今シーズンはとにかく仕事が忙しく、思うように釣行を重ねることができませんでした。しかし、世の中はうまく出来ている様で、9月の末の2連続の連休になって、全ての帳尻を合わせるかの様に楽しい出来事が続いてくれました。敬老の日の20日には、渓流域では過去最大の49.5cmの大イワナがお相手をしてくれました。また、その翌週は今年初めてと言える本格的な源流で、楽しく魚たちと戯れることができました。今回のレポートでは渓流の大イワナのレポートを、そして次回のレポートでは山形渓遊会の源流釣行レポートをお送りします。 ![]() 【9月18日(土)】 9月も中旬を過ぎると、その年の渓流釣りシーズンもあと僅か。今年は仕事が忙し過ぎて釣行もままならず、例年と比べるといまひとつ物足らなかったシーズンに、なんとなく焦りを感じていました。でも、今年は祭日の組み合わせが絶妙で、9月18日から20日が3連休、その次の週も金曜を挟んで飛び石に。7月・8月と仕事の忙しかった私は、有無を言わさずその金曜に有給を取得して、3連休・4連休のラスト2回に最後の運命を掛けることにしました。本当はねぇ、その間も休みにして9連休の手も有ったのですが、さすがに気が引けました。
3連休とは言っても前日の仕事が終わったのはもう21時過ぎでした。支度をして山形の自宅に帰ったのは深夜1時。これでは翌朝の釣りは不可能です。世の中、「見なし労働制」とか言って残業減らしが当たり前になっていますが、うちの会社も全く同じ。はっきり言えばタダ働きを強要させられている訳ですが、この不景気ゆえ誰も文句を言う人がいません。社長さん、いい加減にしとかないと、そのうちトンでもないしっぺ返しを喰らいまっせ。・・・てな愚痴はともかくとして、折角の3連休も結局釣りに出たのは土曜の夕方から。仕方なく、その日はいつものヤマメの釣れる堰堤プールでお茶を濁します。
しかし現場に到着して驚いたのは、なんといままで見かけたことのないボートが3艘。1艘はルアー、もう1艘は餌釣り師が2人、もう1艘は諦めたのか、岸に横付けのまま。それでも他に行くところもないので、諦めてフローターを出して釣り始めると、案の定、写真の小ヤマメ・小イワナばかりがヒットしてきます。どうやら大物は朝から彼らにいじめられっぱなしの様で、姿を現してはくれない様でした。・・・この堰堤も来年はもうダメかもと思いながら、約束していた新潟方面へと車を走らせました。
【9月19日(日)】 19日と20日は、新潟市のBuuさん・風玉さんと今年最後のミニオフの約束をしていました。18日の夜は下越地方の某温泉を利用し、待ち合わせ場所で車中泊。翌朝、日の出とともに起き出してみるとBuuさんから携帯が入ります。「すんません、寝坊しました、あと30分くらいで到着します。」とのこと。雨も降っていてかなり濁っているし、まぁ、どうせ誰もこないだろうとのんびり朝飯を食べていると、ちょうど30分ほどしたら・・・車が付近の釣り場に次々とやってきます。こりゃいかん。慌てて支度をしているとBuuさんも到着。2人で釣り始めます。
そして釣り始めた直後でした。すぐ後から下流側に入って来た見知らぬ釣り人のロッドが大きく曲がっています(写真上左)。あちゃーー、やられました。急いで近寄ってみると、足元で45cmはあろうかと言う大イワナが身をくねらせています。ただ、ロッドがどうみても渓流用の細身のもので、魚をいなすことができていません。案の定、暫くしてタモを入れ様とした瞬間に、フックが外れてバレてしまいました。なんとまぁ勿体無いこと! その後は2人でお昼ころまで付近を丹念にルアーで探りましたが、釣れてきたのは写真上右の小さなウグイだけ。雨も強くなり、場所を移動することにしました。
2人で昼食をとった後は、ぐるっと大回りをしてあまり濁りの入らない、とある渓流を選びました。しかしお昼をまわったこの時間帯では、そうそう良い釣りは望めません。我々が釣り始めたころには既に誰かがすっかり場を荒らしたあとらしく、ルアーには全く反応がありません。おかしいなと思って遡行を続けると、やがて上流から4人のルアーマンが下ってきました。どうやらルアーを投げまくりのすぐ後を追いかける様にして釣っていた様です。これでは釣れるハズもありませんねぇ。仕方なくここは写真撮影会になってしまいました。
そして夕方になって再びあの大物を見た釣り場に戻ることに。やはりあれだけの大物を目の当たりにしてしまうと、そう簡単にはあきらめがつきません。しかしここで嫌な考えが頭をよぎります。今日は朝から2人とも渓魚の釣果はありません。実はBuuさんと私は「鬼門」の仲なんですねぇ。2人で釣ると、片方だけが釣れるか2人とも撃沈かのいずれしか無いのです。時刻は午後5時を回っています。今日はこれでおしまいかな、と思ったそのときでした。私のロッドにアタリが・・・瞬間的にバレてしまいました。そしてその直後に、同じ場所でBuuさんが写真下の29cmのイワナをゲット。はぁー、いつまで鬼門の関係は続くのでしょうねぇ。
【9月20日(月)】 翌20日は敬老の日。この日はBuuさんは仕事で来れません。代わりにやってこられたのは、同じ新潟市の風玉さんでした。彼とは前日の夜に落ち合い、Buuさんと3人で夕食をとり、やはり温泉を利用して釣り場の近くで2人で久し振りの楽しい酒盛りをやりました。いいもんですね、気心の知れた人と川のせせらぎを聞きながらの一杯は。そして翌朝は前日とは打って変わってご覧の様な朝日の綺麗な釣り日和でした。昨日の大物は、今日も出てくれるでしょうか。期待が膨らみます。
この釣り場は、渓流とは言うものの、川幅も広いいわゆる本流の釣り場です。ただ、山形県の赤川の様な海にちかい本流ではなく、釣れる魚は斑点の小さな正真正銘のイワナです。場所は明かせませんが、大物の確立はそれほど高くは無い様で、常に博打の様な釣りを強いられるためか、釣り人もそれほどは多くはありません。そして、この日は前日とは違ってなぜか2時間経っても誰も人は来ませんでした。恐らく前日の雨でどこも濁りが強く、釣りにならないだろうと諦めたのでしょう。
風玉さんと2人で釣り始めて1時間半ほどたった7時過ぎ、もうダメかと諦めかけていた時でした。一応ルアーを通しておくか・・・と何気なくキャストした深さ50cmほどのごく浅い瀬で、そいつはミノーに襲い掛かってきました。濁りが非常に強いため、恐らく早朝の暗い時間帯には大物は動いていなかったのでしょう。大物は餌の豊富な場所では小魚などの大型の餌を選択して食べていると思われ、餌を取るのは1日のうちのほんの一瞬だと考えていますが、7時過ぎのかなり明るくなったこの時間帯にその一瞬がやってきたのでしょう。(風景写真は実際の釣り場とは異なります)
しかも濁りがきついため、浅い見通しの効き易い場所にその魚は陣取っていたのでしょう。ヒットした瞬間は「まさか!」と思いました。なんでこんな浅い場所に? 今考えても不思議です。ただ釣り上げて計測してみると少々がっかりしました。50cmにほんの数ミリ足りないのです。すぐ横で見ていた風玉さんは「それは50cmでしょう」と言ってくれたのですが、納得できません。一応、記録としては49.5cmと言うことに落ち着きましたが、うーん、それにしても残念です。
なにせ私がこれまでに釣った50cm以上の(アメマスでなく)イワナは、ダム湖で釣り上げた53cmだけ。2尾目の50cmオーバーが出ていないからです。それでもま、渓流域で釣ったイワナでは自己新記録であり、満足して魚をリリースしました。その後もしばらくは風玉さんと釣り続けましたが、残念ながら2尾目のイワナは姿を現してはくれませんでした。そして、今年最後のミニオフは、お昼ご飯を食べたあと解散となりました。(次回は最後の4連休にでかけた山形渓遊会の源流釣りレポートをお届けします。)
【今回使用のタックル】 Wellner8ftTroutRod、シマノSensiLiteMG2500、呉羽シーガーエース1号(6lb)、Wavy50S/65S/ヤマメ、D-contact50Sヤマメ、BayRuffe50Sイワシ、TroutTune55S6gヤマメ、他 |