ミニオフレポート

銀山湖のレイクトローリング 2001年5月12日-13日



今年も銀山湖(新潟県奥只見湖)のレイクトローリングに挑戦してきました。昨年始めて経験したこの釣りですが、そのスケールの大きさにすっかり魅了され、誘われるがままに今年も出かけてしまいました。今回もお誘い頂いたのは、当HPの掲示板に来て頂いている新潟県三条市の斎藤さん。2日間、楽しい時間を本当にありがとうございました。本当は「今年こそは大物を!」と、釣り道具全てを新調して勇んで出かけたのですが、今回も、結局は斎藤さんに釣らせて頂く結果になってしまいました。




【宿は荒沢ヒュッテ】  新潟県銀山湖は超大物のイワナやサクラマスのレイクトローリングで有名です。渓流のルアーマンなら一度は訪れてみたい、憧れのポンドでしょう。昨年は6月末(Report:「初めてのレイクトローリング」)にお誘いを受け、40cmのイワナをトローリングで釣り上げています。普通の渓流の釣果ならば40cmと言えば立派な大物。しかしここ銀山湖では毎日何尾も釣れる「小物」です。今年は4月21日に解禁となっていますが、荒沢ヒュッテのフィッシングダービーでは、既に60cmオーバーのイワナ・サクラマスが釣れています。このサイズはもう、普通の渓流や堰堤では不可能です。銀山湖に出かけるしかありません。


今年も宿泊先は荒沢ヒュッテにとりました。その60cmオーバーの超大物が、宿の前にある巨大な水槽(写真下中央)の中で、ところ狭しと泳いでいます。昨年もそうでしたが、この水槽の大物を見てしまうと嫌がおうにも闘志が湧いてくるものです。ここ銀山湖でも、数年前には茶パツの若者やアベックが釣りに来ていたそうですが、最近は本当に釣りの好きな常連さんだけとなっているらしく、釣り人口が減った分、今年は早期から大物がとても良く釣れている様です。


【レイクトローリング】  釣り方については昨年のレポートでかなり詳しく紹介していますので、ぜひそちらもご参照下さい。また、詳しい解説書も発行されていますので、実際に釣りに出かけられる人は、ぜひご購入をお勧めします。昨年は斎藤さんに全ての道具類をお借りし、かろうじてルアーだけ自前のものを持参して釣りました。しかし今年は準備期間が十分に有ったため、ロッド・リール・レッドコアライン・ドジャー(反射板)・ルアーなど、ほぼ全てを自前で用意して臨みました。ボートの免許だけはどうしようもなく、これだけは斎藤さんにお世話になりました。


山形市に住む私が銀山湖まで出かけられるのは、せいぜい年に1〜2度だけです。そのため安物を選んで購入した訳ですが、驚いたことに上記の道具全てで12000円程度でそろってしまいました。昨年はKルアー5cmを水の抵抗の少なくなる様にベンドを伸ばして使いました。今回は6cmのKルアーを同様に加工したものと、写真下の蛍光ピンクのタスマニアンデビル・Wavyなどのミノーを用意しました。このタスマニアンデビル(蛍光ピンク又は蛍光グリーン)ですが、普通のルアー釣りではまず使い物になりません。しかしここ銀山湖では最もポピュラーな、しかも大物の実績の最も高いルアーとなっている様です。


ちなみに、銀山湖ではレイクトローリングが全てではありません。主に若い人たちは、エンジン付ボートでこまめにポイント移動しながら、ミノーやスプーンをキャスティング(写真下左・中央)していました。日曜にはミノーのキャスティングだけで3人で50尾(40cmオーバーは6尾)も釣り上げたグループが有った様です。我々も場所によってはキャスティングも併用して釣りました。また、雪代の強い時期に限り、餌釣り師たち(写真下右)も沢山姿を見せる様です。ボートを長いロープで係留し、ウキを使った餌釣りで数釣りを楽しんでいる様でした。


【5月12日】  しかし今年は良いお天気が続きますね。雪の多かった日本海側ではさして問題にはなりませんが、降雪の少なかった地域では、すでにかなりな渇水状態となっている様です。もしこの状態が今後も続くと、恐らく今夏は深刻な水不足や農作物への悪影響が心配されます。私自身は気温は6月〜8月まで寒冷な状態になると予想していますが、予想が当たることを祈るばかりです。そして今回の銀山釣行でも、土曜・日曜ともに雲一つない快晴に恵まれ(?)ました。


ご覧の様に、今回撮影した風景写真は全てが見事にクリアな青空ばかりです。写真の趣味のある私にとっては、これはこれでとても有り難かったのですが、実は釣りをするにはあまり良い条件とは言えません。水温の低い(4℃以下)時期であれば、暖かい日差しはむしろ魚の活性を上げてくれるものですが、今回の様に6℃〜ダムサイト近くでは12℃もある日は、やはり明るすぎて朝夕のマズメ以外はほとんど釣りになりません。水面下は非常に明るく、ラインやルアーを魚に見切られてしまうからです。


ときおりロッドが大きく曲がるものの、竿先には魚の感触は無く、流木やゴミがルアーに引っ掛かっただけでした。途中、キャスティングで魚が何度か追いかけて来るのが見え、大いに期待したものですが、釣れてきたのはご覧の大きなウグイ。斎藤さんも私もここで何尾かのウグイを釣ってお茶を濁してしまいました。なにせ何の反応もないまま時間が過ぎて行くと、ウグイでも釣れれば楽しくなるから不思議です。お昼も舟を降りずに弁当やラーメンで済ませ、ひたすらトローリングとキャスティングを繰り返します。昼間はむしろ暑いくらいで、ボートで呑むビールは最高でした。


そしてもうダメかと諦めかけた3時ころ、私の方のロッドが小刻みに動いてくれました。ピンクのタスマニアンデビルに引っ掛かる様にして釣れてきたのは、下写真のジャスト30cmのサクラマスでした。場所は斎藤さんのお勧めの中ノ岐の出会。結局、この日釣れたトラウトはこの1尾だけでした。宿に戻って他の釣り客の情報を聞いても、不思議と同サイズのサクラマスばかりが釣れており、イワナ・サクラマスとも40cmクラスは各1尾釣れていただけ。ちょっと寂しい日ではありました。その日は寝不足の体にビールが染みて行き、泥の中へ滑り込む様に眠りにつきました。


【5月13日】  翌日の日曜も、ご覧の様なドピーカンの雲一つない青空。これではまたも釣果は望めそうもありません。早朝からトローリングを繰り返すものの、やはり魚の反応は全くありません。無線で他のお客さんの情報を聞いても、まるでダメ。無線の声もそのうち、全く聞こえなくなってしまいました。この日、私は午前中で切り上げて帰路に着かなければなりません。焦っていたそんなとき、別の釣り師がキャスティングで45cmくらいのイワナを釣り上げるのを目撃してしまいました(写真下右)。


私はまだレイクトローリングについて詳しくありませんが、どうも魚たちはごく浅いところにタイトに着いているように思えました。舟から上がって後から聞いた情報ですが、この日、キャスティングで50尾も釣り上げたという釣り人がおられた様です。なにも釣れないままお昼近くになってしまい、もう今日もこれでおしまいかとほとんど諦めていたときでした。最後の最後に、もう一度キャスティングで狙ってみようということになり、斎藤さんのお勧めのポイントへ移動しました。そこはちょっとした川の流れ込むところで、過去に斎藤さんにキャスティングで大きなイワナの実績のあった所です。


しかし驚きました。「もうこれで最後にしましょうか」と言いながら斎藤さんに教えられるままにそのポイントにルアーを投げ込んだ時でした。あと5分早く切り上げていればこの日は全くのボウズでした。正に9回裏逆転の大ホームランです。上写真の41cmの綺麗なイワナがルアーを咥えてくれました。赤い斑点のはっきり見える、源流育ちらしきイワナでした。時間は真っ昼間の12時30分、ルアーはギンピカの6cmほどのジグミノーでした。


しかしこういったミニオフでは、呼ばれる側は気軽に釣れますが、ホスト側は気を使ってばかりで思った様に釣れないものですね。今回の釣果も全て、斎藤さんに良いポイントを譲って頂いたからこそ。大感謝です。今回はあまり条件的に良くない日だった様ですが、それでも2日間で40cmを越えるイワナ・サクラマスを10尾程度も確認しています。ネイティブな超大物を狙うなら、ここに来るしかありません。銀山湖のシーズンは8月中旬ころまで、まだまだ続きます。皆さんも挑戦されてみては如何でしょうか。

【今回使用のタックル】
トローリング:SZM中禅寺湖Special、Alert舟SS、レッドコア(10色)、Kルアー6cm緑(銀山湖Version)、タスマニアンデビル17g蛍光ピンク、チヌーク緑14g、Wavy70S、他
キャスティング:ウエダTroutPluggingSpinGS902H、ミッチェルTroutia730ft、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号/1.5号、Kルアー5cm、Wavy50S/70S鮎(AJ)、Maria15-25gジグ、他