クラブ釣行レポート

夏期連休釣行(1) 山形渓遊会源流行(8月9-10日)


毎年、梅雨開けの7月後半ころから8月一杯は、源流釣りの季節になります。前々週に続いて山形渓遊会のメンバーと一緒に、ちょっとした源流に入りました。本当は、9日〜12日にかけて、八久和川かどこかにキャンプ釣行でもと目論んでいたのですが、今年も結局メンバーの都合が会わず、日帰り釣行の連続になってしまいました。前々週の某有名源流キャンプ釣行では殆ど何も釣れなかった我々でしたが、すぐ近くの名も無い源流では、飽きない程度にイワナ達がお相手をしてくれました。

注:場所の特定を防ぐため、風景画像の一部に大幅な修正を加えるか同イメージの別の写真を使用しています。



ここ数年は毎年、5月と8月の連休前半を、山形渓遊会の例会に充てています。もう随分と前から「もっと大掛かりなキャンプ釣行をやろう」と意気込んでいるのですが、渓遊会はサラリーマンの集まりゆえ日程がちっとも合わず、結局は日帰り釣行ばかりの集団に甘んじています。今年こそは八久和川へでも・・・と目論んでいたのですが、やはり日程が合いません。本山氏が来れないのに加えて、今年は渡辺会長も忙しい年らしく、寸前になって9日に仕事が入ってしまった様子。ああ、また寂しく日帰り釣行ですか・・・

ムラサキツメグサ(紫詰草) オカトラノオ(岡虎の尾) ゲンノショウコ(現の証拠)

【8月9日(金)】

この日は無理してせっかく有給を頂いたにも拘らず、会長不在のまま、佐谷名人と2人っきりで某無名の源流へ入ることになってしまいました。この水系は前回入った「釣れない源流」のすぐ近くですが、会長が3週間ほど前に入渓し、結構な釣果を上げていたとのこと。車道から歩いて1時間ほどの手ごろな源流で、素人2人だけでもなんとかなるだろうと選んだものです。ただ、全くの初めてで、しかもかなり道が判別しづらく、入渓までには結構な時間が掛かってしまいました。


早朝4時頃から歩き始めたのですが、途中で別の渓流で浮気をしたこともあって、目的の源流部へ到着したのはもうすっかり太陽が高くなった9時ころ。しかも、遡行すれども小さな小さなイワナが時折出てくるだけで、さっぱり釣れてくれません。やはりこの3週間で相当な人が入り込み、下流部の釣りやすいところは殆ど釣り切られてしまっている様でした。東北の渓流では、梅雨が開けるのを待ちわびて一斉に釣り人達が源流を目指し、そしてあっと言う間に釣り切られてしまうのです。


それでも3時間ほども釣り上がると渓相も次第に険しさを増し、写真上中央のちょっとした滝まで来た頃には魚影も結構見られるまでにはなってきました。ただ、まだまだ型も小さく、決して満足の行く様な状態ではありません。ところが不思議なことに、この滝を一歩越えると、急に型が良くなり、魚影も一気に濃くなってきました。この滝まで釣り上がるのに入渓点から4時間ほども掛かる上、結構な落差でこの滝が「魚止めの滝」に見えたのでしょうか。


この小滝から魚止めの滝(写真上中央)まで、ほんの数百mほどしかありませんが、私にも良型のイワナがヒットし、佐谷名人にもご覧の泣き尺イワナをはじめ、次々とヒットが続きました。そして、結局は数・型ともにまずまず満足の行く結果となったと言う訳です。最後の魚止めの滝(写真上中央)でも28cmほどのイワナが私のルアーにヒットし、なぜか不思議な気持ちで帰路に着きました。

オトギリソウ(弟切草) ミズタビラコ(水田平子) コオニユリ(小鬼百合)

この日の夜は遅れてやってきた渡辺会長と3人で恒例のイワナパーティー&キャンプです。幸いにも今回は釣果に恵まれ、大部分はキャッチ&リリースしているものの、会則に則り一人一尾の塩焼きとイワナ骨酒にイワナ汁でいつもの様に酔い潰れてしまいました。私と佐谷名人は朝から十分に歩き回り相当に疲れた状態で、もう翌朝は早くから起きる元気がありません。さて、あしたはどこへ行きましょうか。

ハクサンオミナエシ(白山女郎花) シロヨメナ(白嫁菜) ハナニガナ(花苦菜)

【8月10日(土)】

翌朝は予定通りに(?)、目覚めたのはもうすっかり日の高くなった7時ころ。のんびりと朝食を作り食べ、次の渓流に移動したのはもうお店が開く9時すぎでした。こんな時間でもまだ人が入っていなくて釣れる渓流など、そうそう多くはありませんが、そこは渡辺会長の渓流データベースが物を言います。道路から比較的簡単に入れる割には人が殆どいない、某渓流を選びました。


この源流も前々週の釣れなかった源流からほんの数キロのすぐ近くの釣り場ですが、場所さえ選べば入渓の困難さと魚影の濃さとは全く関係ない様です。お昼近い時間帯だったためか、透明度も高くて最初はさっぱりだったのですが、1時間ほど遡行するとちょっとした夕立が降り、適度な濁りが入るとガラリと様相が変わり始めました。3人でポイントを交代しながら釣り上がりましたが、殆どどのポイントでもイワナが姿を見せはじめ、一時は入れ食い状態にまでなりました。


ただ、上流では強い雨が降ったらしく、一旦は濁りが取れ透明度が上がってきたにも関わらず、午後3時頃に再び強く濁り始め、最後は殆ど濁流の様になってしまったため、やむなく納竿しました。しかし不思議ですね、魚は確実にいるのですが、こういった人の入りやすい渓流ではやはりスレているのでしょうか、透明度次第で釣れ具合が大幅に違ってきます。濁った時は一つのポイントから3尾・4尾と釣れてくるのに、透明度が上がると、まるで魚がいないかの様に静かになってしまいます。イワナたちは我々が考えている以上に賢い様です。


そして、今釣行で今更ながらに強く感じたのは、雑誌やホームページ(HP)の影響の強さです。前々週に入った源流は、昨年の春に雑誌に紹介され、それに追い討ちをかける様に私がHPやフォーラムで紹介しました。それも「来年はもう絶対釣れません!」と断言しての紹介です。なのに今年に入っても釣り人はおかまいなしに入り続け、予想通りに中下流部では殆ど何も釣れませんでした。なのに、ほんの数キロ離れた2つの無名の源流では、多少スレてはいるものの、まだまだ魚影は十分に濃い状態が保たれていたのです。

アキノキリンソウ(秋麒麟草) ソバナ(岨菜) ネジバナ(捩花)

雑誌やHPで紹介されることにより発生する最大の問題は、やはり特定の場所に釣り人が集中し過ぎることでしょう。一度荒廃してしまった渓流釣り場は、数年は元に戻らないと言われています。そして、地元の人にとってはその渓流・源流は、かけがえの無い釣り場なのです。たとえどの様な形であれ、雑誌やHPで実名をあげての釣り場の紹介は、やはり絶対に止めるべきなのでしょう。


夜も3人でキャンプを楽しみましたが、この日はいつもとちょっと変わった楽しいことがありました。結局は今年も行けなかった八久和川の入り口となる大井沢川の林道入り口の広場でキャンプをしていたのですが、これから八久和川に入るという初対面の釣り人(写真右上)と、すっかり意気投合してしまいました。全くの初めてで名前も知らない仲にも関わらず、お互いに過去に入った源流の話になると、もう旧知の知り合いの様に感じてしまうのが全く不思議でなりませんでした。はて、その後、彼は八久和川で大物を釣り上げることが出来たのでしょうか。(ちなみに、今回釣行した源流は大井沢川ではありません)

オタカラコウ(雄宝香) オオバギボウシ(大葉擬宝珠) ヤマアジサイ(山紫陽花)

【今回使用のタックル】
KenCraft SuperTroutSpecial60LT(Telesco.PackRod)、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、
Wavy50S緑/青、改造MM-Minnow48S鮎、MissThetisSD、SugarDeep50SP、他