単独釣行レポート

ダム湖の釣りPartV(5月2−18日)


例年、4月から連休のころまではダム湖のルアーフィッシングを楽しんでいます。本HPのメインコンテンツである堰堤プールの釣りも、この時期でも十分に楽しめるのですが、短い釣期でしかも堰堤プールよりも大物を狙えるダム湖の釣りへと、どうしても足が向いてしまいます。連休の後半から翌々週まで、新潟・山形の複数のダム湖を釣り歩きました。しかし、なぜか今年はあまり大物が釣れてくれません。釣果のほうはほどほどでしたが、それでもダム湖特有のスケールの大きな、ダイナミックな釣りを、存分に楽しむことができました。

注:場所の特定を防ぐため、風景画像の一部に大幅な修正を加えるか同イメージの別の写真を使用しています。



【5月2日(金)・3日(土)】

連休の後半は、4月と同じく新潟県内の複数のダム湖へと向かいました。山形県内のダム湖でも釣れなくはないのですが、新潟と比べると山形での水温はやや低く、少し釣期が遅くなる様です。加えて新潟にはネット関連の友人が多く、色んな人たちとあちこちで出会えるのも楽しみです。2日(金)の午後に訪れたのは、4月末にも訪れたダム湖でした。(写真下左は、温泉を利用するため途中に立ち寄った小国町玉川梅花皮荘付近でのスナップです。写真館に壁紙として掲載予定。)


この日は4時ころ到着し、すぐにフローターを持ち出しダム湖のバックウォーター近くまで釣り上がりましたが、水温はすでに12℃とかなり高く、残念ながらイワナの姿は見られませんでした。唯一ヒットしたのは、惜しくも足元でラインを切られてしまったため写真が有りませんが、50cm前後の真っ黒な鯉が1尾だけ。不思議なことに、鯉もミノーを咥えることがある様ですね。ただ、偶然釣り場でお会いした関川村の大沼君たち(写真上右)は、尺オーバーのイワナを1尾だけ、夕方薄暗くなってから釣り上げたそうです。


この日はダム湖の近くに車中キャンプで過ごし、翌3日の朝も同ダムで夜明けとともに竿を出しました。今度はHaruさんと横浜釣人さんも来られていて、少しばかりの情報交換をしましたが、まだ薄暗い時間帯にイワナの大物が一度だけルアーを追い掛けて来たとのこと。他にも数人の釣り人が見えたのですが、やはり誰の竿も曲がってはくれません。そして少し明るくなったころ、再度フローターを取り出し、再びバックウォーターまで釣り上がってみました。しかしバックウォーターでルアーにヒットして来たのは、なんと尺近いウグイの群れ。やはり水温が高くなり過ぎたためでしょうか、イワナの姿はありませんでした。


午後からは大きく移動し、同じ新潟県内の別のダム湖へと入りました。ここは水温が9℃とやや低く、まだまだ十分にイワナは狙えるだろうと考えました。そして、夕方4時ころからフローターを出して数投目のことでした。TideRise7Sミノーに強烈なアタリが有り、超大物かと一瞬は喜んだのですが、数秒後には昔どこかで味わったことのある引き方であることに気が付かされました。グイグイと勢い良く引いてくれた魚の正体は、写真上右の35cmほどのスモールマウスバス。その後ももう1尾だけ同サイズのバスが釣れ、この日はおしまいになってしまいました。聞けばこのダムには数年前からバスの闇放流があり、いまではすっかりイワナは釣れなくなってしまっていたとのこと、ガッカリです。

ザゼンソウ キクザキイチゲ ミズバショウ

【5月5日(月)】

予想以上に水温の上昇が早く、外道三昧に終わってしまった新潟県内のダム湖をあきらめ、一日空けたこの日はホームグランドのダム湖へと舞い戻ってきました。このダム湖はルアー釣りでも超有名であり、実名は伏せますが、風景などの写真はそっくりそのまま掲載しています。ただこのレポートをお届けする19日ころには、すでにこのダムにおいても釣期は終わっている様です。来年にぜひ期待して下さい。この日は連休最後の日であり、もうすっかり遊び疲れた私は元気が無く、午後から出かけ、近くの管理釣り場で夕方近くまで遊んでしまいました。


そして4時頃からバックウォーターでのんびりと陸っぱりでルアーを投げました。水温は9℃。ここは昨年の記録が63cmだそうで、ラインも一回り太いシーガーエース1.5号に変え、ミノーもサクラマス用の6〜8.5cmのものを持ち出しました。ミノーも重くて大遠投が利き、轟々と流れる水量とあわせて、豪快そのものです。しかしすぐに釣れてくれたのは、なんと25cmほどの陸封型アメマス(写真下左)。8.5cmもあるPanishアユSPを見事に咥えていました。こんなおチビちゃんでも、イワナと比べると斑点がとても大きく、しかも全体にギンピカであり、しっかりとアメマスの特徴を備えている様です。


この日は連休最後の日とあって人出は意外と少なく、もう一人だけ地元の人らしいルアーマンが来られていました。ここは釣り座が狭く、あまり良く考えずに焦って釣り場に入ったために、この人の釣り座を奪ってしまった様子で、ご迷惑をお掛けしたかも知れないのですが、それにも関わらずとても快く情報交換をして頂けました。

その人の話によると、既に40cm前後の陸封型アメマスは何尾か釣り上げられていて、その人の友人が昨年同時期に63cmを釣り上げられたとのこと。また、ワカサギの遡上がこの時期に有り、短い期間ではあるが、アメマスがボイルする様な状態になり、入れ食いになることもあるそうです。ただ、今年はまだワカサギの大きな遡上が見られず、最盛期はこれから(5月5日から見て)ではないかとのこと。超大物は、まだ釣られてはいないらしいとのことでした。


そしてその後、少し離れた釣り座で粘りましたが、夕方薄暗くなってきた6時過ぎ、今度はMMミノー58Sアユにヒットしてくれたのが、上写真のアメマス37cm。やはり斑点が大きくギンピカで、この大きさにも関わらず、顔付きはまるで幼い子供の様です。釣れた場所は上記の25cmとほぼ同じで、太い大きな流れの中心部でした。バックウォーターの直下であり水深は恐らく1〜2mしかなく、脇にはブッシュがあり、ダムの水位が低下した時には大きな底石が沢山ころがっている様なポイントでした。

スミレサイシン エンレイソウ ウルイとシドケ(山菜)

【5月11日(日)】

上記の37cmに気を良くした私は、翌週もいそいそと同じダム湖へと車を走らせていました。自宅からも近く、たった2時間ほどで2尾の釣果があり、しかも釣りそのものが豪快でとても気分が良いからです。この日は勇んで夜明けとともに入渓しました。まだ薄暗いうちは釣り人は私一人だけで、とても気分良くルアーを投げられました。しかし、時間とともに一人二人と釣り人が増え、聞いてはいましたが、7時を過ぎるとバックウォーターの両岸はご覧の人だかりです。こんな状態で、はたして魚は釣れてくれるのでしょうか。


この日は非常に寒く、この釣り場の夜明けの気温はなんと1℃しかありませんでした。そのためか活性は低く、他の釣り人には何も釣れていなかった様です。しかしなぜか私には2回のアタリがあり、うち1尾は5時ころ、30cm前後のアメマスがヒットしましたが惜しくも足元でバラシ。2回目はもう7時ころでした。同じ様な強い流れの中から、Wavy50Sレッドヘッドにジャスト30cmのこれまたギンピカのアメマス(写真上右)が今度は釣れてくれました。流れの中にも浅いところに木立が沈んでいて、その下にイワナが隠れていた様でした。その場所では、何度かルアーが根掛かりしていたため、その様に判断できました。


そしてもうすっかり明るくなった9時ころ、もう限界かと諦めて釣り場をあとにしましたが、高台から眺めてみると、ご覧の様にダム湖のバックウォーターにはルアーマンがずらりと並び、この釣り場が如何に超有名であるかを、改めて気付かされました。こんな状態でも、それでも毎年大物が釣れているこのダム湖の底力は、相当なものがありそうです。昨年までは同時期には堰堤プールの釣りに終始していたのですが、どうやら来年以降はこのダム湖に通ってしまいそうです。


その後、またまた近くの管理釣り場でビールを呑みながらノンビリ過ごし、夕方のベストタイムを待ちました。ダムの釣りはヒット率が非常に低くストレスが溜まりがちですが、管理釣り場で快くニジマス君がお相手をしてくれるため、なんとなく気持ちが落ち着きます。そして、この日の夕方は人出を避けて、別の河川のバックウォーターへと移動しました。ここは周囲が切り立った崖で囲まれていて、釣り人をほとんど寄せ付けません。

切り立った崖のため、魚の付き場が殆ど無いのも事実ですが、実はこのバックウォーターには一本だけ小さな小さな沢が流れ込んでいて、その付近だけはカケアガリが形成されているのです。釣り人は私だけ。沢の流れ込みまで移動し、タバコをゆっくりと吸いながら釣り場を落ち着かせます。そして、轟々と流れるバックウォーター目掛けてAile70ディープダイバーSPを投げ、数投目のことでした。下写真のやはり37cmの陸封型アメマスがヒットしてくれました。


【5月18日(日)】

こうやってまずまずの釣果の見られたこのダム湖の釣りですが、しかし、そろそろ終盤を迎えている様です。18日には5日に入った一番大きなバックウォーターで再びルアーを投げましたが、午後4時過ぎから18時半まで粘り、釣れたのは下写真の尺オーバーのウグイが2尾と、29cmのイワナが1尾だけでした。ウグイが釣れ始めるのは水温がある程度高くなった証拠であり、この日の表層水温は11℃と、すでにギリギリの状態の様に思えました。


そして、この豪快なダム湖の釣りも、表層の水温が15℃に近づくころには完全に終了します。水温の上昇とともに、イワナたちがダムの深場へと移動してしまうからでしょう。今年はもうチャンスは有りそうにもありませんが、来年また出会うであろう大物に夢を託して、このレポートをお送りしたつもりです。そして、ダム湖の釣りが終わるころには、各地の堰堤プールにもイワナたちが戻ってきます。いよいよ本格的な堰堤プールの釣りの時期到来です。

【今回使用のタックル】
Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1.5号(10lb)、Panish85SPアユ、MM-Minow58Sアユ・ワカサギ、Aile70DDSPヤマメ、Wavy50Sヤマメ・レッドヘッド、同65Sアユ・白、TideRise70Sアユ、他