単独釣行レポート

堰堤の大物釣り 2000年3月19-20日



今年は積雪がとても多いため、強烈な雪上の歩きを要求される早期の堰堤釣りにはどうも食指が向きません。例年なら解禁と同時に毎週の様に出かけるところですが、今年はまだ1回だけ。それでも19日には珍しく非常に良いお天気となり、気温もグングンと上昇したため、堪らずに午後から少しだけ釣りに出かけました。場所はウグイでも釣れそうな里に近い溜池の様な堰堤プール。なのに、とんでもない大物が釣れてしまいました。



もう3月も半ば過ぎだというのに、山間部ではまだ雪の深さが増えつづけています。スキー場はウハウハの様ですが、釣り師には辛いものがありますね。下のグラフの通り、2月後半から冷え込んだ状態は3月に入っても余り変わらず、週半ばに必ず雪の降る状態が続いています。2月末の気象庁の長期予報では「3月は気温高い」となっていたのですが、どうやら大ハズレ。中旬になって「3月は気温低め」と手のひらを返した様に予報が変わりました。


もっとも、気温が低いと言っても過去30年の平均気温(グラフの0の線)と比べれば、ほぼ同じ。昔はこんな寒い冬が3ヶ月も続いていたことになります。これは、温暖化で平均気温そのものが上昇しているためで、実はこれでも「平年並み」なんですね。ちなみに、98年〜00年にかけては1.3℃(緑の線)ほど平均気温が上昇しています。なお、引き続き土日に気温が上昇するパターンが続いてはいますので、今後が楽しみです。



この時期、電話で役場などに除雪の状況を確認するのですが、今年は「めどが立たない」との返事が多く聞かれます。雪崩の危険から、1〜2m程度まで自然に融けるのを待ってから除雪するからだそうです。例年5月の連休までには殆どの林道が開通するのですが、今年はどうなることやら。


さて、釣りに話題を戻しますが、午後2時ころ、最初に入ったのは下の写真の小さな堰堤です。この堰堤は、昨年の3月の同時期はほぼ満水状態だったのですが、今年は雪が多くて気温が低いため、渇水状態のままでした。プールは申し訳無いほどの面積しかなく、しかも透明度が非常に高いためか、釣れたのは写真の本当に小さなヤマメが3尾だけ。同じサイズが20尾ほどいましたので粘ればもっと釣れましたが、これでは話になりません。大きい魚もいる筈なんですが、出てきてはくれませんでした。



どこへ行っても雪が多いため、今度は更に人里に近い堰堤に向いました。ここは前に来た事がありライズリングを確認していた所です。その時はほぼ満水でプールは幅100mほどの大きなものでしたが、ここも渇水でご覧の通りの底に小さなプールが残るだけの状態となっていました。
注:この写真は場所を特定出来ない様にイメージを変えない程度に修正を加えています。

ここは普段、水温も相当高くなることもあり、ウグイでも掛かれば良いかなと、あまり期待もせずルアーを投げましたが、なんと3投目でご覧の48cmもある野生化した非常にパワフルなニジマスがヒット。水温は3℃しかないにも関わらず、左右に激しく動き回り、ランディングには結構てこずらされました。


思わぬ大物に戸惑いながらも、こういった里に近い場所でのニジマスは、地元の人が放流してくれている可能性が非常に高いため、手早く記念写真を撮り、そのままリリースしました。元気に泳いでいってくれて、まずは一安心。その後、もう1尾小さめのニジマスらしき魚がヒットしましたが、こちらは惜しくも途中でバラし。その後は当たりも無くなり、風も出て来たところで納竿しました。(写真館にこのニジマスの画像を掲載しています。)

話は代わりますが、この時期に釣れる渓魚は普通、サビが残っていて魚体も細く元気がないものです。しかし堰堤プールでの大物はちょっと様子が違います。下の写真の上半分は今回釣れたニジマス、下は2年前の4月に某堰堤で釣った47cmのイワナですが、共に魚体に非常に良く似た特徴が有ることが判ります。


堰堤のプールは想像以上に餌が豊富らしいのです。そのため、どちらも丸々と太っていて頭は三角形で小さく、尾ビレは流水に育ったものよりも小さめで、止水に暮らす魚らしく尾ビレ下端がやや擦れて削られた様になっています。そしていずれも非常にパワフルで、早期の釣りとは思えない様な素晴らしいファイトを味わせてくれます。皆さんにもぜひ、この楽しみに挑戦して頂きたいものです。


本当のことを言うと、翌20日も柳の下の2尾目のドジョウを求めて出漁したのですが、前日とは打って変わって寒河江川は猛吹雪。おなじみの「朝日山の家」まで様子を見に行きましたが、2週間前よりまだ多い雪にすっかり驚かされ、ただただ引き返してきました。今年の山形は1ヶ月も春が遅い様です。

【今回のタックル】ミッチェルTroutia730ft、シマノBioMasterXT1000、呉羽グランドマックス1号(6lb)、Kルアー5cm緑、Wavy5S、他