毎年この時期には、福島のフィッシングフィールド(2003年12月解散)主催の「福島オフ」が開催され、ここ数年、欠かさずに参加してきました。しかし残念ながら、今年から「福島オフ」は無くなってしまい、同サイトの有志で開催している「Barゆかりオフ」が実質的な「福島オフ」の代わりとなっている様です。このオフには参加したい理由が3つほどあり、今年もその全てを満喫させて頂くことが出来ました。 ![]() 安 達 太 良 山 の 爆 裂 火 口
今回のオフの主催者は、写真左下の女性、ゆかりさんです。「紫」と書いて「ゆかり」さんと読みますが、シャレッ気で「Bar紫」(閉鎖中)というウェブサイトを開設されています。昨年までのこの時期なら、写真下中央の、おなじみ「大」さんが主催する「福島オフ」が開催されていたのですが、残念ながら今年はありません。しかしそこはネット仲間のこと、何も無しのままで済む訳がありません。ゆかりさん、良くやって下さいました。「福島オフ」の代わりに、存分に楽しませて頂きました。
この時期の裏磐梯でのオフには、もう7〜8年も前から参加し続けています。欠かさず参加して来たのは、「大」さんを始めとするネット仲間との交流が最大の目的ですが、ここ数年は、他にも2つほどの目的が有ってこのオフに参加する様になっています。一つには、この時期の裏磐梯は素晴らしい野草の季節であり、様々な野草花の写真を撮影できるのが、なんとも言えない楽しみとなっています。もう一つは、3年ほど前から近くに手ごろな堰堤プールができ、フライの人たちと一緒になって実に楽しい釣りができるようになった事です。今回はこの3つの内容を、別々にまとめてレポートしてみます。
【Barゆかりオフ】
オフそのものは、これまでのオフと殆ど何も変わりません。少々風が強かったことを除けば、お天気も上々で、裏磐梯らしいカラッとした空気と紫外線の強い太陽光線が、いつもの様に迎えてくれました。ここ裏磐梯でも、今年は例年より少し季節が早く進んでいる様で、木々の緑はいつもより濃く、山菜がすっかり伸び切ってしまっていました。源流に近いところでは例年であればまだ山桜の綺麗なピンクが映えているのですが、今回はすっかり緑の葉になってしまっていました。 ![]() 参加された皆さんは、付近にあるそれぞれのお気に入りの渓流に入って釣りを楽しまれたようですが、私はと言うと、釣りそのものよりも夜の宴会の方がずっと楽しく、最大の目的となってしまっています。もう何年も何回も同じことを繰り返しているのですが、なぜか飽きることも無く続いているのは、やはり毎年新しくお会いする人や旧知の人との、変化に富んだ人的交流があるからでしょう。今回も仙台の清野さんに用意して頂いた生ビールの乾杯から始まりました。(写っていない人、ごめんなさい)
野営の楽しみを決めるのは、やはりキャンプの料理ではないかと思うのですが、大勢で行うオフの魅力は、沢山の種類のおいしい料理が次から次へと出てくることでしょうか。今回も数え切れないほどのメニューが次々と胃袋を満たしてくれ、大満足でした。できるだけ全ての料理を味見だけでもしてやろうと目を配っているのですが、種類が多すぎていつも1・2品ほど逃してしまいます。なにせ、こういった料理が、なんの予告もなく、右から左から湧いて出てくるのですから。 ![]() ![]() 中でも今回の料理のハイライトは、写真下のダッチオーブンを使った鶏の丸焼きでしょう。家鴨さんの素晴らしい力作でしたが、これには皆さん、おいしさに唸っておりました。私自身も野外でこんな料理が食べられるとは思ってもいなかったのですが、一度こういう光景を見てしまうと、また誰かがダッチオーブンを密かに買い求め、次回からはすっかり定番になって行くのだろうと、想像がついてしまいました。 ![]()
私は前日から一睡もしておらず、9時ころには爆睡モードに入ってしまいましたが、皆さんは例によって夜遅くまで、「呑み喰い喋り」を楽しまれた様でした。私は睡眠不足が祟って、結局12時間も寝てしまい、目が覚めた頃にはすっかり日が高くなっていて、いつも通りの釣りの無いオフの朝でした。朝食後は例によって即席のフライ教室が開催されたりして、それにしても、北田さんのフライラインが綺麗に真っ直ぐに伸びてますね(写真右下)。
【裏磐梯の野草探索】
裏磐梯の春は意外にも遅く、福島オフのこのころが、様々な野草花の最盛期となっている様です。普通なら竿を持って渓流を歩くのですが、このオフの時だけは、竿の代わりにただ一つデジタルカメラだけを携え、小渓流を徘徊する様にしています。ただ、今年は少しばかり季節の訪れが早く、そのため、昨年・一昨年に普通に見られた野草花は既に終わっていて、代わりにコンロンソウやタチカメバソウが最盛期に入っていました。多少の季節のズレは、見ることのできる花の種類を増やしてくれるので、好都合なのですが、しかし、このオフでは必ず見たい野草の花が1つだけあるのでした。
考えてみれば、この花に合うために福島オフに通っていたのかもしれません。野生の桜草であるクリンソウ(九輪草)は、開花の期間が比較的長いためか、今回も見事な色彩を渓畔に放ち続けていてくれました。昨年までは釣り人が多かったせいか、花がちぎられていたり、踏みつけられていたりしたものですが、今年は2株のクリンソウが見つかり、しかも、全くの無傷で咲いていてくれました。その姿はまるで湿原の女王さながらであり、今年もこうやってこの花に無事再会できたことに、心から感謝したのでした。
【堰堤プールの釣り】
このオフの3つ目の楽しみは、3年ほど前から釣れはじめた、写真上の堰堤プールの釣りでした。普通、フローターやボートでも使わない限り、堰堤プールでのフライフィッシングは殆ど不可能ですが、この堰堤だけはポイントがフライでも届く位置にあり、FFFの仲間と一緒にフライとルアーでプールの釣りが楽しめます。私は土曜の早朝にこの釣り場に到着し、さっそく大物を狙ってみました。
だれかこのオフのメンバーが先に入って釣っているのではないかと思っていたのですが、土曜朝は誰も来ておらず、私一人のきままな釣りになってしまいました。朝4時半ころ、現場に到着直後に岸辺から投げたMMミノー48Sにヒットしたのが、写真上の37cm。その後、フローターを浮かべて2時間ほど粘りましたが、なぜかこの朝はこれ1尾だけしか釣れません。透明度が非常に高く、朝の薄暗い時以外は、どうやら釣りにならなかった様でした。
実はこの朝、フライでも釣れないかと試みています。この日はかなり風の強い日でしたが、時折、風の止んだ瞬間に、上の写真の様に凄いライズが見られます。水面には写真上中央の様な黒い虫が沢山浮いていて、これをイワナ達が捕食していた様でした。良く似たフライを持ち出して、しつこく狙ってみましたが、残念ながらさっぱりでした。私のタックルはすっかり大物狙い専用になってしまっていて、実を言うと1号以下のラインを持っていません。1号の太いティペットで釣っていたため、ラインが丸見えの様子でした。
そして、この日の夕方は写真上のtomyさんと同じ堰堤で並んで釣りましたが、なんと彼は一発で33cmほどのイワナをフライでヒットさせてしまいました。使っていたフライは普通のカディスの様でしたが、次々にアタリが出て忙しいくらいでした。はて、私のフライの使い方は、一体なんだったんでしょう? やはり餅は餅屋なんでしょうか。でもま、こうやって仲間と同じ堰堤で釣るのは、一人で釣っているよりもずっと楽しいものです。結局、この夕方は、私はノーフィッシュでしたが、まぁ、一向に構わないのです。
この堰堤の下には地元の餌釣り師がやってきて、写真上の35cmもある立派なイワナを釣り上げていました。なんでもここ1〜2年、随分と魚影が濃くなり、このくらいのサイズも時折、釣れる様になったらしいのです。今、まさに渓流釣りはトップシーズンを迎えています。渇水の始まる7月初までの約1ヶ月、釣り人も少なく魚影の濃くなったフィールドを、全力疾走で駆け抜けて行きたいと思っています。
【今回使用のタックル】 Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号、自作Kルアー5cm緑、改造MM-Minnow48Sハヤ、Wavy5S、他 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||