ミニオフレポート

夏期連休釣行(2)
大さんと久し振りにミニオフ(8月16-18日)


もう何年ぶりでしょうか、福島のフライフィッシャー「大」さんと二人っきりで、とても久し振りに釣りにでかけました。お盆休みももう終わりのこの時期に、きままに二人だけで堰堤や渓流を徘徊し、また、久し振りにホームページや釣りの話に花を咲かせ、非常に楽しい時間を過ごすことができました。今回のレポートでは、通常はこの時期には釣れなくなる堰堤プールでの釣りの模様や、飯豊山登山の模様も併せてお伝えします。

注:場所の特定を防ぐため、風景画像の一部に大幅な修正を加えるか同イメージの別の写真を使用しています。



私と福島県二本松市の「大」さん(「福島のフィッシングフィールド」:2003年12月閉鎖)とは、もう十数年来の釣り仲間です。まだパソコン通信が全盛のころ、当時のPcVanで知り合いになり、あちらこちらと釣りにオフ会にと、一緒に良く出かけました。しかしその後のインターネット時代を迎えると、お互いにそれぞれのウェブサイトを運営する様になり、彼は東北のデジタルフライフィッシャーの先駆者として活躍しはじめ、一方の私はルアーフィッシングのウェブサイトでとても忙しくなってしまいました。


時折はお互いのサイトのオフ会で出会ってはいるのですが、正直言って大きなオフ会では色々と気をもむ事も多く、ゆっくりと話をする機会もありません。そこで、久し振りに二人だけでミニオフでもやろうかということになり、この日、釣りとキャンプに繰り出したという訳です。17日(土)は午後2時頃に山形県内の某渓流で落ち合い、釣りはまぁ二の次で、どちらかというとキャンプが中心の気楽なオフになりました。日ごろの溜まった話は尽きることもなく、二人で深夜までのんびりと楽しい時間が流れてくれました。


さて、上の写真はこの日の夜のメニューの一部です。他に米沢牛のBBQや焼きソバ、適当に二人が買ってきた惣菜類などで夜は楽しみました。しかし、写真を良くご覧下さい。とても巨大なイワナの切り身でイワナ汁を作ってしまいました。イワナ汁と言うよりも、むしろイワナの煮物といった感じで、実はあまりおいしくはありませんでした。イワナの塩焼き(写真右上)もとても魚が大きくて、焼き枯らしになる迄に随分と時間が掛かってしまいました。実はこのイワナたち、この時期にしては珍しい堰堤プールでの釣果でした。

オヤマボクチ(雄山火口) ボタンヅル(牡丹蔓) サワオトギリ(沢弟切)

大さんと落ち合う前の日の16日、実は一人で今回のキャンプ場の近くの堰堤プールに釣りに来ていました。お盆も終わりかけのこの時期は、通常は堰堤の魚たちは産卵のために源流部へと遡上を開始し始めています。また、堰堤は渇水して水位も低く透明度も非常に高いため、ほとんど釣りになりません。しかし、探せば中には水量の安定したなんとか釣りになる堰堤プールも存在するものです。もう残り少なくなった魚を拾い釣りの格好ですが、条件さえ整えば、十分に釣りになります。


では、その条件とは一体なんでしょう。それはただ一つだけです。雨で適度に濁ってくれることでした。16日は前夜に大雨が降り、写真のようにかなり濁っていて、水面もゴミだらけでした。一見釣れそうもなさそうな強い濁りですが、こんな状況でないとこの時期は逆に釣れてくれない様です。この日の釣果はイワナ36、35、31、29、27cmと、この時期にしては数・サイズともに十分に満足の行く結果でした。


そして、本当は大さんにもこの釣りの醍醐味を味わって欲しかったのですが、17日夕方に同じ堰堤に二人で入った時には、なんと、私のミノーにも、大さんのフライにも、魚たちは全く反応を示しませんでした。前日の朝に釣れていて、なおかつその日も目の前でライズが見られ、魚は確実に泳いでいたはずなのです。なのに、透明度が上がるとまるで魚がいないかのような状況になってしまうのです。夏のイワナ達がいかに神経質になっているか、我々の想像を超えている様です。


と言う訳で、17日のキャンプでイワナ汁や塩焼き用に使ったイワナは、前日16日の朝にこの堰堤プールで釣ったものでした。カラスなどに獲られ無い様、写真右上のように石組みを作って大きな石のフタで完全に囲い、生かしておいたものです。なぜこんなことをしていたかと言うと、やはり心のどこかに「もしや釣れなかったら・・・」という不安が残っていたからです。この時期の堰堤プールでの釣りでは、過去にも全く予測の付かないことが良く起きています。絶対釣れそうなのに全く反応無い日もあれば、逆にとても釣れそうもない状況なのに大釣りになったり、と言う具合です。

キキョウ(桔梗) ツリガネニンジン(釣鐘人参) ヒルガオ(昼顔)

翌18日の早朝も、前日と同様に非常に透明度が高く、湖底の様子が丸見えの状態でした。珍しく夜明け直後には起き出して二人でこの堰堤プールを再度攻めてみましたが、やはり反応は全く無く、がっかりでした。仕方なくずっと下流部の堰堤の下を攻めてみると、どうでしょう、写真の36cmちょっとの結構な大物が釣れてきました。既にこの時期は、水系の下端にあたる堰堤プールよりも、水系の上端にあたる堰堤下に大物が溜まり始めている様でした。お盆を過ぎるころには、もうイワナ達は産卵の準備を確実に始めていたのです。

堰堤下で釣れたイワナは、堰堤プールのそれとは明らかに異なる。細身で斑点が小さい。

その後も大さんとは更に下流部の渓流を、それぞれフライとルアーで楽しみました。最近は釣り人が大幅に減っていて、道路沿いのなんでもない釣り場でも、型こそ大きくはありませんがポツポツとイワナたちが釣れてきます。雑誌などの影響さえ無ければ、こういった下流部の釣り場の方が、数週間前に入った某有名源流よりも遥かに良く釣れてくれる様です。二人でそんな釣りをのんびりと楽しみ、こうやって大さんとの二人っきりの、そして、久し振りのミニオフを終えました。

モミジカラマツ(紅葉唐松) ジャコウソウ(麝香草) カラマツソウ(唐松草)

さて、釣行記はここまでですが、この日(18日)、大さんとはひと通り釣り終わった午前9時過ぎに別れました。そして私は有る目的があって、ほんの少しだけ足を延ばして飯豊山に登山をしています。偶然に出合った他の釣り人から、飯豊山の中腹にまだサクラソウが咲いていたと聞いていたのです。サクラソウの時期は普通なら7月ですが、今年も忙しくて飯豊山には登山できませんでした。場所は梅花皮沢(かいらぎざわ)登山道の中腹にある石転び沢出会い付近とのこと。2時間も歩けば到着する距離です。11時ころに出発しても日帰りで十分に間に合います。(上のモミジカラマツ以後の写真は全て、飯豊山での高山植物になります。)


もちろん登山とは言え、途中には梅花皮沢の素晴らしい源流が広がっています。パックロッドをザックに忍ばせて、登山道の途中から河原へ降りられる場所を探しては釣ってみました。しかしこの梅花皮沢の上部には少なくともイワナは生息していない様子でした。この沢は巨大な岩石がゴロゴロと転がっており、それらの間を縫って流れる水が滝を成していて、まるで連爆帯の様相なのです。途中のいずれかの滝で魚止めになってしまっているのではないかと思われました。

サンカヨウ(山荷葉) イワイチョウ(岩銀杏) ニッコウキスゲ(日光黄菅)

そしてほどなくして石転び沢出会いに到着しましたが、残念ながらこの日は天候があまり良くなく、終日曇っていて高山植物たちの元気はあまり良くありませんでした。そのため、オオサクラソウやハクサンコザクラは花が全開しておらず、少し寂しそうな風情でした。それでも初めて巡り合えた2種類のサクラソウに大感激しながら、急いで山を降りてきました。夕方、下山途中の登山道では、もう既に大群のアキアカネが乱舞し、山上では早くも次の季節を迎えていることを感じさせられました。

ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花) ハクサンコザクラ(白山小桜) オオサクラソウ(大桜草)

【今回使用のタックル】
Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、Kルアー5cm緑、Wavy50S緑、MissThetisSD、改造MMminow48Sハヤ、RexDeep50、他