース1号(6lb)、D-contact50Sヤマメ/ハヤ、PinTail6gイワシ、ヤマメスプーン5cm緑/金、Kルアー5cm緑、他 |