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単独釣行レポート

北海道遠征2016 釣行日誌(4)(10月1日〜10日)


今年も北海道遠征釣行に出かけました。今回も10月末頃までの2ヶ月程度の日程を予定していますが、寄る年波には勝てない状況は変わらず、健康状態と相談しながらの遠征旅行になりそうです。今年は昨年以上に、体力的に厳しい釣行は控え、観光も交えたのんびりとした遠征を考えています。今回で北海道遠征は9回目になりますが、釣りに忙しくて行きたくても行けなかった場所も沢山あり、そんな観光地へも足を運んでみたいと考えています。今回も、その日に起こった様々な出来事を、写真と文章で日誌形式で綴って行きたいと思います。(下写真は、十勝のニジマスの渓)

注:釣り場の特定を防ぐため、風景画像に大幅な修正を加えるか、同イメージの別の場所の写真を使用しています。ご了承下さい。


【10月1日(土)】

10月に入り、今回の北海道遠征釣行も折り返し地点である。この日は朝から雲一つ無い快晴となったため、急遽、写真の日とした。夕方まで終日ほぼ雲の無いこの様な明るい日は、北海道に来て始めてである。ようやく北海道にも秋が訪れた様だ。本州では今日から概ね渓流の釣りは禁漁期に入る。しかし、ここ北海道では、河川内でのサケの規制はあるものの、他の魚種について、禁漁はない。むしろ、北海道では10月に入ってからがトラウトの釣りの最盛期である。多くの湖の水温が下がり、大型のニジマスやブラウンが岸からのキャスティングで釣れ始める。また、イトウやアメマスの第二陣の遡上が開始され、多くの河川で釣れ始める。

雲一つ無い快晴に映える雄阿寒岳霧をまだ一度も見た事の無い摩周湖

【使用タックル】  ありません。

【10月2日(日)】

朝起きて某巨大カルデラ湖へと向かったが、意外にも道路沿いの森が早くも紅葉し始めていて、例年より10日ほども季節の移り変わりが早い様だ。早朝はこの湖のアウトレットのポイントに入ったが、1度だけ50pほどのニジマスが追いかけてきたものの、ヒットしてくれず10分で終了。季節がそれほどまでに早いのなら、ひょっとしてチップ(ヒメマス=湖沼型ベニザケ)が釣れ始めているのではないかと考え、湖の西海岸へ移動してみた。案の定、道路際には数台の車が並んでいて、どうやらチップ釣りが開幕した様だ。昨年は10月10日ころから釣れ始めていたこの魚だが、今年は紅葉と同様に10日ほども早い。

早朝はアウトレットのポイントへ今年のチップ接岸は例年より早いこんな小沢の出口付近が狙い目

西海岸には小沢が何本か流入していて、それらの河口の付近に産卵のためにチップが集まってくる。釣り人たちの足元を沢山の赤く染まったチップたちが泳ぎ回る光景は、この時期だけのお伽の国の様な光景である。小型のミノーやスプーンを底ギリギリにトレースすることで、比較的簡単に釣る事ができる。ただ、産卵のピークは10月末ころであり、まだ時期が早いせいか、3時間ほど粘って釣れたのはたった4尾だけと少々寂しかった。ピーク時には殆ど入れ食い状態になるはずであり、数日を空けて再度挑戦してみたい。それにしても、このカルデラ湖の風景は、息を飲むほどの絶景であった。

釣り人の足元にチップがウロウロ35cmほどの雄のヒメマス雌のヒメマスも結構釣れる

【使用タックル】
SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+SeagarGrandMax1.75号、
Ryuki45Sニジマス/赤腹ヤマメ、マイクロスプーン8g(鉛貼)

【10月3日(月)】

朝から小雨模様だったが、10時頃から今年2回目のブルックトラウトの渓を釣る事にした。残念ながら一番のポイントには先行者がいたため、今回も少しだけ下流側へ入った。水量はやや落ち着いた感じだったが、それでも例年よりは多く、8月末から9月初の台風関連の豪雨の影響が未だに残っている様である。昨日入渓した巨大カルデラ湖も水位が未だに50p以上も高く、北海道は増水の影響が非常に長く残る。この渓も既に紅葉が始まっていて、季節は昨年より10日ほど早い。本当はブルックトラウトを釣りたくて入渓したのだが、お目当ての魚たちは、どうやら産卵のために最源流部へ移動してしまっている様子で、釣っても釣ってもイワナばかりしか出て来てくれなかった。

紅葉し始めたブルックの渓サケの産卵の最盛期か、死骸だらけ最大は35cm止まりと今年は寂しい

台風でバイカモが多少流されたのか少なくなっていたが、それでも下写真の様にバイカモは健在であり、一安心である。この釣り場では、藻と藻の間にできた水路状の流れの中にミノーを流して誘うことで、簡単に魚をヒットさせる事ができる。下写真のバイカモの溜まり場では、一つの藻穴から25p前後のイワナが何尾も飛び出してくれ、恐らくこのポイントだけで100尾以上の魚が入っていると思われる。北海道のイワナは警戒心が薄く、幾らでも釣れてしまう。4時間ほどの釣りだったが、1尾だけでもブルックが釣れてくれないかと必死に釣り続けていると、気がつけばイワナ77尾(最大35p、尺上4尾)とヤマメ3尾、ニジマス1尾の合計81尾もの小魚を釣り続けてしまった。イワナを持ち帰って食べる本州の餌釣り師たちが見れば、誠に天国の様な所だ。

恐らくこの場所だけで100尾ほどもこんな小さなヤマメや・・・小さなニジマスも時折釣れる

【使用タックル】
SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+SeagarGrandMax1.75号、Ryuki45Sニジマス

【10月4日(火)】

大雨で渓が濁ればもう一度、道東のアメマスの渓を攻めるつもりでいたが、その後も殆ど雨が降ってくれない。3日の夜に20mmほど降ったため、恐らくこれが最後のチャンスとばかりに、100q近い大移動をしてアメマスの渓に舞い戻った。しかし、予想通りに濁りはほとんど出ておらず、水量も平水に近い状況だった。加えて、寒波による大気不安定だとかで、朝から台風の様な強風が吹き荒れた。朝8時に釣り場に立ったが、立っているのもままならぬ突風で(実際に一度だけ転倒させられた)、渓は落葉だらけ・・・落葉と言うより、小枝の付いた青い生の葉が大量に流れてくる。ルアーを投げてもすぐに葉が引っ掛かり、ほとんど釣りにならなかった。

雲一つ無い快晴の様に見えるが・・・強風が吹き荒れ、川は落葉だらけ落葉と言うより青い葉が多い

それでも下流から上流へと3か所ほどを釣ってみたが、これが殆ど釣れないのだ。魚影が極端に薄くなっていて、シルバーウィークの頃の面影は全く無かった。それでも最上流部では幾分の魚影が残っていて、なんとか39pまでのアメマスを6尾だけ釣る事ができた。恐らく、第二陣の遡上は殆ど無く、9月に遡上してきた魚たちが最源流部に集まっているのではないかと想像できた。昨年は10月に入ってもまだ遡上が続いていたが、今年は更に状況が悪化しているとしか言いようが無い。来年以降、この道東のアメマスの釣りは果たして成り立ってくれるのだろうか? 今回を最後に今年の道東のアメマス釣りを終えるが、来年もこの釣りが有り得るのだろうか、心配である。

アメマス32cm今日も39cm止まりと寂しい上流部は既に紅葉が始まっていた

【使用タックル】
SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+SeagarGrandMax1.75号、Baila50XHチャート、他

【10月5日(水)】

朝から洗濯をしたりして過ごしていたが、午後から時間が空いたため、少しだけ十勝のニジマスの渓を釣ってみた。ここ十勝は度重なる台風関連の豪雨で甚大な被害を受けた。昨年まで河原は雑草で覆い尽くされていたが、今年は広々とした石河原になっていた。ただ、豪雨から1ヶ月が経過しているのに、未だ相当な濁りが残っていて、釣りが出来るギリギリの状態だった。2時半ころから釣り始めると、すぐに30cmちょうどのニジマスがヒット。他にもう1尾のヒットがあったが、残念ながらバレてしまった。しかし、ニジマスが健在なことだけは判り、一安心である。ただ、1時間ほどで寒波の冷たい風が吹き始め、反応は途絶えてしまった。

ニジマスの渓は綺麗な石河原に昨年までは雑草だらけだったニジマスたちは健在の様だ

【使用タックル】
SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+SeagarGrandMax1.75号、Ryuki60S赤腹ヤマメ

【10月6日(木)】

十勝の2つ目のニジマスの渓この日最大は28cmと超寂しい好天だが異様に寒くて活性は低い

昨日と同じ渓を釣ろうと思っていたが、夜半の雨で濁りが強くなり、釣りには厳しい状態に。仕方なく、もう一つの十勝のニジマスの渓まで移動して釣った。こちらは丁度良い笹濁りだったが、いかんせん、季節外れの強力な寒波が入っていてきて、上着を着て釣りをしていても、風が吹くと異様に寒い。ニジマスはデリケートな魚で、こういう日は大物はまず顔を見せてはくれない。案の定、釣り始めてチビニジマスは元気良く10尾以上もお相手をしてくれたが、結局この日の最大は28cmと超寂しい結果になってしまった。ただ、1尾だけ25cmのオショロコマがヒットしてくれ、私にはこのオショロの方が断然嬉しかった。この渓も豪雨に晒され河原から草木が消えてしまったが、魚たちは健在の様であり、安堵した。

20p前後なら結構釣れるオショロ25p 記録更新ならず源流部は紅葉の真っ盛りだ

【使用タックル】
SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+SeagarGrandMax1.75号、Ryuki50/60SS赤腹ヤマメ

【10月7日(金)】

12時、強い流れの脇を逆引き2日前と全く同じ場所で36p14時、倒木のストラクチャーの脇で

最低の日の翌日には最高の日がやってくる様だ。この日は11月中旬並の強い寒波が入り、山間部の峠では積雪が有った様だ。十勝でも朝から異様に冷たく、しかも非常に強い風が吹き荒れていて、とても釣りになるとは思えない様な状況だった。こんな日は真昼間の水温の上がる時間帯しか釣れないだろうと、のんびりと11時半頃に出漁。目指した釣り場は2日前に尺ニジマスを釣ったのと同じ場所。すぐ近くに大きな町のある中流部の本流の釣り場だ。そして、2日前と全く同じ場所に立ち、全く同じ様に強い流れの脇を逆引きすると、2投目でガツンと魚信が出て、2日前より1ランク上の36pが釣れてしまった。付近には真新しい釣り人らしき足跡が沢山有ったが、はて、釣れていたのだろうか。

今釣行のこれまで一番の会心のヒット ヒレピンニジマス56pニジマス56pと私

あまりの爆風と砂塵に耐え切れず、一旦は休憩し、釣り場を4qほど下流に移して仕切り直した。14時頃、今度は20mほど下流側から上写真の倒木の脇にミノーを投入すると、3回目で強烈な魚信が有り、ドラグが鳴り出した。一気に50mほども下流に走られたが、私自身も河原を下流に転びながら走り、数分後にはなんとかランディングに成功した。今北海道釣行で、これまでで一番の会心のヒットである。この渓ではここ数年、このサイズにはお目にかかった事が無かったが、台風10号の豪雨で源流部から落ちてきたのであろうか、信じがたい様なまさかの大物だった。その後も更に釣り場を6qほど下流に移し、16時頃、逆転流にミノーを投入2回目で、今度は42pを追加。正に最高の日となってくれた。

16時、逆転流のど真ん中で最後はニジマス42pニジマス42pと私

【使用タックル】
SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+NylonShockLeader12lb、Ryuki60SS赤腹ヤマメ

【10月8日(土)】

最高の日の次の日も最高の日だった。結論から言うと、朝9時から15時半まで釣って、53、52、43、41、41、40、32、27cmのニジマス8尾と尺アメマス1尾の正に爆釣だった。この日は3連休の初日とあって、釣り人がとても多く、橋の上から車の停まっていない場所を探しながらの入渓となった。昨日よりは少しだけ暖かくなり、曇天で釣りには最高の条件だった。それにしても不思議な事が起きている。この釣り場では50オーバーなど釣れた事はほとんど無かったのに、2日間で3尾も釣れている。しかも、小物が殆ど釣れず、ほとんどが40p超えなのだ。こんな事は普通に考えて絶対に有り得ない。

3連休初日とあって釣り人が多い9時頃に来た尺アメマスこのポイントだけで43,41,40,32cmの4尾

そこで、釣り場で出会った釣り師と、付近の2軒の釣具店から情報を聞いてみた。ベテランそうな釣り師の話では、50pオーバーが釣れるのは年にせいぜい2〜3尾で、40pオーバーが時折釣れる程度であり、今のこの釣り場は釣れ過ぎらしい。釣り具店では、「お盆ころまでは餌釣りでさえ尺ニジマスがやっとだった」、「最近この釣り場では大物の話は聞いていない」、「ここ2〜3年は小型化が著しく、大物は殆ど釣れていない」、「50UP2尾ですか、それはおめでとうございます」などと、ビックリする様な反応だった。つまり、この釣り場のこの爆釣ぶりは、まだ誰も気が付いていない、稀有な現象の始りの様なのだ。

まずは10時15分頃に40p10時50分頃に41p11時10分頃、ジグで43cm

それにしても、この釣れっぷりの原因はなぜなのか? 釣り具店のスタッフと一緒に考えてみたが、お盆までは餌釣りでも尺までしか釣れていなかったと言うことは、大物は居たがスレて釣れなかっただけ・・と言う事は考えにくい。やはり、一連の台風による豪雨で、源流部に温存されていた大型魚が下流部へ流されてきたのではないか、と言う結論?になった。イワナであればこの時期、すぐに産卵のために遡上してしまうが、しかし、ニジマスはそうでは無い。今の時期のニジマスは同じ場所に泳ぎ続けている。しかも豪雨の濁りでこの1ヶ月ほどは誰も竿を出していない。腹ペコで釣り人知らずの、そんなニジマスを、今、爆釣している様なのだ。

少し移動して、13時に41pこのポイントでは50UPが2尾出た14時50分頃、2尾目の52p

どうやら、十勝では今、釣り師にとって千載一遇の大チャンスを迎えているのではないだろうか。今日も既に多くの釣り師が来ていて、大物が相当数釣られている。この情報は即座に伝播し、やがて道内から釣り師たちが大挙して集まってくるに違い無い。更に時間が経てば、地元の餌釣り師のおっちゃんたちが気付き始め、毎日々々餌釣りで釣っては食卓に並べられてしまう日々がやってくる。そして、半年もすれば、また、小物しか釣れない寂しい渓に逆戻りしていることだろう。豪雨で被害に遭われた方には申し訳ないが、台風関連の豪雨は釣り師に大きなチャンスを与えてくれた様だ。

この日の一番の大物は14時30分頃に出た53p、会心の一撃だったニジマス53pと私

【使用タックル】
SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+NylonShockLeader12lb、
Sukari50SSDeepヤマメ(赤腹改)/イブキ、Ryuki60SS赤腹ヤマメ、Mariaジグ18gブルーピンク、他

【10月9日(日)】

3連休の中日とあって釣り人が多かったため、この日は午前中で釣りは切り上げ、移動日とした。それでも朝8時から釣り始め、57、46、39、30、30、25cmの6尾の釣果があり、相変わらずの爆釣と言える状況が続いている。中でも57cmは私の北海道のニジマスの自己記録を1cm更新するビッグサイズであり、3日連続となる最高の日であった。北海道で釣れるニジマスは管釣りのそれとは全く異なり、鋭角的な強烈な引きが魅力なのだが、50cmを超えるとその引きっぷりは凄まじく、一度味わってしまうと忘れることが出来なくなってしまう。病み付きになってしまうのだ。

北海道のニジマスの自己記録を1cm更新したヒレピンニジマス57pニジマス57pと私

ところで、この日も釣り場で出会ったフライマンに情報を聞いてみた。この釣り場では63cmまでは釣った事があるという地元のベテラン釣り師だったが、ここ2〜3年は小型が多くなったが、それでも毎回40cm位までは普通に釣れていたそうだ。昨年は私には30cmでさえなかなか釣れない状況だったが、釣る人には大物も釣れていたということの様である。ただそれでも、50cm超えはたまにしか釣れていないそうで、今回の私の3日間で50cmオーバー4尾+40cm台6尾はやはり異常ではある。こんな大チャンスは数年に一度有るか無いかの稀有な状況であることは間違いなさそうだ。ここまで来れば、60cm超えを釣り上げてみたいものだ。

この大きさになると精悍な面構えだ引き続き出た46cmの良型この日も釣り人が多かった

【使用タックル】
SHIMANO_Carddiff_NX_S72L、StradicC3000、PE1.5号+NylonShockLeader20lb、
Sukari50SSDeepヤマメ(赤腹改)/イブキ、Mariaジグ18gブルーピンク(57cm)/チャート、他

【10月10日(月)】

この日は3連休最終日であり、釣り人も多いだろうと判断し、連日の疲れを癒すため、釣りはお休みとした。

【使用タックル】  ありません。