お盆の連休の後半は、渡辺渓遊会会長と二人で、下流に堰堤プールの全く無い渓流の源流部に出かけました。堰堤プールの魚たちは一体どうしているのでしょう?、下流にプールの有る渓流と無い渓流を比較してみることで、その答えを見つけられるかも知れないと思ったからです。しかしながら、正直言って、今回入った渓流は殆ど何も釣れませんでした。申し訳ありませんので、オマケで最近の堰堤プールの釣りの釣果についてもお伝えします。 この日入った渓流は、「山形渓遊会夏季釣行(1)、8月10日」でお伝えした渓流のすぐ隣りにある渓流でした。8月10日に入った渓流の下流部には巨大な堰堤プールがあり、その源流部には相当な大物も含めてかなり濃い魚影を確認できました。今回入った渓流の下流には堰堤プールは全くありません。魚影や魚達の形態には、はたして差が有るのでしょうか? この渓流には車止めから15分ほど歩いた所に、ご覧の様な結構大きな滝があります。まずはこの滝壷で釣ってみました。
今回は渡辺会長のルアーの練習を兼ねていて、二人とも最初からルアーフィッシングに徹しました。前回の渓遊会夏季釣行ですっかりルアーフィッシングにハマってしまった会長は、その後もルアーロッドを新たに購入したりと、まるで餌釣りを忘れてしまったかの様です。そして今回の釣行の直前の15日には新潟県内の某源流で41cmと38cmのイワナを釣り上げていました。更に今釣行の翌週の8月26日には、な、なんと!、49cmの丸太イワナを釣り上げてしまったそうなのです。(今年、私はまだ46cm止まり。またまた弟子に負けてしまった!)
さて、お話を元に戻しましょう。この滝壷では、1度だけ35cmオーバーかと見える、大物もトレースして来たものの、お昼ごろから釣り始めたことも有って、魚は見えどもサッパリ鉤ガカリしてくれません。尺前後を含めて、そこそこの魚影は見られはしたのですが、結局、私が上の写真の25cmほどの痩せたイワナを2尾釣り上げただけ。会長には残念ながらノーバイトでした。やはり車止めから15分程度の釣り場では、相当な釣り人が入っていて「釣れただけマシ」と考えるのが妥当でしょう。 その後、上写真の様に滝の上流を1時間ほども釣り上がりましたが、まるで魚影すらみえません。不思議なのは、滝の高さは2m程度しかなく、多少の制限は加えられるものの、魚の行き来にはそれほど支障は無いはずなのです。なのに、滝のすぐ上流から1時間も歩いたところまで魚影が皆無なのです。途中から渡辺会長が餌釣りにチェンジしましたが、それでも全くのダメ。小さな魚のトレースすら全く見えませんでした。結局、この渓流全体として魚影は極端に薄く、大物の気配も感じられる事無く、早々に下山しました。 ほんの僅かな釣行回数で結論が出るはずも有りませんが、どうも堰堤上のプールが魚たちを温存し、上流部の渓流の魚影を保っているのではないかと思えてなりません。大きな堰堤プールでは、私の様なフローターなどを持ち込んでの釣り以外、まず釣りになりません。プールに溜まった数百・数千尾のイワナ達が、源流部へ移動しては釣り人たちを楽しませてくれている可能性があるのではないでしょうか。
そして、余りにも寂しいので、最後は下流部にある堰堤の上下のプールを会長と二人で拾い釣りして歩きました。写真下左の巨大なスリット型堰堤の下のプールで、ようやく会長にも25cmほどのイワナがミノーにヒット。写真下右の堰堤では私も小さなイワナをヒットし、二人ともなんとかボ*ズ逃れができて、メデタシメデタシ。 しかしなんなんでしょうね、この巨大なスリット型堰堤は。堰堤の下流部に縦横50mほどもある大きな四角いプールが作られていて、その高さは約4m。ご丁寧に魚道が付けられてはいるのですが、流木に埋もれてほとんど機能していません。なんのためにスリット型堰堤にしたのでしょう? スリットを川床の高さまで入れ、下のプールなど作らず上下流を直結しておけば、魚の行き来も可能ですし工事費用も随分と安く済んだでしょう。なんのためのスリットなのか、これではまるで意味が有りません。数年前から「環境に配慮」する公共事業になったハズなのですが、まだまだ!ですね。 【オマケです】 さて、夏休みは猛暑を逃れるためにもやはり源流釣行が楽しいのですが、スキを見ては堰堤プールのルアー釣りにも出かけています。猛暑で渇水してはいるのですが、県内には沢山の堰堤プールが有り、真夏でも渇水しないプールが幾らかは存在します。そういうプールを探しては、釣りを楽しんでいる訳です。これまでのレポートでも「今年は良く釣れる」ことを強調していますが、この渇水の猛暑の下でも、ちゃんと40cmオーバーのイワナが釣れています。 実は、この日は仕事の有る日(平日)でした。私は営業で山形県米沢地区を回っていますが、ちょいと足を伸ばせば近くに幾らでも釣り場があります。前日の仕事が終わった後、早めに夕食を取り21時ころまでに寝てしまえば、夜明けの朝4時頃から7時半頃までは近場での釣りが楽しめます。或いは夏至の前後であれば、仕事が終わってからも1時間程度の釣りを楽しめる日もあります。大都市近郊にお住まいの人から見れば、誠に天国の様な環境にいる訳ですね。そして、この仕事の前後の釣りを「チョイ釣り」と称して、仕事に差し支えの無い範囲で、年に数回を楽しんでいます。 この日、この堰堤プールも渇水の影響は免れ得ず、水位はかなり下がってはいました。しかし或る程度の大きさのプールが残ってさえいれば魚はいます。お馴染みのWavy50Sアユを投げつづけると、やがて42cmの立派なイワナがヒットしてきました。下アゴが上アゴに食い込む様な独特の精悍な顔付きのイワナでした。恐らく上流の渓流で育ったツワモノなのでしょう、体にはなぜか細かな傷が沢山あり、写真を手早く撮影した後は、同じプールに返してやりました。 この日は他にも尺オーバーを5尾、全部で20尾と「チョイ釣り」にしては上出来です。いつもいつもこんな風に釣れる訳ではもちろん有りませんが、まぁ、朝の僅かな時間を楽しんでいる訳ですので、釣れた日は素直に喜びましょう。ただ、この時期の水温は非常に高く、朝夕のごく短い時間しか釣りにならないのが普通です。この日も釣れたのは朝6時ころからの1時間半ほどだけ。仕事が無くて1日中釣っていたとしても、こういう堰堤ではいずれにせよ、これ以上は釣れないのですね。 さて、野草の世界もすっかりと秋の花が目立ってきています。歩く道辺にも秋のキノコが元気です。もうすぐ9月。渓流釣りのシーズンも残り僅かとなって、野山を歩くたびに寂しさのつのる季節となってきました。あと一月、みなさん、頑張りましょうね。
【今回使用のタックル】 Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、Wavy5S鮎(AJ)、SugarDeep50SP、Athlete55S鮎、他 |