オフレポート

第19回 福島オフ 2001年6月9-10日



今年も恒例の春の福島オフに参加してきました。もともと他の地区に比べると良く釣れる裏磐梯の各渓ですが、このところの釣り不況・釣り人の減少のお陰か、イワナもヤマメもこれまでにないほどの数と型を見ることができました。オフ主催者の「大」さん言う「クレージーライズ」の状態にも巡り合え、最後には40cm近い大物の姿まで見ることができ、これまでのオフには見られなかった釣れっぷりの2日間でした。




福島オフも今回で19回目。当初は6〜7人でスタートしたこのオフ会も、年々人が増加するばかりです。しかし、それに反比例するように、釣果のほうは寂しくなって行くばかりでした。もちろんオフの参加人数が増えたことと、釣果が寂しくなったこととは、何の関係もありません。92年当時に開催された会津での第一回目のオフでは、会場近くのどの渓流でも尺前後の渓魚が普通に見られたものでした。しかし92年と言えば、バブル崩壊後の、まさに平成の大不況の始まりでした。


大不況とリストラの波が押し寄せたとき、高級ホテルに宿泊しながらゴルフ場で遊興していた人達は、突然、安上がりなキャンプと釣りへ遊びの対象をシフトし始めたと言う訳です。にわか釣り師の激増は、渓魚をことごとく虐殺し、河原はゴミだらけになって行きました。そして福島オフでもその影響は防ぎきれず、釣り人口のピークを迎えた95〜97年ころは、会場を比較的渓魚の豊富な裏磐梯へと変更したものの、クレージーライズとは程遠い状態が続いていました。

トキワハゼ(常磐櫨)、タチカメバソウ(立亀葉草)、エゾアジサイ(蝦夷紫陽花)

爆釣の情報はまず、写真左下の紫(ゆかり)さんからメイリングリストを通じて入ってきました。オフ数日前に下見に来た彼女は、ほんの2〜3時間のつもりが、時間を忘れて9時間も釣りまくり、軽く50尾以上もの渓魚を釣り上げてしまいました。もちろん彼女にとってこんなに釣れたのは始めてとのこと。オフ当日はもう十分満足し切ったのか、キャンプ料理のコックさんに専念して頂いてました。


地元の釣り師に聞いてみると「先週までは閑散としていたのに、急に人が増えた」とのこと。前日の金曜に現地入りしたメンバーの情報でも、「ほんとに今日は平日?」と疑問がでるほど。ネット社会は恐ろしいものですね、恐らくメイリングリストの情報が漏れたのでしょう、オフ当日のこの会場付近は凄まじいばかりの人の多さでした。しかしそれでも、魚たちの愛想はすこぶる良く、20名を越える参加メンバーの殆どの人に釣果が見られ、尺ものをゲットした仲間も4人ほどおられた様でした。豊富な渓魚の数にクレージーライズの季節が一致した結果なのでしょうか。

ミズタビラコ(水田平子)、クリンソウ(九輪草)、ラショウモンカズラ(羅生門蔓)

私も近くにあるちょっとした堰堤プールでルアーを投げ、何尾かのイワナをゲットすることができました。フローターも用意したのですが、あまりの人の多さにヒンシュクをかってしまう始末。知らずにフローターを漕ぎ出したら、堰堤の影に釣り人が立っていて後ろからルアーがボチャン。冷や汗ものでした。この日は透明度の高さからあまり釣れはしませんでしたが、トレースしてくる魚影だけは良く見える状態で、その魚の数は昨年よりもまだ多いことが良く判りました。


そしてトドの詰まりが下の写真(中央/右)です。日曜に会場付近に来られたFFFMLメンバーのtomyさんが手にしておられるのは、なんと38cmの良型イワナ。19回を数える福島オフでも、こんな大物を目の前で釣リ上げるシーンを撮影できたのは、全くの始めてです。私もフライで同じポイントを並んで釣りましたが、やはり私はルアーマンなんですねぇ、フライでは全く歯が立たず、最後は皆に嫌われながらルアーをボチャンボチャンとやってしまいました。


それにしても今年はこういった爆釣のレポートばかりを書いている様な気がします。堰堤プールでも、ダム湖でも、源流でも、普通の渓流ですら、とんでもなく良く釣れています。掲示板などの仲間からの報告も、新潟のHaruさんの49cmを筆頭に、40cmオーバーが本当に目白押しです。私自身がこの2ヶ月ほどに釣り上げた尺オーバーは実に30尾以上、40cmオーバーも4尾釣れており、これは2〜3年前であれば、既に1年分以上の釣果に相当します。

ムシトリナデシコ(虫捕撫子)、オランダミミナグサ(和蘭耳菜草)、ヒロハコンロンソウ(広葉崑崙草)

しかしこんな情況はいつまで続くのでしょうか。幸せが続くと人はやがて訪れてくる不幸を恐れるものです。でもご安心下さい。恐らくこの情況は数年は続くものと見ています。釣り人口が再び爆発的に増えない限り、この情況は続くでしょう。なぜなら、90年のバブル崩壊前の数年間も、今と同じかそれ以上に、とても良く釣れていた時代があったからです。いや、実をいうと、この状態こそが、渓流釣りの本来の姿なんですね。渓流釣りというのは、とても良く釣れて本当に楽しいものなんですね。本当ですよ、信じて下さいネ。


さて、本来のオフのレポートですが、こちらは数年間、延々と殆ど同じことが繰り返されています。明るいうちは思い々々のポイントで釣りを楽しみ、日が落ちるとやおら集まってきては宴会の始まりです。でも、今年は少しだけですが、様子の違う場面もみられました。昨年までは昼間っからビールサーバーの売れ行きが良く、夜になるころには空っぽになっていたりしたものですが、今年は釣れすぎてサーバーを持ったメンバーが真っ暗になるまで帰って来ず、ビールのお預けを喰らってしまいました。


それと、あまりにも良く釣れるため、ここ数年は控えていたイワナ料理を復活させました。写真上中央は尺足らずのイワナ2尾と長ネギですが、これに味噌だけを加えて、久し振りにとっても美味しいイワナ汁を頂くことができました。渓魚のキャッチアンドリリースを推奨してはおりますが、やはりキャンプでの僅かながらのお恵みは、それはそれはありがたいものですね。でも、ここをご覧の皆さんには、くれぐれも無駄に魚たちを殺す様なことだけはお止め下さいと、切にお願いをしておきます。



翌朝もいつもと変わらぬ風景です。みなで朝食を作り、お腹が一杯になったら、やがてキャスティング教室の始まりです。今回も夜遅く(と言うよりも朝早くまで)宴会が続いていた様で、みなさん日が高くなってから起き出しました。どうやら前の日にとっても良く釣れたため、日曜の朝はもう釣りは十分と言う人も多かった様です。そして、今回の福島オフでも、様々な景色や野草花の写真を多数撮影する事が出来ました。すでに写真館に何点かの壁紙画像を追加しています。ぜひお楽しみ下さい。

ヤマエンゴサク(山延胡索)

今回参加されたメンバーです。22名+1匹でした。皆さん、また秋の福島オフでお会いしましょう。


【今回使用のタックル】
Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽グランドマックス1号(6lb)、Wavy5S鮎(AJ)、MM.Minnow48S、SaurusRexDeep、他