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単独釣行レポート

北海道釣行日誌2024(2)(6月1〜10日)


6月になりました。北海道では、ニジマスを始めとする渓のマス類の活性が、1年で最も高くなる季節となります。寒波が入らない限り、この時期は夜明けから夕暮れまで、沢山の水棲昆虫の羽化が見られ、時合いは1日中続きます。一方、道南の支笏湖ではチップ釣りの解禁を迎え、同時にボートフィッシングで大型のブラウントラウトが釣れ始めます。海ではもう少しの間、河口付近での海サクラマス・アメマスの季節も続いています。1年でもっとも釣りの楽しいこの1ヵ月ほどを、存分に楽しみたいと思っています。(下写真は、チップ釣り解禁となった支笏湖)

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【6月1日(土)6月のニジマスの渓は高活性】

6月は道南の支笏湖のチップ解禁となり、動力船の許可証を受け取るために、数日中に千歳方面へ移動しなければなりません。この日の午前中は洗濯などをし、午後からはとりあえず日高方面まで移動する事とし、隙間の時間の11時ころからの2時間ほどだけを十勝のニジマスの渓で過ごしました。土曜とあって渓畔には釣り人の車があちこちに見られましたが、こういう日の遅い時間は既に他の釣り人がルアーやフライを投げまくった後で、大物は望めないため、最初から小物の数釣りで臨みました。

お昼前から十勝のニジマスの渓へたった2時間で34cmまで20尾の釣果こんな緩い流れで8尾も連発して釣れた

ニジマスは本来、虫を喰べて生きている魚ですので、ルアーよりはフライの方に軍配が上がります。ただ、ルアーの中でも小さなスピナーは、大き目の虫に見えているのか、とても良く釣れてくれます。そこで、この日はブレットン#2赤金1個だけで釣り続けてみました。良いお天気で活性は十分だった様で、たった2時間で、なんと20尾もの釣果があり、途中で腰が痛くなってしまいました。ただ、最大は34cmまでで、ほとんどは20cm前後の超おチビちゃんばかりです。でもま、時間も限られている中、ちょい釣りには良い方法でした。午後からは大きく日高方面まで移動しました。

中にはこんなチビヤマメも釣れる十勝は豆やビートなどの植付け最終盤だ渓畔にクサノオウも咲き始めた

【使用タックル】
IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、Bretton#2/金赤

【6月2日(日)日高の渓は不発、知り合いの牧場訪問】

日高のいつもの渓は濁りが強くて不発午後は知合いの牧場で仔馬と遊ぶ日高も牧場の稲田化が進んでいる

【6月4日(火)ブラウンの支笏湖は修行の湖】

道南のカルデラ湖である支笏湖のチップ釣りが6月1日に解禁となりました。支笏湖は国立公園のため、動力船の使用は厳格に管理されています。本来はチップ釣りのために動力船の使用許可を得られますが、その許可を得た舟でブラウンなど他種の魚を釣ることも許されています。ボートの乗入れ場所も管理されていて、決められた3ヶ所以外からは出船できません。そのため、釣りをするためには、下左の2枚の書類が必要になります。私も3年ほど前からこの許可を受けていて、この日、今年初の支笏湖のブラウントラウトの釣りとなりました。

この2つが必須(模造防止変形有り)平日の肌寒い中でも賑わっていた水温は未だ7℃台と初春並みの冷たさ

ただ、6月初にこの湖に入渓したのは始めてでした。まず最初に驚いたのは、6月に入ってもまだ水温は7℃台と非常に冷たく、まるで早春のダム湖の様です。そのため、レッドコアは封印し、2本のキャスティングロッドのハンドトローリングで攻めてみました。この日は私にしては非常に珍しく、早朝4時前から出船しましたが、これは失敗でした。早朝は非常に寒く、1時間半ほどは全く反応が無く、魚信が出始めたのは5時半以降でした。ただ、当初ヒットしてくるのは小さな金色のアメマスばかりで、ブラウンの気配はありません。

9時前、冷たい風が止み太陽が顔を出した瞬間にヒットしてきた(Click拡大)ブラウントラウト52cmと私

そして9時前になり、天気予報に反して太陽が顔を出し、冷たい風が止んで辺りがフワリと暖かくなった瞬間でした。50m後方のSukari60deepにゴツゴツと魚信が出て、ロッドが大きく曲がりました。釣れたブラウンはこの1尾だけで、午後には風が強くなったため、撤退しました。ちなみに、今年はチップは良く釣れている様ですが、トローリングでのブラウンは初日からサッパリの様です。漁協組から見ればブラウンはチップを喰う害魚であり、網で捕獲して駆除しているとの話も聞きます。年々大型のブラウンは釣れなくなっており、ますます修行の湖になりつつある様です。

リリースすると高速で逃げて行った5時半から金アメマスが5尾ヒット平日にも関わらず釣り人は非常に多い

【使用タックル】
CarddiffNX/S83ML、VanquishC3000、CastawayPE30lb(2号)+Nanodax17.5lb、
TailWalkKeison(鮭鱒)90、StradicC3000、CastawayPE30lb(2号)+Nanodax20lb、
Sukari60deep/Rグリーン/OB鮎、C-Mission35gブルーピンク/緑、他

【6月6日(木)富良野の渓は活性がイマイチ】

5日は終日、冷たい雨でした。この日は曇天で少し暖かくなる予報でしたが、朝起きると、小雨の降る寒い日でした。富良野近くのブルックも釣れるニジマスの渓へ向かいましたが、このお天気では、なんだか釣れる気がしません。それ以前に、小雨の中で釣っていても楽しくありません。この歳になって、いつでも釣りが出来る訳であり、良いお天気の気持ち良い日だけ釣り=晴釣雨読(私の場合、晴釣雨寝)をすれば良いのですが、なんせヒマなもので、ついつい渓へ行ってしまう訳です。午前中は防寒具が必要なくらい寒く、ブレットンでなんとかチビニジマスが釣れる程度でした。

小雨が降る中、富良野の渓へ(Click)活性がイマイチでニジは32cm止まり青々とした葉を付けたままの巨大な倒木

ところが、12時ころになると少し晴れ間も見え始め、だいぶ暖かくなりました。すると地元の釣り師たちがどこからとも湧いて来て、あっと言うまに釣り場を占領されてしまいました。地元の人達は釣れる時間帯にしか出てこないんですね。そして、彼らが釣り場に現われると急に釣れ始めるからこれまた不思議です。ニジマスは32cm止まりでしたが、おチビちゃんが快調に釣れ2桁になりました。合間には小さなブルックもヒット。そして最後の最後には、42cmもある大きなイワナも釣れ、なんとなく満足して16時ころには納竿しました。地元民には勝てませんなぁ。

小さなブルックトラウトも釣れた12時頃、暖かくなると釣り人が激増した最後に出た41cmもあるイワナ(Click)

【使用タックル】
IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、
Sukari50ssDeepクラシック、Bretton#2/金赤

【6月7日(金)富良野のダム湖でイトウが釣れた】

このところ寒波で冷たい小雨続きだったのですが、久しぶりに良いお天気で気温も上がるとの予報を受けて、富良野の近くのダム湖でボートフィッシングを楽しむ事にしました。このダム湖へは5年前にも訪れていますが、尺前後の小さなアメマスが何尾か釣れただけで、あまり良い印象はありません。そのため、どちらかというとボート遊びのつもりで、のんびりとダム湖に到着。カヌーの人達とお喋りしながら、釣り始めたのはもう11時前でした。とりあえずインレット方面へ向かいながら、2本のキャスティングロッドでハンドトローリングをしながら移動。ほぼ快晴の暖かい日で、湖面のそよ風が心地良く感じられました。

のんびりと富良野の近くのダム湖へこんなチビアメマスが8尾ほど巨大な外道(うぐい)も時折りヒット

しかし、お昼近くで明るすぎるのか、当初は40cmもある巨大なウグイがヒットしただけで、トラウトの気配はありません。12時ころ、インレットの下流部へ到着すると、ようやく小さなアメマスがヒット。そのままインレットへ向かいましたが、何の反応もありません。あっという間にインレットの直下に到着、お昼を食べて場を休ませました。そして、今度は緩い川の流れにボートを任せながら、流されながら下流側へD-Contact63鮎を投げ続けていると、13時ころでした、200mほど下ったところで、これまでとは明らかに違う強い魚信が出て魚が走り出しました。ヒットしてきたのは、このダム湖では初の非常に綺麗なイトウ44cmでした。

インレット近くの緩い流れの中から飛び出してきたイトウ44cm(Click拡大)久しぶりに釣れたイトウ44cmと私

実はこのダム湖はイトウでも有名なのですが、4月末〜6月初ころまではイトウの産卵期であり、50cmを超える様な大型は産卵遡上でほぼ釣れません。産卵に参加していないイトウのお子様たちだけが釣れるのですが、この日釣れた44cmはそんなイトウなのでした。ただ不思議にも、その後2時間ほどして、もう1尾のイトウ40cmもヒット。多くの人がこのダム湖にルアーやフライでイトウを狙いに来るそうですが、数も少なく釣り上げるのは至難の業の様です。この日は実にラッキーでした。こんなこともあるんですね。

リリースすると元気に深みに消えた満水のダム湖のインレット付近ラッキーにも2尾目のイトウ40cm

【使用タックル】
IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、
CarddiffNX/S83ML、VanquishC3000、CastawayPE30lb(2号)+Nanodax17.5lb、
Sukari60deep/Rグリーン、D-Contact63/鮎、他

【6月8日(土)富良野の景色と渓畔の春の花】

上富良野から晴天の十勝連峰(Click拡大)早咲きのラベンダー(Click拡大)渓流は釣り人だらけだった(Click拡大)

この日は朝からほぼ快晴の良いお天気で、午前中は富良野近辺で写真撮影に没頭しました。ただ、南風が強く、こういった日は湿度が高いため、かすみが掛かり易く、あまり良い写真は撮れません。それでも、富良野から眺める十勝連峰の眺めは最高で、ついつい沢山の写真を撮りまくってしまいました。午後からは付近の渓流に入りましたが、土曜とあって、釣り人だらけでまるで釣りになりません。ただ、渓畔には初夏の野草花が沢山咲いており、釣りはそこそこに、こちらでも写真を撮りまくりでした。

非常に珍しいヤマオダマキ(Click拡大)渓畔に白く輝くカラマツソウ地味なヤマネコノメソウ

釣りも2時間ほどだけ行いましたが、小さなニジマス・イワナ・ブルック(下写真)が何尾か釣れただけで、想定通りの釣果でした。ただ、少し気になった事がありました。釣り場で出会った富良野の釣り師の話では、今年に入ってこの渓の釣果が激減していて、昨年まで時折り釣れていた大ニジマスが全く釣れていないそうです。そういえば、私の昨年の釣果と比べてみても、大物はおろか小物さえ、随分と数が減っている様に感じます。上流部には畑や稲田が広がる盆地があり、最近問題になっている中国製の安物の農薬でも撒いたのでしょうか。

オオレイジンソウアイヌネギ(行者ニンニク)も発見釣りは2時間ほどでチビばかり

【使用タックル】
IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、
Sukari50ssDeep/オイカワOB、Bretton#1/2/金赤、他

【6月10日(月)雨後の十勝の渓で小物と遊ぶ】

この日は夜半から結構な雨でしたが、予報に反して昼過ぎには雨が上がったため、14時ころからちょっとだけ釣りに出てみました。ただ、本流は濁りがきつく、釣りになりそうもありません。そこで、以前から気になっていた或る支流に向かいました。ホームとなっている渓は水量の多い本流ですが、十勝平野には小さな支流が沢山流れていて、渓魚たちがかなり奥まで入り込んでいます。ただ、支流は幅が狭く、普段は浅くてクリアなため、近づき過ぎとなってしまい、ほとんど釣りになりません。

以前から気になっていた支流へ濁りのため上流からスピナーを引く最大は35cmで9尾ほどの釣果

そのため、この日の様に濁りと増水で魚の警戒心の少ない日を狙って入渓してみたという訳です。釣っていた時間は2時間半ほどでしたが、35cmまでのニジマス9尾の、まずまずの釣果でした。魚影は結構な濃さで、恐らく40cmくらいまでのニジマスが相当数、泳いでいたのではないかと思われました。こんな支流が十勝平野には非常に沢山あり、小魚たちの逃げ場になっている様で、本流で釣られても釣られても、魚影を保てている理由になっているのではないかと思われました。十勝の渓もまだまだ捨てたもんじゃありませんね。

本流は濁りが強過ぎ(イヌナズナ)マンテマの花も咲き始めた渓畔にはルピナスが蔓延っている

【使用タックル】
IL_Flusso/Tilf72、VanfordC3000HG、CastawayPE25lb(1.5号)+GrandMaxFx2.5号、Bretton#2/銀赤