単独釣行レポート98年3月8日

山形県西川町寒河江川水系




毎年、解禁直後は「堰堤プールの釣り」で楽しんでいます。また、この時期は一年を通じて最も岩魚の大物を狙いやすい時期でもあるのです。寒河江川水系には大小の堰堤が沢山あり、砂で埋まっていない限り、大抵の堰堤でこの釣りを楽しむことができます。しかしこの時期のこの釣りは、水温の変化に大変敏感で、寒波の次の日など水温が急上昇した日以外にはなかなか釣れてくれません。 前日の3月7日土曜は、3週間ぶりに山形市内にも数cmの積雪があるという久々の寒波に見舞われました。こういう日の翌日は釣りに出かけない手はありません。
毎年最初に訪れる堰堤は、プールの幅が3〜40mほどの小さな堰堤です。なぜ毎年ここにやって来るかというと、道路から近くてしかも釣り易いから。この時期の山道は数mの積雪に埋もれており、車はもちろん通れません。舗装道路から離れた堰堤は、強烈な長時間の歩きを要求されるのです。(年はとりたくない(^_^;;) そして、そんな小さな堰堤にも、巨大なイワナが棲んでいるのです。今シーズン最初に私のロッドにヒットしてくれたのは、44.5cmもある大イワナでした。
この堰堤では他に27〜29cmのイワナ3尾を釣り上げましたが、尺以下は全てリリースし、一番の大物だけを薫製用にキープさせてもらいました。いつもの事ですが、最初の1尾目が最も大きく、釣り上げるごとにだんだんと小さくなって行きます。やはり大物は1投目が勝負の様です。 HP用の写真を撮るため、雪上にしばらくの間、魚を放置してしまい、危うく虐殺してしまいそうになりました。でも、なんとか元気に泳いで行ってくれて一安心。デジカメの電池が低温でうまく働いてくれず、水面での写真が撮れなかったのが原因ですが、ちょっと反省です。
2番目に訪れたポイントは、ご存知、寒河江ダムです。巨大なダム湖でのルアー釣りは5月頃の雪代の豊富な時期だけとお考えの方が多いかと思いますが、本当は今の時期が最も大物を狙い易いのです。実は昨年の3月16日に、このポイントで50cmクラスの大バラシをやってしまいました。今年こそはと意気込んで臨みましたが、結果は魚影すら見えない全くのノーバイト。余程の条件が整わない限り、この時期のダム湖の釣りは非常に難しいのです。なお、寒河江ダムはこれから水位が下がり、釣りは不可能になりますので、ご注意下さい。
毎回思うのですが、この時期の止水の釣りは余程のロマンチストでないと務まらないですね。ご覧の様な広大な雪原を、カンジキを履いて一人トボトボと30分近くも歩き、第1投目にその全ての勝負をかける訳です。1尾でも釣れれば疲れも感じませんが、釣れないときの帰り道の辛いこと。なにせ道路まで20m以上もある急勾配を、足を棒にして戻らなければなりません。それでも魚の感触が忘れられず、また出かけてしまうのです。 釣りはロマンだ!!
ダムの急勾配をもう少しで登り切るころ、ふと傍らを見ると木々が芽吹き始めているのを見つけました。分厚い残雪の下から枝を伸ばし、これでもかと生命力を見せ付けています。山形はまだまだ残雪が深く空気も冷たいのですが、確実に春は近づいている様です。

【本日使用したタックルなど】 ロッド:ミッチェルTroutia730ft、リール:シマノBioMasterXT1000、ライン:呉羽シーガーエース1号(6lb)、ルアー:自作Kルアー黒/緑5cm4.5g(45cm、29cm)、Pagosミノー50SP(28cm)、AthleteミノーS55(27cm)