皆さんにとって、2003年はどの様なシーズンでしたでしょうか。思い出に残るシーズンになったでしょうか。それとも、あまり良いシーズンではなかったのでしょうか。毎年禁漁に入った10月に、そのシーズン全体を振り返ることを恒例にしています。さて、今年はどの様なシーズンだったのでしょうか? (註:このレポートは山形県内の渓流釣りを想定して記述しており、他府県での状況とは異なる可能性があります。) 2003年の渓流釣りシーズンは、まれに見る異常な天候に悩まされ続けたシーズンと言えるのではないでしょうか。下図はこの2年間の山形市の平均気温との差の推移を見たものですが、その異常ぶりがこのグラフからも読み取れます。昨年暮れには60年ぶりという季節外れの大雪を降らせた寒波がやってきました。しかし1月以降は逆に小雪となってしまい、平年並みの残雪で今年のシーズンはスタートしました。 早春の強い雪代が大物を源流部から堰堤プールへと運んでくれると考えていますが、3月〜6月までは平年並みの気温が安定して続き、気温がそれほど高くはならず、強い濁った雪代は殆ど見られませんでした。そのためか、堰堤プール内の魚影は例年より薄く、また大物も少なくなってしまったのではないかと考えられました。加えて、気候は安定してはいましたが、しかし、この時期は土日曜に気温が下がってしまうパターンに見舞われてしまい、サンデーアングラーにとっては、あまり良い季節とは言えなかった様です。 そして、7月以降はこれまた十数年ぶりと言う冷夏に見舞われてしまいました。冷夏そのものは水量も多くて渓魚にも渓流釣り師にも有り難いはずなのですが、いかんせん魚影が薄く、異常な気温の急激な低下は魚たちの活性を落とし続けてくれました。そしてその気候は8月一杯続き、ようやく気候が良くなった9月になって、少しばかりの釣況の回復が見られた様でした。 しかしそれにしても今年の釣況は異常でした。堰堤プール内では6月中旬ころまで魚影が極端に薄く、県内や隣県の殆どの堰堤プールで、不漁続きでした。また、型も小さく、40cm弱の中型が多く釣れた年でもありました。上記の気候の推移がその原因の一つになっているとは思われますが、その本当の原因は未だはっきりとは判っていません。 昨年・一昨年と2年続きで渇水により堰堤プールが干上がってしまったことや、HPなどによる情報の浸透で同じ釣り場に釣り人が集中したことなども関係しているのかも知れません。ただ、今年は冷夏のため夏の間も堰堤プールの水位が安定していて干上がることはありませんでした。9月に入ってもプールには小型ながらも魚影が例年より多く見られていて、来年の早期からの堰堤での釣果に良い結果をもたらしてくれることを期待しています。 一方で、私の個人的な03シーズンを振り返ってみると、上記の通りの不安定な気候に振り回されたことに加え、単身赴任先のいわき市での仕事がとても忙しく、キャンプ釣行などのじっくりと釣りに時間を裂く機会が大幅に減ってしまった事もあり、あまり良いシーズンとは言えませんでした。また、上記の通りにどこの堰堤や渓流でも大物の魚影は薄く、40cmを少し切るサイズのイワナがとても多く釣れた反面、40cmオーバーは僅かに3尾と、釣果の方もあまり奮わず、ちょっと寂しい年でした。 最後に、今シーズンも沢山の楽しい思い出をプレゼントして頂いた、TLF掲示板・山形渓遊会・福島のフィッシングフィールドML・釣り仲間の皆さんに、この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
●2003年の記録 毎年、ごく簡単な形式で釣果の記録を行っています。以下のデータには、管理釣り場や寒河江などのC&R区間での釣果は一切含んでいません。そのため、全てのイワナ・ヤマメ・ニジマスの釣果は殆どが完全なネイティブか放流物の巨大化したものと考えられます。今シーズンも昨年同様に、いわき市への単身赴任が原因して釣行回数は少なめでした。それにともない、釣果尾数も昨年より更に少なくなり、4〜5年前のレベルに戻ってしまいまいした。 |