2002年も無事、渓流釣りの解禁を迎えました。毎年、解禁当初は「堰堤プールのルアーフィッシング」で楽しんでいます。今年の解禁日3月1日は金曜だったため、今回も有給休暇を頂き、1年の始まりを楽しんできました。2〜3年前から釣りブームも下火となり、釣り人はどんどん減り続けてきましたが、今年もその傾向には歯止めが掛かっていない様子で、反比例して魚影は濃くなるばかりの様です。解禁初日から、数年ぶりに実に楽しい思いをさせて頂く事が出来ました。(下写真は自作Kルアー5cm緑に来た、やや細めのイワナ36cm) ![]() 【3月1日(金)】 毎年この時期に発表する水況情報/積雪情報によると、今年はどうやらサンデーアングラーには嬉しい状況になりそうです。金・土・日曜にお天気が良くなるパターンの様なのです。今年の解禁日の3月1日金曜も、ご覧の様なとても良いお天気で、山間部にも関わらず、釣り場に到着した午前11時ころには気温が10℃に上がるほどでした。水温は4℃弱でしたが、写真下中央のように、しっかりと雪代が出始めていました。この時期にこんな感じの雪代が出るのは非常に珍しく、今年は春の訪れが1ヶ月近くも早くなりそうです。
そして釣り場に着いてすぐにトンでもないものを発見してしまいました。上右の写真は何だかお解かりですか? 3月1日の解禁日なのに、数日前のものとしか考えられない、どう見ても釣りをしたとしか考えられない無数の足跡です。そう、このあたりは結構、解禁前の密漁が多いのです。法律を破ってまで、魚を釣りたいのでしょうか。密漁がそんなに楽しいのでしょうか。さて、毎年、真っ先に訪れる堰堤プールはいつもだいたい決まっています。いつも同じ堰堤で同じアングルで写真を撮り続けてきましたので、過去4年分の同じ部分の積雪を比較できるように、写真を並べてみました。
左から新しい年順となっていますが、昨年・一昨年の雪がかなり多いのが良くわかります。今年は3年前よりは多く、ここ2年ほどの豪雪よりはかなり少なくなっている様です。ただ、多い少ないと言っても、毎年大して変わりませんね。今年も河原に降りると、自力では殆ど這い上がれないほどの残雪に、渓は埋め尽くされていました。 そして、釣り始めたのはもうお昼の12時ころでした。この時期の釣りは水温の上がる10時〜3時ころまでしか釣りになりません。解禁初日は大物も期待できるため、最も活性の上がる12時ころが狙い目なのですが、なにせ解禁日ですから、先に人に入られてしまったらそれでおしまいです。タイミングが実に難しいのです。
幸いにも釣り人は誰もおらず、しかも雪代が入り始めて濁っており、ルアー釣りには最高の条件でした。まずは自作のKルアー5cm緑で釣り初め、2投目でヒットしたのが写真上左の28cmのちょっと細めのイワナ君です。小ぶりではあったのですが、やはり今シーズンの初物は嬉しいもの。残雪の上でじっくりと写真を撮影し、場が荒れない様に堰堤プールのインレット上流へと返してやりました。そして、続いてすぐにヒットしたのは、写真上中央・右の36cm。今年はどうやら幸先が良い様です。 ![]() 殆ど間髪を入れずに同じルアーでヒットしてきたのは、薄い雪代で透明度が低い良い条件だったからでしょう。そして、ほどなくしてMM-Minnow48Sにヒットしたのが、写真上の38cm。ほとんど連続してヒットしてきた良型に、思わずほくそえんでしまう私の姿が、そこには有りました。思い起こせば、ここ数年、釣り人の増加で散々でしたが、97年39.5cm、98年44.5cm、99年30cm、2000年24cm、2001年36cm、2002年38cmと、まるで釣り人口の増減をそのまま表した様な解禁日の釣果となっているのが、なんだかとても面白いですね。一通り釣ったころ、写真下右の餌釣り師が、やおら入渓してきました。おっと、危ない危ない、どうやら間一髪だった様です。
ところで写真上の38cmをヒットさせたMM-Minnow48Sですが、実はちょっとした工夫がしてあります。実を言うと、私の大好きなWavy50Sが、最近は生産減でほとんど手に入りません。これまで最も良く使っていたゴースト鮎カラー(16AJ)に至っては、ついに廃版になってしまった様です。そのため、最近は普通の安いミノーに2〜6号程度のカミツブシ錘を、熱で焼いて、ミノーの後部から1/4程度の所に埋め込んで使っています。また、全体を緑の油性マジックで塗装し、ヒット率を上げています。Wavyを多用した理由は、その色と、アクションの派手さと、重さから来る飛距離でしたが、この方法で色と飛距離だけはWavyに近いものが出来上がります。
その後もう1尾のイワナを釣り上げ、別の堰堤プールへ移動する途中、寒河江C&R区間でおなじみの朝日山の家に立ち寄ってみました。ご覧の様に残雪は多いものの、やはり昨年・一昨年よりは幾分少ない様子で、今年はこのあたりにも春の訪れが早そうな予感がしました。それにしても寒河江C&R区間は有名ですね。この日は金曜にも関わらず、朝日山の家前の釣り場には、フライマンが数名、がっちりと張り付いていました。 この日最後に訪れた釣り場も、解禁日に決まって入る堰堤プール(写真下)でした。こちらは付近に釣り人らしき足跡は全く見られず、どうやら私が最初の入渓者だった様子。ここでも25cmほどのかわいいイワナ君がKルアーにヒットしてくれ、やはり魚影の濃さを伺わせました。下中央の写真はそのイワナ君をモデルに、昨年と今年の山形県内水面共通遊漁承認証を撮影したものです。解禁前に釣りをすることなどもっての外ですが、やはり皆さん、遊漁証だけはちゃんと購入して、釣りを楽しんで下さいね。
【3月2日(土)】 翌2日は、初日とはうってかわって吹雪模様の1日でした。幸いにも気温は意外に高く、釣り場に到着した11時ころには6℃ほどもあり、それほど寒さは感じません。ただ、水温は2℃と昨日よりだいぶ低く、ルアーに反応するギリギリの温度だった様です。加えて、この日は気温が下がった分、雪代がほとんど出ておらず、非常に透明度の高い状態でした。おまけに、昨日も出会った同じ餌釣り師がプールのインレットに陣取っており、なんとまぁ、最悪の条件としか言い様が有りません。
上写真の餌釣り師に声を掛けてみたところ、やはり何も釣れておらず、「きのうは35cmが釣れだんだども、今日はピクリともしねぇ」との答えが返ってきてしまいました。インレットは諦めざるを得ませんが、得てしてこういう水温の低い日は、プールの一番深いところに魚が溜まっているものです。なぜなら水は4℃で最も比重が高く(重く)なるため、こういった条件では、表層が2℃、深い所が4℃となり、少しでも暖かい深い所に魚たちが集まりやすいのです。このプールは写真上左の堰堤脇の部分が最も深くなっています。ここをKルアーの5cm緑など、重くて良く飛ぶルアーを投げ込むことで、底に溜まっているイワナたちを狙い打ちすることにしました。
この作戦が見事に功を奏し、1投目から次々と連続して良型のイワナがヒットし始め、尺上3尾を含む良く太ったイワナばかり11尾が、ほんの2時間ほどの間に連続ヒット。すぐ横で釣っていた餌釣り師のおじさんは、まるで魔法でも見ている様な感じだったのでしょうか、目を白黒させて驚いていました。ただ今回は、たまたま気温が一番上昇する時間帯にぴったりとタイミングが合っていた様子で、冷たい風が吹き始めた午後2時ころには、ピタリと当たりが無くなってしまいました。
恐らくこの堰堤にも40cm前後の大物が入っていたハズなのですが、先に餌釣り師がインレットに陣取っていたため、透明度の高さとあいまって、尺ちょっとまでの比較的警戒心の弱いイワナばかりがヒットしたものと思われました。しかしそれにしても驚きですね。昨年の解禁日には、このプールでは小さなイワナが追いかけてきただけで何も釣れなかったのです。なのに今年はこんな悪条件もそっちのけで、バカスカ釣れてしまったのです。やはり今年は、昨年以上に、大いに期待してよさそうですね。 さて、こうして2002年の渓流釣りも無事解禁を迎える事ができました。まだまだ渓は残雪で一杯ですが、渓畔の木々の芽は既に赤く染まり、春の足音は確実に近づいて来ています。イワナたちはこんな深い残雪の中でも元気に活動しています。やがて来るであろう陽春の季節に思いを馳せながら、冷たい風の中にも、とても暖かい気持ちで、釣り場をあとにしました。 ![]() 【今回使用のタックル】 Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、自作Kルアー5cm緑、同7cm緑、改造MM-Minnow48Sハヤ、Luna47Sヤマメ、Wavy50S緑 |