単独釣行レポート

ダム湖の釣り 2000年4月15日



今年は時期の遅い豪雪のため林道が閉鎖されたままの所が多く、大物釣りのシーズンを迎えているにも関わらずちっとも思った様な釣りができていません。そんな情況に業を煮やして、今回は雪の少ない新潟県側の渓流に足を伸ばしてみました。しかし、ここでも情況は山形と余り変わらず、結局、某ダム湖で釣る羽目になってしまいました。気温も20℃近くと暖かくなったため、今年初めてのフローターフィッシングを楽しんできました。



寒河江地区など山形県内の渓流は、相変わらず分厚い残雪が残っており、除雪されていない林道の奥の堰堤プールにはアプローチすらできません。残雪の上を歩くのは、足が雪の中へ沈み込むため想像以上に疲れるもので、1kmの徒歩は1kmのマラソンをしている様なものです。若いころならいざ知らず、年には勝てません。

それならと、今回は比較的積雪の少ない新潟県荒川水系へと足を伸ばしてみました。しかし、残雪量は確かに山形よりは少なかったものの、なぜか倒木が激しく、ご覧の様に林道は寸断されていました。特に杉の倒木が非常に目立ち、多くは根元近くからバッキリと割れる様に折れていました。確かに積雪はここ10年で一番多かった筈ではありますが、ここまで酷い情況はちょっと異常です。虫害でもあったのでしょうか。


もちろん、少し奥へ歩いて行くと今度は数十cmの残雪にしっかり覆われていて、ここでも歩く勇気は失せてしまいます。お目当てにしていた3つほどの釣り場のうち、2つは1時間程度の歩きが必要と判断され、結局、諦めました。昨年は同時期に楽々入れたのですが、ま、連休のころには入れることでしょう。

仕方なく3つ目の目的地である某ダム湖に足を向けました。ダム湖は少なくとも管理事務所のある場所までは真冬でも除雪されているものです。しかもこの水系のダム湖は船外機付を含むボートでの釣りが許されています。想像通りに管理事務所から奥へ進むこと1km程で巨大な雪崩に林道が塞がれていましたが、湖面はすぐ下にあります。残雪はあるものの気温は暖かかったため、今年初めてのフローターフィッシングを試みてみました。


塞がれた林道をフローターを担いで10分ほど歩き、下図の(2)のポイントの200mほど下流側から入水しました。そして岸から20m程度の距離を置きながら、ルアーを岸ぎりぎりに投げながら、バックウォーター部へと探って行きます。釣り始めて10分ほどで、まず最初に(2)のポイントで26cmほどのイワナがヒット。続いて(3)のポイントでもほぼ同サイズの同じ様なイワナがヒット。今日も幸先は良いカナと期待しましたが、やはり後が続きません。ダム湖はだだっ広く、堰堤ほど効率良くは釣れないのが普通です。



5月の連休ころまでのダム湖や堰堤は、雪代でバックウォーター部ほど水温が低下するため、案外、下流部のだだっ広いところに魚が集まっているものです。予想はしていたものの、バックウォーターの奥へどんどん進んでも、魚信は全くありません。しかし疲れました。フローターの移動速度は非常に遅いため、奥までほんの2kmほどの距離を1時間半もかかりました。釣り始めがもうお昼過ぎだったため、往復3時間もかけて漕ぎつづけ戻ってきたころにはあたりは薄っすらと暗くなってしまいました。


往復3時間もの間ルアーを投げ続けていたかと言えば、実はそうでもありませんでした。ポカポカ陽気の下でビールを飲みながらプカプカやるのは、実はとっても気持ちの良いものなのです。水温は5℃前後と低いですが、5mm厚のネオプレンウェーダーの下には厳寒期用の防寒ウェアを着込んでいて、寒さはあまり感じません(陸を歩くと汗だくですが)。そして、釣りの神様は最後にちょっとだけ嬉しい贈り物をして下さいました。最後の最後に(1)のポイントまで戻って来たところで38cmのイワナがヒット。諦めかけていた矢先だけに本当に嬉しかったものです。


ところでこのイワナ、良くご覧下さい、堰堤で釣れたものとは若干様子が違うのがお判り頂けますでしょうか。色は銀ピカで白斑点が大きく、顔も幼い感じがします。釣り上げた瞬間に口から公魚らしき死骸を2本吐き出しました。堰堤とは餌の状態などがだいぶ異なる様子で、概ねアメマスの特徴が強く出ています。ただ、釣れた場所は定番のバックウォーター部では無く、先に発表した「煙幕理論」に合致する場所でした。このダム湖はそれ程大きくはなく雪代も豊富なため、煙幕理論が十分に通用している様です。


今年は残雪が多いものの、4月も半ばを迎えると春はもう確実に始まっています。近くの野や畑には、春が小さな花を沢山咲かせていました。写真の幾つかは実はとても小さい花なのですが、最近入手したマクロレンズを使用して撮影してみました。何点かを写真館に壁紙用として掲載します。お楽しみ下さい。


【今回のタックル】ミッチェルTroutia730ft、シマノBioMasterXT1000、呉羽グランドマックス1号(6lb)、Kルアー6cm緑、Wavy5S鮎、Wavy65S鮎、他