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クラブ釣行レポート
山形渓遊会春季釣行(4月27−28日)
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毎年、ゴールデンウィークの前半は山形渓遊会のクラブ釣行に出かけることにしています。今年も恒例となった春季釣行に出かけました。今年は例年よりも残雪が多いことを考え、比較的雪代の影響の少ない新潟県下越地方の小さな渓流を選びました。足元に春告花が咲き乱れ、頭上には新緑の輝くこの時期は、渓畔を歩くだけで、とても楽しく気持ちの良いものです。山菜と渓魚に恵まれ、そして、素晴らしい天候にも恵まれ、いつも通りの春爛漫を満喫することができました。
注:場所の特定を防ぐため、風景画像の一部に大幅な修正を加えるか同イメージの別の写真を使用しています。
【4月27日(日)】
今年の冬は3月まで寒冷な気候が続いたため、寒河江地区など、南東北の残雪は予想以上に多いものがありました。ホームグラウンドにしている堰堤プールの林道も、5月6日の連休最終日でさえ残雪で未だに通れないほどで、昨年より1週間以上も遅い状態です。毎年、連休の前半を山形渓遊会の春季釣行に当てることに決めていますが、どうやら山形県内の各渓流は、わずかな遡行ですぐに雪渓に埋もれて釣りに成りそうに有りません。やはり渓遊会の釣行では、源流部のできるだけ奥まで、ゆっくりと時間を掛けて釣り遡りたいものです。
魚影が比較的濃くて、しかも残雪の少ない渓と言えば、新潟県下越地方の各渓流しかありません。今回は、それほど規模が大きくもなく、増水してもなんとか遡行を続けられる程度の小さな渓流を、そんな地域から選びました。参加者は、いつもの渡邉会長、佐谷名人、昨年からメンバーになった福島のS氏、そして私K++の4人です。岐阜の本山氏も参加予定でしたが、急遽、外せない仕事が入ってしまい、残念ながら今回は欠席です。
例年、春季釣行ではすぐに雪渓にぶち当たってしまい、遡行時間も短く、おまけに水温が低くてルアーでは殆ど釣りにならないことが普通でした。私自身は今回の釣行も、比較的遡行が簡単で距離も短い「お茶コース」になるだろうと踏んでいたのですが、今年は若干様子が異なりました。源頭に比較的低い山を持つ小渓流を選んだため、流石にこの渓流は残雪が少なく、雪代ももう消失寸前でした。お陰で遡行を開始して2時間歩いても、殆ど残雪もなく行けども行けどもキリがありません。
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ヨゴレネコノメ |
スミレサイシン |
アズマシロガネソウ |
ようやく左右に残雪の壁が見えてきたころ、やおら会長が餌釣りで試し釣りをしてみると、小ぶりではありますが、雪代に磨かれた元気な輝く様なイワナが次々と掛かってきます。残雪には足跡が全く見られず、どうやら源流部に今シーズン入渓したのは、我々が最初の様子でした。しかし疲れました。私はお茶コースのつもりであまり準備もせずに軽い荷物で望んだのですが、最終的に帰りは殆ど仙道の判別できない様なコースを4時間も歩かされてしまいました。お茶を飲みに行ったら、いきなり分厚いステーキを出されてしまった様なものです。
それでも一つだけとても嬉しいことがありました。例年なら水温が低くてルアーでは釣りにならないため、もっぱら私は春告花や渓流・山岳の写真撮影に専念しているところです。しかしこの渓流は違いました。朝9時を過ぎたころから水温が急上昇したためか、ルアーでもポツポツと釣果が見られ始め、そして、今回の釣行の最大サイズは、上写真のやや細めのイワナ33cm。Wavy5Sヤマメカラーの釣果でした。早期の源流部で、ルアーでこのサイズが出ることは滅多になく、写真を何枚も撮って大喜びしてしまいました。
しかしこの時期の源流遡行は実に楽しく気持ちの良いものですね。足元にはショウジョウバカマやキクザキイチゲなどの春告花が咲き乱れ、頭上には眩しいほどの新緑です。渓の水は清冽で、付近は春の息吹に満ち溢れています。幸いにもお天気は雲一つない快晴。まだ4月だと言うのに、遡行していると心地よい汗が体中から噴出してきます。空の青、木々の緑、残雪の白、その中にピンクや紫、白や黄色の小さな野草花のカラフルな光線が目に飛び込んできて、一日中、飽きることがありません。
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ショウジョウバカマ |
セリバオウレン |
キクザキイチゲ |
そして夜の部は、この時期の最大の楽しみでもある山菜パーティーです。道中にはまるで「コゴミ畑」とでも呼びたくなる様な立派なコゴミの無数に林立するポイントがあり、帰り道には皆で山菜の採取に大忙し。岩ダラ・ウド・ウルイなどの山菜にも恵まれ、テンプラ・和え物など、満喫させて頂きました。でも、一つだけ残念だったのは、我が会では釣行時に一人一尾のイワナの塩焼きを食べることが許されている訳ですが、私はあまりに分厚いステーキを食べ過ぎたためか、疲れて魚が焼きあがる前に寝てしまったことです。うーん、歳は取りたくないものです。
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コゴミの大群落 |
ゼンマイの和え物 |
定番の山菜テンプラ |
【4月28日(月)】
翌日起きた時には、いつも通りにお日さんが既に高くなっていました。初日に思いっ切り歩いて釣って、もう2日目は体力的に余裕がないのです。いつものことですが、のんびりと車から這い出してきて、適当にコーヒーなどを沸かしながら、2日目の行き先を皆で決めます。どうせ早朝から先行者が入っているだろうと、釣果には最初から期待はしません。のんびりと竿が出せれば、この日は満足なのです。
車で小一時間ほど移動したところにあった小さな渓流は、わざわざ支流の沢を選んで入渓したにも関わらず、しっかりと残雪の上には今日のものとしか思えない新しい足跡がありました。それでも昨日から釣れまくっている佐谷名人の竿に、27cmの良型がヒット。しかし、この沢で釣れた他の魚は、会長に来た20cmそこそこの小さなイワナだけ。やはり日が高くなってから移動しても、それなりにしか釣れてはくれません。釣りブームが去ったとは言え、ゴールデンウィークは釣り人が多いのです。
この沢をあきらめて、仕方なく別の小さな本流にでも入ろうかと辺りを探っていた時でした。この沢には真新しい堰堤が幾つも建設されていて、その一番上流側の堰堤の上に出来た小さなプールを覗いた時でした。比較的透明度の高いプールのバックウォーター部には、どうみても40cm以上、50cm近いイワナが1尾、泳いでいるのが見えるではありませんか。会長たちはその本流にさっさと入ってしまいましたが、私はそのイワナを見てしまったために、もう気になって仕方有りません。一人別行動を決め込んでしまいました。
その堰堤プールを釣りたいのですが、残念ながら透明度が非常に高く、これでは絶対に釣れません。雪代が出て透明度が下がる午後に楽しみを取っておこうと、仕方なくそのプールに注ぐ小さな小さな支流へと入りお茶を濁します。この沢は本流に注ぐ部分でちょっとした滝になっており、その上流部には過っては魚が全く住んでおらず、渡邉会長が何年か前に下流部のイワナを何尾か放流したとのこと。遡行し始めてすぐに25cmほどの綺麗なイワナ(写真上)が釣れ始めましたが、3尾釣ったところで魚影を確認できたと言うことで納竿。その後は山菜取りと花の写真撮影に専念しました。
そして、午後になり件の堰堤プールに竿を出しましたが、これが全くなにも釣れません。魚は追いかけてくる様なのですが、釣り座が高く人影が丸見えなのか、大物を目の前にして指を咥えて見ているしかないのです。もっと早い時期に雪代がたっぷり出た状態で釣れば、間違いなく大物をゲットできたのではないかとは思うのですが、残念でなりません。仕方なく、その堰堤の下の落ち込みでお茶を濁そうとルアーを投げると、誰も釣っていなかったのでしょうか、なぜかこちらでは20〜29cmのイワナの入れ食いになってしまいました。1時間ほどで7尾の釣果がみられ、なんとなく満足して下山しました。
しばらくして会長ご一行様に車止めで再開しましたが、本流では人が多く入っているのか、小さなイワナしか釣れなかったとのこと。堰堤下の入れ食いの話を聞いてしまった会長は、もう日も暮れかかった薄暗い堰堤の下で、ルアーを必死に投げるのでした。さて、こうして我が山形渓遊会の春季釣行も無事終了しましたが、この釣行会が終わると今年も本格的な渓流釣りのシーズンが幕を開けます。これから6月末ころまでは、1年でもっとも渓流がエキサイティングに我々を迎えてくれる季節となります。今年も頑張って釣りを楽しむことに致しましょうか。(レポートは連休後半戦のダム湖の釣りパートVへと続きます。)
【今回使用のタックル】
KenCraft SuperTroutSpecial60LT(Telesco.PackRod)、Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、MM-Minow48Sアユ、Wavy5Sヤマメ、Kルアー5cm緑、Pure3.5g/赤・金、Buretton5g金、他
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