単独釣行レポート

21世紀解禁釣行はイワナ36cm 2001年3月2日



大雪に見舞われた今年の冬もようやく終盤を迎え、21世紀最初の渓流釣りが解禁しました。毎年、解禁当初は「堰堤プールのルアーフィッシング」で楽しんでいます。ここ数年、堰堤の釣り人口が増える一方で、反比例する様に解禁釣行時の釣果は落ちるばかりでした。しかし、昨年のお盆以降の好調がまだ続いているのか、今年の解禁釣行はちょっと嬉しい獲物がルアーを咥えてくれました。この調子で、今年こそ良い年になることを祈るばかりです。




山形県の渓流釣りの解禁期間は3月1日〜9月30日です。最近は解禁当初に有給を頂くことが多くなり、今年も3月2日に休みを頂いて解禁釣行に挑みました。今年は1月に大雪が降りましたが、2月中旬ころより気温は上向きはじめ、このところ暖かな気候が続いていました。しかし、普段の行いが良くないのでしょうか、2日の寒河江川はご覧の様な吹雪模様でした。(写真下左:月山IC出口付近、中:大井沢付近の寒河江川、右:凍りついた堰堤のプール)


気になる積雪量ですが、当HPの3月1日付の水況予想の通り、大井沢付近でも昨年とほぼ同じ程度であることが判り、一安心しました。下の写真をご覧下さい。昨年の今ごろと今回の釣行時の写真を対比して並べてみました。いずれも殆ど積雪量の変わらないのがお判り頂けるかと思います。昨年は2月中旬以降に大雪が降り始め3月一杯降雪が続いたのですが、今年は昨年の様に遅い降雪は余り無いと思われますので、結果的に雪は早く消えてくれるものと期待しています。もっとも、昨年はここ数年で最も多い積雪量であったことを考えると、今年も例年よりかなり雪代の多い年であることには変わり無さそうです。

左は朝日山の家、いずれも2001年3月2日撮影
左から、2000年3月20日、2000年3月5日、2000年3月5日、右は上の写真の裏から撮影

この日は風がとても強く、しかも雪が湿っていましたので、面白い現象が見られました。2つ目に行った堰堤プールの脇にある雪原で、ご覧の様な「俵雪(たわらゆき)」が沢山見つかりました。これは強い風が雪原を吹き抜ける時、積もったばかりの雪を風がコロコロと転がすことにより、最初は小さな塊がだんだんと大きくなり、10cm〜30cm程度の俵の形をした雪の塊が雪原に多数できるものです。風の強い庄内地方では良く見られるものですが、内陸のしかも狭い谷間ではとても珍しい現象です。


さて、そろそろ肝心の釣りの方にお話を移しましょう。この時期、普通はこんな吹雪の日には釣りにならない筈なのですが、でも一つだけ助かったのは、意外にも気温が高かったことです。たとえ良く晴れた日でも、ルアーロッドのガイドが凍りつくような日は概して釣れないものです。しかし、気温さえ高ければ望みはまだあると言うもの、この日は国道の温度表示が2〜3℃を示しており、わずかな望みを掛けて釣り場に向かいました。


最初の釣り場は、毎年この時期に決まって訪れる堰堤プールです。わざわざ有給休暇を取った甲斐があって、幸いにも雪上の足跡は皆無でした。時間は午後1時過ぎ、気温も一番上がっていて、条件的にはこの日のベストであると考えられました。そして、お馴染みのKルアー5cmをラインに直結し2投目の事でした。カツンという衝撃がロッドに伝わり、21世紀の最初の獲物は、ご覧の様な36cmの綺麗なイワナ君でした。


ところで、最近の解禁釣行の釣果を振り帰ってみると、雑誌に堰堤の釣りを紹介してからと言うもの、毎年釣果は落ちる一方でした。山形県が3月1日に解禁になった96年以降の解禁釣行の釣果は、96年36.5cm、97年39.5cm、98年44.5cm、99年30cm、2000年24cmとなっており、雑誌の影響がいかに大きなものかが伺えます。そんな中、今年は36cmと少し回復した感じがして、思わず釣り場で一人ほくそえんでしまいました。

少し話は代わりますが、このあたりの堰堤では昔から2種類のイワナが釣れてきます。腹部や鰭の先端が鮮やかなオレンジ色の個体と、アメマス系の黒っぽい個体です。恐らくオレンジの個体は天然物か居付きのイワナで、黒っぽい個体は最近放流されたものではないかと思われます。今回の36cmは後者のアメマス系で、ちょっと複雑な気持ちがしたものの、こまめに放流をしてくれている人達がいることが伺え、嬉しい気持ちにもなりました。


その後、あと2つの堰堤を急ぎ足で回り、上の写真の26cm、20cmを追加して解禁釣行は終わりました。最後に釣れた小さなイワナ君の咥えているルアーは、数年前に須賀川のNOMOさん(FFF-MLメンバー、HP:渓魚の独り言)の作製されたもので、重くて良く飛び、かつ動きも良いため、この時期の堰堤の釣りにはとても重宝しているものでした。

さて、こうして山形の渓流釣りシーズンが開幕しましたが、山間部はまだまだ冬の装いの真っ只中です。しかしそんな中にも確実に春の足音は近づいているのでしょうか、分厚い残雪の下から小さな々さなフキノトウが必死で芽を出していたのがとても印象的でした。私自身は比較的、幸先の良いスタートとなりましたが、さて、21世紀の最初の年は、いったいどんなシーズンになるのでしょうか。


【今回使用のタックル】
ミッチェルTroutia730ft、シマノBioMasterXT2000、呉羽シーガーエース1号(6lb)、自作Kルアー5cm緑・6cm緑、MONOルアー4cm銀、Wavy50S鮎、他