早春のダム湖の釣りは釣期がとても短く、しかも大物が釣れる確立が高いため、どうしても足しげく釣り場に通ってしまいます。前週に今年初めてのダム湖のイワナ釣りに出かけた私は、なんとかボウズは免れたものの、どうも納得が行きません。と言うのも、ミニオフの複数のメンバーが40cm前後の大物を釣り上げていて、背中に火を付けられてしまった格好でした。幸いにもこの週も何も用事が入っていません。これは出漁するしかないのです。今回は4月19・20日の土日の両日にわたって、再び幾つかの複数のダム湖を巡ってきました。 ![]() 【4月19日(土)】 ホームページなどのNetの活動をしていると、こちらから多数の情報を発信すると同時に、実に様々な情報が入って来る様にもなるものです。今回訪れた釣り場も1箇所は自分自身で開拓した釣り場ですが、もう一箇所はNet仲間のBuuさんからポイントを教えて頂いたものです。昨年からBuuさんには幾つかの貴重な釣り場の情報を教えて頂いており、Netのありがたさをしみじみと感じる結果となっています。Buuさんには、この場を借りて、お礼を申し上げます。
この日最初に訪れたポイントは、上記のBuuさんから教えて頂いた釣り場でした。ダム湖自体は前々から知っており訪れたこともあるのですが、広大なダム湖では細かな魚の付き場などの情報などは、地元の人に教えて頂かないとなかなか判りづらいものです。この日は自宅をお昼ころに出発しましたが、途中で花の写真を撮影していたりしてのんびりし過ぎたため、このダム湖に到着したのはもう午後の4時過ぎでした。あいにくの雨模様でしたが、背中に火の付いてしまった私には天候など全く関係ありません。 ![]() 残り時間も少ないため、まずはめぼしを付けておいたカケアガリのポイントに入りました。付近は土砂降りに近い雨で、水位も前週よりやや増水しています。水温は6℃、雨ですでに薄暗く、おまけに釣り人は全くいないという、これ以上は考えられない様な好条件です。遠投が効く様にと選んだヤマメルアー4cm緑をラインにセットし、まずは普通に沖合いにキャスト。まさかすぐには大物は来ないだろうとタカをくくっていると、なんと2投目のことでした。ガツンと言う根掛かりの様な抵抗が足元5mほどの距離で起きると、いきなりグイグイとロッドを曲げてくれます。少しのやりとりの末、釣り上がってきたのは上写真の40cmちょっとのみごとなイワナでした。あっさりと前週のリベンジを果たせた形で、まずは一安心。しかしちょっと気が抜けてしまいました。
しかしこのポイントはこの1尾だけで後が続きません。どうやら付近を派手にイワナがバシャバシャとやってくれたため、魚たちがすっかりスレてしまった様です。ここはサッサと見切りを付けてもう一つのポイントへ車で移動します。さきほどと同じスプーンを投げてみますが、釣れる前にスレてしまった様で、こちらでは残念ながら反応がありません。仕方なく同系統の緑系のルアーをあれこれと投げてみることにします。そして、もう辺りはすっかり薄暗くなりこれでおしまいかなと言う18時ころ、写真右下の丸々と太った34cmのイワナ君がようやく釣れてくれました。
ヒットルアーは某釣り具量販店のカゴ売りで見つけたTideRise7S、480円ナリ。このミノーは昨年も某堰堤で41cmを釣り上げており、どうやら、ルアーのお値段と釣果とは比例しない様ですね。もう一点、この魚の口からは上写真のワカサギが勢い良く飛び出してきました。ダム湖では小魚を主食としているらしく、深い所を狙えないことを除けば、やはりリアルミノーの方が部があるのではないかと考えられました。ちなみに、この日も前週と同じく赤系統のスプーンやミノーを投げてはみましたが、全く反応がみられませんでした。
【4月20日(日)】 翌日曜日も雨。この日入った2つ目のダム湖は、前週とは異なり、たった1週間で山肌の広葉樹が新緑に輝いていました。この時期は朝と夕方で色調が変わってしまうほど新緑が一気に成長します。どんよりと曇った空と冷たい雨で気が滅入ってしまう状況の中、この新緑だけが気持ちを明るくしてくれます。現場に6時頃到着しましたが、土砂降りに近い雨にも関わらず、すでに一人の釣り人がルアーを投げていました。一尾だけ岸沿いになげた緑系のミノーにヒットがあったものの、途中でバラしてしまったとのこと。魚の活性はなんとか保たれている様でした。 ![]() 7時ころ、今度は左下写真の二人の釣り人が現れ、4人で釣り始めます。お二人(パパイヤさん、ますおさん)には今回始めてお会いしましたが、お二人とも私のサイトへは何度か訪問して頂いていた様で、同じトラウトルアーを楽しむもの同士、すぐに打ち解けて情報交換の場になってしまいました。お二人ともサイトルアーパラダイス新潟のメンバーとのことで、この時期にはあちこちのダム湖によく出没されているとのことでした。
そして8時過ぎ、やや辺りが暖かくなってきたころ、やっと私のロッドに待望のアタリがありました。先の釣り人の情報から、私もMMミノー48S鮎に切り替え、岸際のブッシュのすぐ脇を流していたときです。ブッシュの下から飛び出してきた獲物は36cmのまずまずのサイズ。どうやらこの日のヒットカラーは緑系で、岸際の浅場に付く魚だけが反応を示している様です。そしてその後、同じくナチュラルカラーのディープダイバーでパパイヤさんが38cmのイワナを釣り上げられたのですが、残念ながら私はその時、別のポイントに偵察に行っており、写真を撮影できなかったのがともて残念です。
ほどなくしてBuuさんとたかちゃん、そしてもうお一人の釣り人が現れ、7人でルアーを投げ続けます。しかし人が増え過ぎたのか、或いは明るくなり過ぎたのか、理由は良く判りませんが、一度だけBuuさんの緑系のスプーンに40cmくらいのイワナがトレースして来たのが見えただけで、結局その後は何も釣れてはくれませんでした。お昼近くになって寝不足の私は車のなかでいつの間にか居眠りをしてしまう始末。ある程度の大物を最初に釣り上げてしまうと、どうも戦意が湧いて来ず、その後は大して釣れてはくれない様です。 ![]() 午後からはたかちゃん・パパイヤさん・ますおさん達は帰られたため、3つ目のダム湖へと今度はBuuさんと私の2人だけで移動しました。今日は8時ころに1尾だけ、Buuさんには朝5時からまだ何もヒットがありません。この釣り場では沖合いでかなりの数のライズが見られ、岸際にも沖合いにも魚は沢山いることは間違い無いのですが、はて、なぜ魚たちは興味を示してくれないのでしょう。時間もあと残り1時間ほど、ここでちょっと作戦を変更してみることにしました。 以前にもルアーの色だけでなく、引き方や泳層を変えることでガラリと様相が変わった経験が何度かあるのです。色は緑系で間違いなさそうですので、昨夕使ったTideRise7S緑のミノーに変更し、まずは超早引きを試みてみることにしました。沖合いに遠投後、十分に沈めてから少しだけトウィッチングを入れながらラインスラッグを取り、その後リールのハンドルを思いっ切り早く巻き続けます。沖合いへ岸際へと何投か繰り返しましたが、しかし、この方法には全く反応がありません。
次に今度はストップ&ゴーを試してみました。同じく遠投し沈めてから、今度はハンドルを巻きながら同時に竿をあおり、ミノーを4〜5mほどハイスピードで泳がせた後、竿を戻しながら同時にハンドルを巻き、1秒ほどミノーを水中で止めます。この操作を繰り返しながら、もうミノーがロッドチップの手前1mほどまで来たときでした。後方から勢い良く追いかけてきた黒い影が沖合いへと方向を変えながら、そのミノーに体当たりする姿が見えました。サイズは34.5cmとやや小ぶりですが、諦めかけていた矢先の、しかも作戦通りの1尾に、ようやく顔がほころぶのでした。 これを見ていたBuuさんもすかさずミノーに切り替え、同様のストップ&ゴーで続きます。魚心というのは付近にいる魚たちもあまり変わらない様で、今度は沖合いでミノーをストップした瞬間にガツンと言うアタリがあったそうです。ようやくBuuさんにも待望の1尾がHitし、「粘っていて良かったねー!」と、もう二人とも有頂天になってしまいました。ただ残念ながらもう6時を回っていてかなり暗く、この1尾を最後に、後ろ髪を引かれる思いで釣り場を後にせざるを得ませんでした。
さて、この時期の釣りはめまぐるしく水温や餌の種類などが変化するためか、魚たちの気持ちはクルクルと短時間に変化している様です。どうやらこの時期、魚心も秋の空・・・と言うことでしょうか。色を変え、ルアーの種類を変え、更に引き方や泳層も変え、あの手この手で魚心を試してみる他はなさそうです。繊細でとても難しいイメージではありますが、だからこそまた、この釣りが面白いのかも知れません。残り2週間ほどとなったこの釣りを、思いっきり楽しみたいものですね。 【今回使用のタックル】 Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、ヤマメルアー4cm緑、TideRise7S、MM-Minow48Sアユ、Wavy5Sヤマメ/レッドヘッド、Kルアー6cm緑/赤、Pure3.5g/4g/赤/金、他 |