皆さんにとって、2002年はどの様なシーズンでしたでしょうか。思い出に残るシーズンになったでしょうか。それとも、あまり良いシーズンではなかったのでしょうか。毎年禁漁に入った10月に、そのシーズン全体を振り返ることを恒例にしています。さて、今年はどの様なシーズンだったのでしょうか? (註:このレポートは山形県内の渓流釣りを想定して記述しており、他府県での状況とは異なる可能性があります。) 2002年の渓流釣りシーズンは、とても暖かい春から始まりました。積雪量は平年並みでしたが、3月・4月の異常なほどの暖かい気候は、シーズンをひと月近くも早めてしまいました。そのため、早期から源流部の雪融けが進んでしまい、多くの源流で早々と釣り切られてしまう現象が起きました。また、殆どの釣り場が3月の解禁直後から開放され、早い時期からの豊漁のニュースが伝えられました。 しかし、昨年夏の猛暑の後遺症は各地の堰堤プールに確実に残っていました。夏に一度干上がった堰堤プールは、魚たちが源流へ遡上してしまい、そしてあっと言う間に釣り切られてしまいます。暖かい春と強い雪代は堰堤プールの釣りには好都合なハズだったのですが、今シーズンは3月から5月末頃まで、どこの堰堤でも釣果はサッパリでした。 ただ幸いにも、6月初ころまでは雪代が安定して流れてくれたため、それでもやがて源流部から堰堤プールへと、僅かに残っていた大物たちが舞い戻って来てくれました。そして5月の末ころからは、例年通りに各地の堰堤プールから大物のニュースが届く様になり、7月中旬ころまでは十分に楽しめた様です。しかし7月末になると今年も再び猛暑に見舞われ、再び各地の堰堤プールは干上がってしまい、また来年も辛いシーズンで始まりそうな予感がしています。 一方で、一般の渓流では早期から釣り人が入り過ぎたためか、5月末ころには早くも息切れし始めました。しかも5月一杯は気温が高めに張りつき、シーズンが2週間ほども早く推移したため季節感がズレてしまい、釣り人達を悩ませ続けました。昨年は6月初ころに爆発的な豊漁があちこちで見られたのですが、今年はどこの渓流も全く静かなままで、昨年の夢を追いかけて東北へやってきた釣り人達には辛い思いをさせてしまった様です。 そして今年も昨年と殆ど変わらない猛暑がやってきました。8月に入るとあちこちで渇水し始め、早期に釣り切られた渓が多かったことと合わせて、どこも殆ど釣りにならない状態が続いた様です。ただ、一部の渓流では釣り人の減少で魚が多く残っている場所も見られた様で、9月に入って水量が回復し始めると、場所によってはとても楽しい釣りが出来た人もおられる様でした。 スポーツ産業白書などのレポートの通り、97年をピークに釣りブームは斜陽化を始め、釣り人口は現在、なべ底状態にあるのではないかと考えています。実際の釣り場の状況・釣り人の数などを見ても、昨年から今年にかけてはそれほど大きな変化を感じ取る事はありませんでした。ただ、深刻な不況は一向に改善されてはおらず、ゴルフや高級リゾートなどのお金のかかる遊びは下を向いたままの状態が続いています。逆に、一部のTVなどで、下火だった釣り関連の番組が増えてきている様に思えます。そして、こういった動きが一気に釣りブームを再燃させる可能性が見え隠れしているのが気になるところです。 私の個人的な02シーズンは、4月に転勤が有り釣行回数が減ったことを考えると、昨年と同程度に釣果に恵まれた年だったと考えています。ただ、堰堤プールの釣りは5月末から7月中旬にかけての非常に短い期間に集中し、他の期間は殆ど何も釣れませんでした。そのためか、今年も8月以降は源流へ釣行することが多くなってしまいました。渓流では大物は殆ど期待できないのですが、今シーズンは最後の最後に非常にラッキーな大物釣果がみられ「終わり良ければ全て良し」のごとく、とても充実したシーズンであったかのような気分でオフシーズンを過ごしています。 最後に、今シーズンも沢山の楽しい思い出をプレゼントして頂いた、TLF掲示板・山形渓遊会・福島のフィッシングフィールドML・友人の皆さんに、この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
●2002年の記録 毎年、ごく簡単な形式で釣果の記録を行っています。今年から以下のデータには、管理釣り場や寒河江などのC&R区間での釣果を一切含めない様に変更しました。そのため、全てのイワナ・ヤマメ・ニジマスの釣果は殆どが完全なネイティブか放流物の巨大化したものと考えられます。今シーズンは私がいわき市へ単身赴任したことにより、釣行回数がかなり減りました。それにともない、釣果尾数も昨年よりは少なくなりましたが、それでも3〜4年前とそれほど変わりはありません。これは釣りブームが去って、1回当たりの釣果尾数が数年前よりも多くなっているからではないかと考えられます。そして、全釣果中に占める自然河川での成魚放流ではない尺上イワナの割合は、過去最高の25%に達しています。 |