この夏休みに叶わなかった某禁漁河川の調査釣行を再度試みようと、山形渓遊会で釣行を企画しました。しかし、どうやら意地悪なお天気の神様がいる様で、我が会が調査釣行を行おうとすると必ず台風がやってくる様です。今回も濁流の禁漁河川をあきらめ、結局は日帰りで別の源流へ。しかし意地悪もそうそう続かないのか、大雨で濁った源流の流れは、普段は居ても釣れてはくれない大物を呼んでくれました。オマケで今回も、秋の堰堤プールの様子も少しだけお伝えします。 ![]() 山形渓遊会では、夏休みに某禁漁河川の調査釣行を依頼されたのですが、お天気任せの釣りのこと、季節外れの台風に見舞われ、結局はどこにでもあるプチ源流でお茶を濁してしまいました。再度挑戦と、今回は9月半ばの3連休を選んだ訳ですが、あれあれ、今度は十数年ぶりとか言う超大型の台風が来てしまいました。調査釣行の許可証までしっかり発行してもらい、源流キャンプ釣行の意気込みで臨んだのですが・・・
しかし、前日の13日夜に通過したこの超大型台風は、バケツをひっくり返した様な大雨のお土産を置いてゆきました。考えてみれば調査釣行などと言うものは誰にでも許されるものではありません。意地悪なお天気の神様が「お前らだけに勝手な事は許さん!」と言っているのでしょうか、今回も日帰りの別の源流釣行を余儀なくされてしまいました。写真上中央は、諦めて濁りの少ないであろう別の源流に入って撮影したものですが、それでもご覧の様な増水と濁りようでした。
さて、今回入った源流は、その禁漁河川から車で1時間ほども移動したところにありました。場所を変えると豪雨の状況もかなり異なる様で、濁ってはいるもののなんとか遡行は可能でした。最近は便利な世の中になったもので、インターネットで過去24時間の降雨量を細かくチェックできるのですね。途中でネットから降雨量の情報を得て、少しでも雨の少なかった地域を釣り場に選ぶと言う、数年前までは神業としかいい様のない様な行動を取ることも可能なのです。
もう皆さんはとっくにご存知かも知れませんが、一応そのサイトをご紹介しておきます。ここ→tenki.jpに一度アクセスしてみて下さい。トップページ左のメニューから「アメダス」をクリックし、更に右側に出たメインページから「東北地方南部」の「降水量」をクリックしてみて下さい。すると過去1時間の降雨量が、大よそ20km間隔で表示されます。中央付近にあるプルダウンメニューを押せば、過去24時間の降雨量が一目で判ると言うわけです。車であれば1時間で3つほどの測定点を移動できますので、雨の少なかった釣り場を選ぶのは簡単です。
この日の釣り人は、おなじみ渡邉渓遊会会長、福島のS氏(写真上中央)、そして私K++の3人でした。S氏は訳あってこの日は釣りはせず、もっぱらビデオ撮影係に徹しておられました。車止めから1時間ほどは、ご覧の様に結構な険しい岩登りも交えて遡行に専念しました。増水で遡行は大変ではありましたが、台風一過でこれ以上に雨の降る心配は全くなく、目指すは濁りの入った源流での大物しかありません。
まずは会長が餌釣りで望みますが、なにせ魚から餌が見えるのか疑わしいほど濁っていて反応が鈍い様です。様子を見ながらやおら私がルアーロッドを取り出すと、数投目で写真上のかわいいイワナ君がヒット。目立つルアーは濁りの強い日にはやはり最強の様です。その後もルアーには反応は良好で、小さいながらも結構なあたりがあったのですが、ここでまた、いつもの様に会長がルアーマンにヘンシーンしてしまいました。負けじとルアーを投げまくりで、ポイントをすっかり占領され、いつものパターンに。
今回の大雨は夕立の様な短い時間の豪雨だったためか、濁りはきつかったものの、釣り始めて3時間も経つと、どんどん濁りは取れてきます(写真左上)。最初は濁りがきつかったため、何回も何回もポイントにルアーを投げ込まないとヒットしなかったのですが、日も高くなり明るくなったことと、透明度が上がってきたことで、ヒットするパターンが少しづつ変化してきます。そして9時ころ、岩陰の湿ったあたりにミッジが盛んに飛び始めたころ、どうやら魚の活性はピークに達した様でした。ちょっとしたポイントで、私のロッドに写真下の37cmがヒットしてくれました。
この渓は水量もそれほど多くない普通の源流であり、相当な釣り人が入っていると思われるのですが、やはり大物は警戒心が強く、目の前に居ても普段は釣れないのでしょう。その後1時間ほどの間に、今回はこの魚以外にも、ヒットには持ち込めなかったものの40cm近いイワナを目撃しています。本当はこのサイズのイワナなら、県内のちょっとした源流には、結構な数がいるはずなのですが、人の多い所では、警戒心が強くて釣れないだけなのですね。なぜなら、すぐ下の堰堤で、このサイズが群れをなして泳いでいる事実があるからです。
今回はこうやって私のロッドに一番の大物が来た訳ですが、ここでちょっと困った(?)ことが起きました。そうなんです、まだ尺物の釣れていない我が渓遊会の会長さんに、火が着いてしまったのです。余裕の私は、それ以後のポイントをできるだけ譲って歩いたのですが、透明度が上がるにつれてどんどんとトレースする魚のサイズが小さくなって行き、さっぱり良型は出てくれません。途中にある一番の大淵で、ようやく31cmを上げた会長さんの誇らしげな顔が、写真右上の1枚という訳でした。
その後は予想通りに、遡行すれどもすれども魚影は小さく薄くなるばかりでした(写真中央はスレで掛かった小さなイワナ)。透明度もどんどん上がり、午後2時ころには既に平水状態にまで戻ってしまい、魚止めの滝を見ることなく止む無く納竿としました。帰り道は渓のどこからでも渡渉が可能なくらいまで減水していて、行きの苦労がウソの様な状態で、楽勝で帰ってくることができました。台風一過の抜ける様な青空のもと、心地よい疲労感とともに、帰路につきました。
【オマケです】 さて、渓遊会の釣行は3連休の真ん中の14日でしたが、前後の土曜と月曜にも堰堤プールに釣行しています。この時期の堰堤プールでは大物はサッパリ釣れず、もっぱら30cmほどまでのイワナがせいぜいなのですが、一つだけ気になる堰堤プールがありました。この堰堤は年初からイワナよりもヤマメが多く釣れていて、プール内のヤマメの季節ごとの行動を見極めるには、ちょうど良いサンプルとなっていました。月曜15日朝に、この堰堤プールを訪れています。
早朝は雨のため8時ころから釣り始めましたが、SSミノーやDコンタクトで底をトレースすると、すぐに良型のヤマメが釣れてきます。釣り始めて30分ほどしたころ、この日一番のヤマメ31cm(写真右下)がヒット。その後は日が高くなり過ぎたのか、お昼近くまで釣れ続けたものの型は小さくなる一方で、昼過ぎには納竿しました。この堰堤プールは初夏には41cmの大ヤマメが出ていて、その後も月に1回程度で訪れていましたが、毎回必ずと言って良いほど尺前後のヤマメが釣れ続けています。
どうやらヤマメはイワナほどは遡上する性質が強くはなく、一年中同じプールに留まり続けている個体がイワナよりは遥かに多いのではないかと言う結論に達しています。来春にもう数回、この堰堤プールを訪れ、今年釣れ続けたヤマメ達がどの様な挙動を示すかがとても楽しみなところです。さて、あと2週間を残すのみとなった渓流釣りシーズンですが、去り行く季節を惜しみながらも、もう一頑張りしてみたいと思っています。 【今回使用のタックル】 源流域:KenCraft SuperTroutSpecial60LT(Telesco.PackRod)、堰堤:Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、Zaurus SuperSinkingMinnow50アユ/ハヤ/ヤマメ、Wavy50ヤマメ/イワシ、D-contact50Sヤマメ/ハヤ、スプーン各種、他 |