オフラインレポート

第5回寒河江オフ(7月5-6日)


日頃は掲示板やメイルでコミュニケーションを行っているサイトの仲間が、年に一度くらいは顔を合わせて話をしようと、毎年、この時期にオフラインミーティングを開催しています。最盛期の渓流釣りシーズンを向かえ、今年も寒河江オフを開催しました。場所はいつもお馴染みの、西川町大井沢、寒河江C&R区間のキャンプ場です。1日目はC&Rでの釣りに、いつもながらの楽しい宴会とお喋り、そして2日目は思いがけない堰堤プールでの大物釣りを楽しんできました

注:場所の特定を防ぐため、風景画像の一部に大幅な修正を加えるか同イメージの別の写真を使用しています。


【7月5(土)】

毎年この時期に開催している当サイト一番のオフ、寒河江オフも、今年で5回目を迎えました。会場はいつもの寒河江C&R区間と大井沢の無料キャンプ場(写真下左)です。このオフを始めた99年ころは、まだまだ釣りブームが続いていて、このキャンプ場も場所取りで大変でしたが、ここ2〜3年は釣りブームもすっかり収まってしまい、キャンプ場は我々TLFメンバーの貸切状態でした。広いキャンプ場と広々としたC&R区間の釣り場は、この時期のなんとも言えない楽しみとなっています。


昨年からこのC&R区間では少しルールが変更され、ルアーでもフライでも、シングルフックバーブレスが義務付けられています。私自身は、普段は買って来たそのままのミノーを使っていますが、この日ばかりはフックを太軸のシングルに取替え、バーブ(カエシ)をペンチで潰して釣りに臨みました。本当を言うと、シングルフックバーブレスの方が、鉤の刺さりも良く、ラインテンションさえ緩めなければ、ヒット率はトリプルフックバーブ付よりも高いことは良く判っているのですが、非常に手間がかかるため、買ったままの状態でついつい使ってしまうことが多く、反省させられます。


この日は前日の大雨がたたって、普段よりかなり増水していて、しかも結構な濁りが入っていました。水温も急激に下がったのか、ルアーでもフライでも夕方は非常に活性が低く、コンスタントに釣っておられたのは天童市から来られたまちゃるさんだけでした(写真下右:40cmほどのニジマスをランディングしているところ)。他のメンバーは、釣れてもごくたまに、といった感じでした。私も伝承館前のいつものポイントでルアーを投げましたが、散々攻められた後らしく、夕方5時ころまでは全くノーバイトの惨憺たる状況でした。


少々気になったのは、ここ2〜3年、釣りブームもすっかり下火になってしまったせいか、魚影が数年前よりもやや薄くなった様な気がしたことでした。キャンプ場の入場者数もピーク時の数分の一になっていますので、釣り客も少なくなり、それに合わせて放流数も少なくなっているのではないかと思われました。ただ、釣り客も少なくなったわけですから、一人あたりの魚の数はむしろ増えているのかもしれません。広く探ればもっと釣れたのかも知れないのですが、はて?
ミヤコグサ ミズタビラコ ハナニガナ

それでも意地でなんとか釣り上げたくて、夕方5時過ぎに場所を変えて再度挑戦。実を言うとフライマンが沢山並んでいて、さきほどまで入れなかったポイントなのですが、夕方になり隙間が開いたため、すかさず入り込んだ訳です。でも、少しばかりフライマンには嫌われてしまった様子、辛いものがありました。しかし、フライしか流れていなかったところにルアーを投げると、流石に良く釣れますね。連続して3尾のニジマスがヒットしてきたところで、フライマンの邪魔をしない様にと、ほんの20分ほどで退散してきました。


C&Rでの釣り方はいつもと何も変わりません。5cm前後のシンキングミノーを流れに対して真横か少し下流に遠投し、かなり強いトゥィッチングで誘います。この日はフライマンが流芯のある側の土手の上に並んでいましたので、魚たちは反対側の緩く浅瀬になる付近に退避していた様でした。対岸の誰も立っていない30cmほどの浅いところにミノーを投げ込み、流芯に向かってトゥィッチングを入れながら引いてくると、ほんの数mも引いたところで3尾ともヒットしました。距離はかなり遠く、フライでは届かない場所に魚たちが集まっていて、次々とヒットして来たものと思われました。


夕方からは本命のキャンプ宴会の開始です。曇り空で暑くもなく寒くもなく、アブなどの嫌な虫もまだ出ていないこの時期は、野外での宴会には最高の季節でした。梅雨で雨の心配はありましたが、日ごろの行いが良かったのか(?)、幸いにもこの夜だけは降らずに済んでくれました。キャンプ場もガラガラで広々としていて、何も気にせずに仲間と釣り談義に花を咲かせるのは、それは気持ちの良く楽しいものです。まだ明るい早めの時間から早々とビールを取り出し、全員で乾杯です。


野外宴会の食事の定番は、なんと言ってもBBQに限りますが、今回のオフではこのBBQだけはこちらで用意し、他の食べ物や飲み物は各自で用意して頂くという方式でお願いしました。実を言うと、夕食から朝食まで全てを主催者が用意するのは、とても負担が大きく、特に昨年からいわき市に単身赴任している私にとっては、前もって準備をする時間が殆ど無く、無理があったからです。かと言って皆さんに手分けして準備して頂くのもメイルなどのやり取りが大変で、なかなかうまく行きません。皆さんには大変申し訳なかったのですが、やむなくこの様な方式を採用させて頂いたという訳です。

米沢牛のBBQ、ギョウザ、イワナ汁、など

そして夕食のメインは、この寒河江オフの名物にもなっている「米沢牛」のBBQです。やはり美味しいBBQは野外宴会には欠かせませんね。これを食べ、ビールを呑めば、あとは天国気分なのです。ついつい釣り談義に花が咲き、時間の経つのを忘れてしまうのは、何回やっても同じこと。今回、初参加の方もおられましたが、すぐに打ち解けて頂いた様子で、年齢も職業も関係無く、釣りと言うただ一つの趣味だけのつながりの中での会話の楽しさを、十分に満喫して頂けたのではないかと思います。


【7月6(日)】

今回ご参加頂いた皆さんです。朝食の後、朝8時半ころ解散しました。またどこかでお会いできることを楽しみにしています。ご参加頂いた皆さん、ありがとうございました。

まちゃるさん 、 ひろさん 、 風の玉三郎さん 、 K++ 、 「大」さん
なべちゃんさん 、 本田さん 、 なべちゃんさんの息子さん2人
タニウツギ シロツメグサと蜜蜂 ヨツバヒヨドリ

さて、皆さんと解散した後のお話ですが、とてもTLFらしい楽しい出来事がありましたので、ご紹介しておきましょう。既に太陽が高くなってしまった9時過ぎでしたが、風の玉三郎さん、ひろさん、まちゃるさんと私の4人で「どうせ釣れないだろうけど時間潰しに適当な釣り場にでも行きますか」と言うことになり、とりあえず近くの堰堤プールへと4人で繰り出したのでした。釣り場に着いたものの透明度も高く、おまけに快晴に近い良いお天気で、とても釣れる様な条件ではありませんでした。

おびただしい数のイワナの稚魚が群れ遊ぶ楽園

本題の釣りとは関係が無いのですが、釣り場についてまず驚かされたのは、上写真のおびただしい数の稚魚の群れでした。近づいて良く見ると、小さいなりにもパーマークの様な模様が体側にみられ、しかもこの水系ではイワナ以外は見たことがありませんので、恐らく間違いなくイワナの稚魚の群れではなかったかと思われるのです。それにしてもその数の多さにはビックリさせられました。堰堤プールの隅の浅瀬で、数百尾単位の幾つもの群れが見られたのです。どうやら堰堤プールは産卵場所にもなっている様で、やはり堰堤の魚を釣り尽くすことが如何にその水系の渓魚にとって致命的であるかを、改めて思い知らされました。


本題に戻りますが、この堰堤プールはとても釣り易いこともあって、最近になって釣り人が異常に増えたためか、それほど良く釣れる釣り場ではなくなっています。しかし、この日は2日前の大雨のせいか、良く見ると流れ込みは透明度が高いものの、プールの中心部は僅かに濁りが残っていました。これがこの日の釣果を左右するポイントだった様に思います。そして、誰も釣りに入った跡がなく、有る意味ラッキーでもありました。釣れるとは思ってもみなかったのですが、プールの一番の深みにスーパーシンキングミノーを投入し、トゥィッチングを入れながら底ギリギリをゆっくりと引いてきました。


こういった堰堤プールでは、底は大抵の場合、泥状の砂になっていて、案外と根掛かりはしないものです。そして透明度の上がりつつある梅雨末期のこの時期は、煙幕理論が通用しなくなり始めているものです。そのため、周囲のブッシュにも魚は付いていますが、大物は案外、一番深い泥砂の上で、羽化する水棲昆虫を狙って回遊している様なのです。時折ミノーが砂を噛む感触の伝わってくる状態で、3投目のことでした。34cmの丸々と太った堰堤イワナがヒットしてくれました。


そして、数分後にはひろさんになんと37cmの良型が、そして更に数分後にはまちゃるさんにも34cmのパワフルなイワナがヒットしてくれました。風の玉三郎さんにも同サイズのイワナがヒットしたものの、惜しくもバラされてしまい、全員に釣果が見られたらこんな素晴らしいことは無かったのですが、うーん、残念無念。その後11時ころまで粘りましたが、どうやら時合いは最初の30分ほどだけだったらしく、その後は反応が無くなってしまいました。

オカトラノオ クガイソウ 青の美しい野生のアジサイ

さて、こうやって今年も無事、寒河江オフが終了しました。このオフが終わると、東北には本格的な暑い夏の季節が到来します。そして、堰堤プールの釣りに代わって、釣り人たちの夏・源流釣りの季節がやってきます。あと残り2ヶ月半ほどとなった渓流釣りシーズンですが、まだまだ楽しみたいものですね。

【今回使用のタックル】

Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1.2号(8lb)、ZaurusSuperSinkingMinnow50アユ/ハヤ、Wavy50/65S/ヤマメ/白、D-contact50Sハヤ、KenCraftSkagitSpoon8g/4g/緑/銀、PagosSpoon10g赤、ヤマメSpoon4cm緑、他