今年もダム湖のイワナ釣りの季節が始まっています。例年、4月初旬から5月連休明けころまでが釣期となるこの釣りは、野生の桜や沢山の春告花・山菜にも恵まれ、長い冬から抜け出した開放感とともに、我々トラウトルアーフィッシャーに、この上ない楽しみを与えてくれています。 ようやく残雪の融け開通したダム湖畔の林道を抜けると、そこにはルアーマンたちの天国がありました。この日は偶然にも掲示板仲間とのミニオフの状況となり、とても楽しい1日を過ごすことができました。(注:本レポートに掲載の風景写真は、同イメージの架空の画像であり、全て実在のものではありません。) ![]()
この日は特にミニオフ(ちょっとしたオフラインミーティング)を企画した訳ではありません。掲示板に「そろそろ例のダム湖が良さそうなので行ってみるかも・・・」と私が書いたのがキッカケで、何の打ち合わせもなく新潟の友人たちが一つのダム湖に集まりました。下写真はこの日ご一緒した新潟市のBuuさん、もっちさん、元基くん(たかちゃんさんの息子さん)ですが、他にもpazzuさん、Haruさん、ハチロクさんや、掲示板に来て頂いたことのある「だ」さんも同ダム湖にお見えでした。比較的短い釣期のこの釣りは、同じ目的を持った多くの釣り人を一ヶ所へと集め、それがまた、この釣りの楽しさを膨らませている様です。 ![]() 左から、 Buuさん 、もっちさん 、K++ 、元基くん 私はこの日、早朝6時にこのダム湖に到着したのですが、既に一人の釣り人がルアーを投げておられました。後ほど判ったのですが、この人が「だ」さんだったとは。もう少しお話しさせて頂ければと、ちょっと後悔です。7時ころになり、今度はもっちさんが同じ釣り場に現れました。私が掲示板に「行くかも」と書いていたのを見て、来て見たそうです。しばらく3人でルアーを投げ続けますが、いかんせん風が強くて寒く、「だ」さんのルアーに一度だけイワナがトレースしてきただけで、何の反応もありません。
9時ころになり、今度はBuuさんが現れました。彼は別のダム湖で早朝からやっていて、既に上写真の41.5cmの大物を仕留めたのことで、もうすっかり余裕の表情です。釣れたルアーはご覧の「赤」の鮮やかなスプーンだったそうですが、この時点では、まだ誰も今日のイワナ君たちの気持ちが判ってはいませんでした。その後、もうお一人のルアーマン(下左写真)がやってこられたのですが、はて?このかたもどこかで見たことの有る様な・・・しかし、思い出せません。いずれにせよ、この時期にこの付近のダム湖にやってくる人たちは、みな顔見知りばかりの様です。
それにしても3人ともちっとも釣れないため、車のそばで談笑をしていると、その釣り人は手早くタックルを用意し、先ほど我々が釣っていたポイントへそそくさと入って行きます。我々がお喋りしながら何気なく見ていると、あれれ?、一投目で竿が曲がっています。そして、しばらくしてイワナのバタバタと暴れる姿が目に入ってきました。サイズは34〜5cm(上中央写真)の様でしたが、あれだけ皆が投げ続けて何の反応もなかったのに、いったいどういうことでしょう。一同、ただただ驚くばかりでした。ヒットルアーは、ちらりと見ただけですが、半分だけ「赤」に塗装されたシルバーのスプーンの様でした。
この後、pazzuさんたちがやってきましたが、あまりの人出に驚いたのか、そそくさと別の釣り場に移動されてしまいました。そして、我々の驚きにトドメを指してくれたのは、下写真の元基くんです。彼はBuuさんと一緒に来ていたのですが、眠くてずっと車の中で寝ていたのです。我々が一通りルアーを投げたあと、眠そうな目をこすりながら起きてきた彼は「ちょっとだけやってみる」と、またまた先ほどと同じポイントへ降りて行きました。 しかしどうでしょう、彼は今度はなんと3投目で、下写真の38cmもある立派なイワナ(下中央写真)をあっさりと釣り上げてしまったのです。我々「釣れてない派」はもう唖然とするばかり・・・参りました。ちなみにこの38cmは元基くんの自己記録更新のサイズだった様で、顔がゆるみっぱなしの大喜び。彼はもう、すっかりこの日のヒーローでした。
しかしここでようやく気が付きました。そうです、この日のヒットカラーは「赤」だった様なのです。良く考えてみると「釣れてない派」の全員が、シルバーや緑系のスプーンばかりを投げていたのでした。ここで俄然、皆のやる気が出てきます。一斉に赤系統のスプーンやミノーを投げ始めますが、そうは問屋が卸してはくれません。もうお昼近くで明るくなり過ぎたせいでしょうか、時すでに遅く何の反応もありません。もうガッカリです。お腹もすいてきたことですし、ここは一旦切り上げて昼食タイムとし、今度はBuuさんが早朝に大物を釣り上げたという別のダム湖へと大きく移動することにしました。
このダム湖も午前中のダム湖と同じ様な雰囲気の、いかにも釣れそうな釣り場です。ただ違っていたのは、回りが山に囲まれていて風の影響が少なく、なぜか随分と暖かく感じます。ここでは釣り始めてすぐに、Buuさんがいきなり2連続ヒット。しかしいずれも足元まで来たものの惜しくもバラしてしまいました。1尾は40cmクラスの大バラシだった様で、うーーん、なんとも勿体無い。まだ一度もアタリもなく焦った私は、ここでちょっと節操のないことをやってしまいました。奥の手のフローターを持ち出し、対岸のまだ誰も攻めていないポイントを沖側から攻めてみることにしました。 遠くにBuuさんたち3人がキャストする姿が見えます。最初は念のためにと緑のKルアーから始め、ナチュラルカラーのWavyもキャストしてみましたが、さっぱり反応がありません。仕方なく、これまで渓流では使ったこともないド派手なレッドヘッドのWavyを3つ目のタックルボックスから取り出し、試しに投げてみました。しかしどうでしょう、驚いたことに2投目で下写真の31cmの元気なイワナ君がブッシュ(下右写真)の脇から喰らいついてきたのです。こんなこともあるのですね。まったく、女心と魚心は、いつになっても理解できません。わたしゃ、まだまだ修行が足りませんなぁ。
ちなみに、こういったヒットカラーの経験はこれまでも何度かありますが、今日は赤が釣れたからと言って、明日も同じ様に釣れるとは全く限りません。このレポートをご覧になって、決して「赤」ばかりを投げ続けない様にお願いします。私もこの日は忘れていたのですが、沢山の種類の、沢山の色のルアーを投げてみることが、釣果を伸ばす最大のコツであることは言うまでもありません。 さて、この釣りはゴールデンウィークの明ける5月10日前後までは楽しめます。概ね、ワンド奥などの止水での表層水温が15℃以下であれば、ヒットする可能性は十分に有ると考えています。残り2〜3週間ではありますが、1年を通じて最も大物の狙い易いこの釣りを、皆さんもぜひ試されてみては如何でしょうか。(本レポート中の野草花の写真は、すべて前週までに山形県内で撮影したものです)
【今回使用のタックル】 Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、Wavy5Sレッドヘッド、Kルアー5cm緑、MMminow48Sハヤ改、他 |