連休釣行レポート(2/3)

山形渓遊会春期釣行 2001年5月1-2日



4月27日から5月6日までの長いゴールデンウィークを利用して、あちこちと釣り歩いてきました。連休釣行のレポートを、3回に分けてお送りしています。第二弾は5月1-2日に開催した山形渓遊会の春期釣行の模様です。源流に近い渓流釣り主体の釣行であり、大物こそ出ませんでしたが、行く先々の渓流でここ数年見られなかった様な魚影の濃さを経験することができました。ゴールデンウィークの真っ只中にも関わらず、少ない釣り人と十分に濃い魚影、そして豊富な山菜の収穫と、久し振りに豊かな渓流を堪能することができました。

1/ダム湖の大物釣り(4月27-28日) 2.山形渓遊会春期釣行(5月1-2日:今回) 3.堰堤の大物釣り(5月4-5日)




【4月30日】  山形渓遊会は業界の釣り好きの集まりのため、実は、宿命とも言える大きな問題が存在します。それは「転勤」です。昨年4月には一人のメンバーが青森へ転勤となったのですが、自宅が山形のため渓遊会釣行には大きな影響はありませんでした。しかし昨年10月には、もう一人のメンバーが岐阜県へ転勤となり、今後は4人一緒の釣行は無理ではないかと思われました。しかし何度も一緒に釣行を重ねたメンバー同士、なんとかならないかと思案した末、岐阜と山形の中間地点で渓遊会釣行を開催することにしました。今回は新潟県上越地方まで、遠征釣行となった訳です。


しかし実の所、私自身はこの遠征釣行にあまり気乗りがしませんでした。上越地方の渓流へは関西に住んでいた頃に何度も訪れていたのですが、早川・青海川・小滝川・矢代川など、雑誌などで非常に有名な渓流が多い割には、私自身はあまり良い思いをした事がなかったからです。特にゴールデンウィークのこの時期は、すぐ後ろに2500m級の山が控え、しかも流程のとても短い上越の河川は、上左の写真の様に午後からは手の付けられない様な大増水の濁流になります。つまりこの時期は釣りのできる時間帯がとても短いのです。30日の午後に集合したものの、その日はキャンプ場で本山事務局長との再会を祝う宴会だけでした。


【5月1日】  少しでも濁りの出にくい釣り場を選ぶ必要から、この日は源頭の標高のあまり高くない小規模な渓流を選び入渓することにしました。渡辺会長もこの近辺の情況には詳しく、彼のお勧めで写真の渓流を選びました。ここにはご覧の様にごく小さな堰堤プールがあったため、3人はプールの上流へ、私はプールでルアーフィッシングをまず試してみることにしました。ただ、最近は堰堤プールの釣りが盛んになり、どこの堰堤でも魚影はあまり濃くはありません。ここでもあまり期待はしていませんでした。


しかし、釣り始めてすぐに驚きました。型はとても小さいのですが、ヤマメやイワナがぞろぞろと追いかけてくるのです。20cmちょっとのヤマメを3尾連続ヒットした後、最後は28cmほどのイワナまで釣れました。その後3人のメンバーを追いかけて上流へ行ったのですが、戻って来てからこの堰堤プールでまたルアーを投げると、またぞろ20cm前後のヤマメが3尾ヒット。尺ちょっとぐらいのイワナもルアーにアタックしてきましたが、惜しくもバラし・・・、という具合に小さいながらも随分と魚影が濃いことに驚かされました。


堰堤の上流部へ入った3人にも、型は小さいのですがまずまずの釣果が見られていました。正直言って、殆ど何も釣れないのではないかと不安だったのですが、皆で十分に楽しめる程度の魚影が見られ、一安心。特に渡辺会長の竿は殆ど曲がりっぱなしの状態。お天気も良く、釣り人の形跡も全く感じられないこの小渓流を、お昼頃まで満喫することができました。もっとも私はと言えば、堰堤で釣っただけでそそくさとロッドをリュックに仕舞い込み、ひたすら山菜捕りと野草花の写真撮影に専念しておりました。最近は釣りよりも写真の方が興味が強く、1尾釣れればすぐに満足してしまいます。それにこの時期の源流は、見渡せば山菜の宝庫です。みるみるビニール袋が山菜で一杯になって行きました。


濁りのあまり出ない渓流を選んだものの、それでも午後からは笹濁りが強くなって来たため、昼過ぎにはこの渓を後にしました。翌日も同様に濁りの入りにくそうな別の渓流に入ることとし、その川の車止めにあるキャンプ場まで移動し、早々とメインイベントの宴会の準備に取り掛かりました。時間はまだ午後3時ころ。普通ならこの時間は当然釣りの真っ最中のはずなのですが、いかんせん、午後2時を回ると付近の渓流は全て濁流のメコン川状態なのです。



上の写真はこの日収穫した山菜の数々です。上段左から、シドケ(紅葉傘)・アイコ・タラの芽、下段左から、ワラビ・赤ミズ・ヤマウド・コゴミです。これ以外にもウルイ・イワダラ・ゼンマイなどが豊富に採取できます。渓遊会の規定に従い、釣れた岩魚も1人1尾づつキープさせて頂き、あとは日本酒と焚き火があればもう何も要りません。久し振りに出会った釣友と、深夜まで釣り談義に花が咲きます。これだからこの時期のキャンプ釣行は止められないんですネ!


左から、シドケのお浸し、コゴミのクルミ和え、イワナ汁、コゴミのお浸し、山菜の天婦羅


チロチロと燃える焚き火を囲んでの語らい。これこそがキャンプ釣行の醍醐味である。

【5月2日】  いつもなら、ついつい飲みすぎてしまい、翌朝の目覚めは日が高くなってからとなることが多いものですが、今回はマジメに夜明けとともに目が覚めました。なぜなら今回は午後からの釣りが不可能で、前日は午後4時ころから呑み始めていたからです。そそくさと朝食を取った後は、4人でまだ残雪に埋もれた車道を30分ほど歩いてから釣り始めました。そしてこの小さな渓流でも、予想もしなかった展開にメンバー全員が驚かされることになったのです。


この渓流は、4人で釣り上がるにはちょっと狭いが源流とは決して言えない道路脇の釣り場です。まだ残雪が多く有るとは言え、30分程度の歩きならかなりの釣り人が既に入っているのではないかと覚悟していました。しかし釣り始めてすぐ皆がびっくりしました。ここも型は小さいものの、殆ど入れ食い状態なのです。渡辺会長が最初に竿を出したポイントでは15〜23cmのヤマメとイワナが連続5尾もヒットする始末。その後もここぞと思うポイントで確実に魚が顔を出し、会長も「こんなに魚影の濃いのは数年振り!」と嬉しさを隠し切れない様子。


途中、雪渓に渓流が塞がれていて遡行が困難になりましたが、私と渡辺会長の2人だけで更に上流部へと高巻き入渓しました。私は既にカメラマンに成り切っており、会長一人で全てのポイントを攻めて行きましたが、これがまた幾らでも釣れるのです。あっと言う間に2桁以上の釣果が見られたその釣り上がった距離は、なんと歩いてたったの5分・500mほどしかありませんでした。ただ小物が多い渓流では、先に小さな魚が餌を咥えてしまうためか大物はちっとも釣れてくれません。最大でも28cm程度、数はいくつ釣れたか判りませんが・・・


この様に予想外の展開に驚きながらも、山形渓遊会の春期釣行は無事に終了しました。そして、今は遠く離れてしまった仲間との再開を堅く誓いながら、お別れとなりました。

それにしても今年は渓流もダム湖も、本当に良く釣れています。次回レポートでお届けする堰堤プールの釣りでも、驚くほどの釣果が見られています。こんな展開が本当に予想外だったかと言えば、実はそうでもありません。このあたりを詳しく分析しながら、連休釣行レポート第三弾「堰堤プールの大物釣り」へとお話を進めることに致しましょう。


【今回使用のタックル】

渓流:シマノ TroutOneXT 50TUL-5 (5peace5ft Telescopic PackRod)、ダイワ HiCast GS30 (SpinCast Reel)、呉羽シーガーエース0.8号(4lb)、ブレットン5g金、ベビーミノー2.5g
堰堤:ミッチェルTroutia730ft、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、Kルアー3cm/5cm/緑/赤、Wavy5S鮎(AJ)、他