予想通りに、今年は本当に良く釣れています。渓流もダム湖も藪沢も、そして、堰堤プールでも、ここ2〜3年見られ無かった様な釣れっぷりです。そんな情況の中、昨年は殆ど魚影の見られなかった堰堤プールで、3年ぶりの大釣りを体験してしまいました。たった2時間半ほどの間に、信じられない様な大物が連続ヒットし、まるで数年分の釣果を得た気分です。実はこの日、福島県喜多方市の「よーちん」さん(サイト:「YOOCHIN WORLD」)のオフ会があり、この爆釣騒ぎはその移動途中の出来事でした。後半にはこの「よーちんオフ」の模様も少しだけレポートします。 今年はとにかくどこへ行っても魚の密度が濃い様です。今年の解禁当初は残雪が多く、4月中頃まではあまりパッとしませんでしたが、残雪で封じ込められていた各地の釣り場が解放され始めると「釣れた釣れた」の話題があちこちから聞こえ始めました。実は釣り人口が大幅に減り始めた2年前から魚影回復の兆しは有ったのですが、それがはっきりとしてきたのは昨年の夏以降です。更に今年は、回復した魚影の中で、釣られずに大きく育ったイワナやヤマメの大物が数多く見られ始めているはずです。今回の堰堤プールの釣りもそんな情況を思わせる結果でした。 実はこの日、「よーちんオフ」に参加するための移動中でしたが、ちょっと気になる堰堤が有ったため、寄り道をしたものでした。この堰堤ですが、昨年の5月・6月の釣行時には魚影が全く見られませんでした。しかし昨年7月に、この地域にも寒気による大気の乱れからくる夕立が相次ぎ、お盆休み後の釣行時には、45cmクラスのイワナの魚影を確認しています。夕立による鉄砲水が源流部のイワナを下流へ押し流し、堰堤プールに魚たちを集めていたのです。そしてこの堰堤のその後の情況が気になって仕方なく、よーちんオフの行き掛けの駄賃にと、ついついこの堰堤プールに足が向いてしまいました。 最近の私には珍しく、朝一番に目的の堰堤プールに到着し、釣り始めたのはAM6時頃でした。しかし釣り始めてちょっとガッカリしました。魚の集まっていそうな場所にいくらルアーを投げても全く魚影が見られないのです。水温を見ると3.5℃と意外にも低く、まだ活性が上がっていない様子でした。昨年中に魚影が戻っていた事は確実ですので、諦めずにあちこちとルアーを投げ続け、何の反応も無いまま1時間ほど経ったとき、写真上右の尺ちょうどの丸々と太ったイワナが1尾、やっとのことでヒットしてくれました。天気は晴れ。日が差し込み始めて、水温は4.5℃と急上昇していました。 そして更に30分ほど経過した午前7時半頃、先ほどまで何度もルアーを投げ何の反応もなかったポイントで、上の写真の見事な大物が突然ヒット。今年はすでに45cmクラスを2尾もバラしていますので、ここは何が何でも取り込まなければなりません。幸いにもラインは今回からちょっと高価だが強度抜群のGrandMax1号にしています。思いっきり大きく「追い合わせ」を行い、ガッチリとフックアップ完了。あとは強引に巻き取ってネットに納めるだけ。そして、やっとのことで、今年第一号の45cmオーバーをゲットすることができました。ネットに魚を入れたまま、大慌てで岸に上がり、岸辺で計測してみると46cmをちょっと上回る大きさ。大満足の1尾でした。
ところが今回の堰堤はこれだけでは終わりませんでした。大物の写真を撮影してリリースし、同じポイントに戻ってルアーを投げると、またすぐに36cmの、それもまるで小錦の様に丸々と太ったパワフルそのもののイワナがヒットしてきました。それにしても、本当に不思議です。先程まで何度もルアーを投げ続けていて、まるで反応の無かった同じ場所で、その後も次々と良型のイワナがヒットし続けたのです。何尾か釣り上げると反応が鈍くはなるのですが、ルアーの種類を変えてやると、また連続してヒットしてきます。その数たるや2時間半で15尾。サイズは以下の通り、尺以下はたった2尾だけでした。 この堰堤プールはとても大きく周囲はブッシュに囲まれているのですが、イワナがヒットした場所は写真下のワンドの奥にあったブッシュの付近だけでした。幅はほんの30mほど、緩やかな駆け上がりになっていて岸辺にはご覧の様な朽ちた木や水没した低木が並んでいます。流れはほんの僅か、この付近だけ濁りは無く、正に「煙幕理論」そのもののポイントでした。これらのブッシュから1m以内にギリギリにルアーを着水させ、少し沈めてから、ピシッ、ピシッ、と強めのトゥィッチングを加えてやりながらゆっくりとリーリングしてくると、少し泳がせたところで「ガッ」っと強烈な当たりが出ました。フローター無しでは釣りにならないポイントでした。 使用したルアーは全て5cm前後のミノーで、写真下左から、M.M.Minnow48S、おなじみWavy50S-AJ、RexDeep50Fです。こういった堰堤プールでは、なぜか魚たちは水深1〜2mの比較的浅いところを回遊している様ですが、それでもあまり表層には反応してくれず、やはりシンキングやディープダイバーのミノーに部がある様です。いずれのルアーもポイントの端から端まで間隔を置いて投げ続け、アタリが遠のいてきたらミノーをローテーションすることで、また同じ様に釣れ続けました。 今回の釣行では、最初の1時間は全く反応が無かったにも関わらず、午前7時半から突然釣れ始め10時頃までイワナがヒットし続けました。この現象もとても不思議でした。この時期の堰堤プールの釣りでは、通常ならば1日中まんべんなく釣れ続けるのが普通です。色々と理由を考えてみましたが、どうやら前々日夜から前日朝まで降り続いた強い雨がその原因ではないかという気がしています。源流部に山の様な残雪を抱えたこの堰堤プールでは、雨で非常に冷たい雪融け水が流入してきます。いきおい魚たちは一時的に活性を著しく失い、あらゆる餌に反応しなくなるのではないかと考えられました。 しかしもっと不可解なのは、水温が低いにも関わらず、10時を過ぎるとピタリと釣れなくなってしまったことでした。非常に良いお天気だったため、明るくなり過ぎてラインやルアーが見破られてしまう情況になったのではないかとは思うのですが、他の堰堤プールでは同様の条件下でも、この時期は夕方までポツポツと釣れ続けるのが普通だったからです。そしてその不可解さを確かめるため、実はよーちんオフの終了後の日曜日の夕方に、同じこの堰堤プールに再び立ち寄ってみたのです。 この日は比較的透明度が高く、魚がプール全体に散らばってしまったのでしょうか。それとも単に午前中でお食事タイムが終わってしまっていたのでしょうか。そこでは案の定、下の写真の小さなヤマメが3尾釣れただけで、大イワナの魚影は全く見られませんでした。まるでルアーにからみつく様に沢山のイワナがみられた同じプールの同じポイントで、時間を違えると、まるで魚がいないかの様な状態になってしまうのです。うーーん、それにしてもお魚さんの気持ちがまだまだ理解できません。当分の間、堰堤プールのルアーフィッシングの研究からは逃れられそうもありませんね。いつになったら卒業させてもらえるのでしょうか。 【今回使用のタックル】 Wellner8ftTroutRod、シマノBioMasterXT2000、呉羽グランドマックス1号(6lb)、Wavy5S鮎(AJ)、MM.Minnow48S、SaurusRexDeep、他 【よーちんオフ】 最近は釣り仲間でホームページを持つ人が増え、このところいわゆるオフ会の目白押しです。今回のオフの主催者である「よーちん」さんは写真下左のご覧の様な女性です。「YOOCHIN WORLD」という「釣りとペット」のホームページを運営されていて、その一環として今回のオフを企画されたという訳です。参加者は13名でしたが、その中には写真下右のプロフライタイヤーの名児耶浩史さんを始め、そうそうたるメンバーが揃っておられました。 オフそのものの内容は、いずれの場合とも殆ど変わりはありません。ひがな釣りをして、夜は釣り談義に宴会です。いつもとちょっと違っていたのは、さすが女性のオフだからでしょうか、食べ過ぎるほどのご馳走が溢れていたことでした。今回も私は全く釣りはせず、もっぱら呑んで喰って喋りまくるばかりでしたが、さすがに食べ過ぎてしまって少々苦しい思いをしてしまいました。釣りの方はと言えば、会場横の渓流や近くの渓流で皆さんそこそこの釣果が見られた様でした。なにせ、朝からこの人数が入れ替わり立ち替わりフライを打ち込んでいたのですが、それでも魚が釣れた様ですから、大したものですね。 |