源流のルアーフィッシング
監修:山形渓遊会会長 渡邊勝人
初版 2010年2月7日


源流部でのイワナの釣り方は、渓流でのルアーフィッシングとそれほど変わりませんが、源流ならではの楽しみ方も確かに存在します。また、装備や遡行の技術など、独特の知識を要求される釣りでもあります。このページは、車などの交通手段の無い源流部でのイワナのルアーフィッシングについて、渓流との違い、必要な知識・装備・技術に加え、源流での楽しみ方の基本についても紹介しています。

なお、筆者は比較的手軽な源流の釣りを主に楽しんでおり、ザイルなどを使う様な危険を伴う源流遡行は、敢えて行っていません。以下に紹介する内容は、普通の渓流での釣りを経験された方が、2泊3日程度までの手軽な源流釣行を行われる場合を想定しています。よりハードな源流へ挑戦される場合は、専門の書物・ウェブサイトをご覧下さい。

源流釣りのお勧めサイト: 1.山釣り紀行[Akita Mountain Fishing club]  2.渓流/渓道楽[Tanidoraku]


1.源流のルアーフィッシング

1-1.いわゆる源流と渓流の違い

人の多い渓流での釣りと、奥地の源流の釣りでは、幾つかの異なる点が見られます。

(1) 山そのものを楽しむ釣り

里の釣りでは釣果の優先されることが多いものですが、源流の釣りでは、むしろ釣果はその楽しみのほんのごく一部でしかありません。美しい源流や山の景色を拝みながら歩き、山菜やきのこを採取し、様々に咲き誇る野生の草花にふれ、そして、焚き火での至福の時間を友と過ごす。人里を離れた奥山での野生そのものの生活の、その全てが楽しみとなるのです。

(2) 大きな荷物は持ち運べない

当たり前の事ですが、車道の無い奥地へ移動するには、人の足で生活の全てを持ち運ぶ必要があります。そのためには、全ての装備・用品・食糧は、可能な限り重量を削ぎ落す必要が出てきます。また奥地には電気・ガス・水道などはありません。ましてや携帯電話も繋がりません。生活の多くを現地調達する必要も出てきます。

(3) 天候・水量に要注意

すぐに車道に逃げ込める渓流では、雨による濁りは良い釣果を招いてくれるため歓迎されますが、源流部での急激な天候の変化は、往々にして命に関わります。そのため、釣行予定日の天候を事前に正確に読む必要が出てきます。また、数日間の釣行の場合には、釣行途中にも日々の天候の変化を見極め、切り上げるタイミングを見計る必要が出てきます。

(4) イワナの付き場、釣り方は異なる

人の非常に多い渓流と滅多に人の来ない源流では、イワナのポイントへの付き方が微妙に異なります。それに伴って釣り方も異なってきます。また、7月以降の季節では、下流部より遡上してきた大物が比較的多く泳いでいますが、大物を釣るための技術も渓流部とは若干異なってきます。

2.源流の装備と知恵        Click!→ [源流のルアーフィッシングのための装備一覧]

ここでは2泊3日程度までの手軽な源流の釣りに必要な装備と知識を紹介しています。なお、釣行する場所の険しさや山越えの有無・山小屋の利用の有無などによって、用意する装備はかなり異なってきます。全てを持ち出すのではなく、状況に応じて荷物ができるだけ少なく軽くなる様に調整して下さい。

2-1.移動のための装備

2-1-1.ザック

2泊程度までであれば、55〜65リットル(L)のアタックザックが一般的です。また、日帰りの場合には、35L程度で十分です。表示されている容量はメーカー間に誤差がありますので注意が必要です。自分で背負ってみて背中にしっくりとなじむもので、できるだけ軽いものをお勧めします。

登山用のザックの様に、小さいチャック付のポケットや沢山の紐が付いたものは、一見便利そうに見えますが、ザック自体が重くなっている上、藪こぎや泳ぎの時にむしろ邪魔になります。できるだけシンプルなものがお勧めです。登山の専門店などで、源流の釣りに使用したいことを明言し、知識の豊富な人に選んでもらうのが良いでしょう。

降雨時や濡れた藪の歩行時に布製のザックに水がしみ込んで重くなる事を防ぐため、或いは、ザック内部の荷物の防水性を高めるために、ザックカバーが必須となります。又、大型の荷物を野営地に置きざりにし、付近へ釣行に出る場合には、ナイロン製などの20L程度の軽い折り畳み式のサブザックが有ると便利です。

ザックへの荷物の収納の基本は、軽いもの=下部、重いもの=上部です。ただ、頻繁に出し入れするものは最上部かザック上部の副室へ入れておきます。宿泊を伴う場合は、テントまたはタープ、シュラフは普通最下部になり、次にキャンプ用品、着替え、主食糧が入り、上部に釣り道具、遡行時に食べる食糧、カメラなどと続きます。

日帰りの場合はあまり気になりませんが、宿泊を伴う場合は濡らしてはいけない荷物が沢山出てきます。川の中を腰まで浸かって歩いたり、降雨に会ったり、場合によっては泳ぎを要求されたりと、かなりの確率で水に晒されますので、厳重な防水対策が必須となります。

源流釣行ではこんな場面も当たり前 濡らしたくないものは、Ziplocに小分けしザックに詰める

下着などの着替え程度までの小さな荷物はフリーザーパック(Ziplocがベスト、大・小がある)に小分けして入れ、ザックに収納します。カメラなど絶対に濡らしてはいけないものは、フリーザーパックを2重にし、ザックの最上部に収納します。シュラフなどの大きな荷物は、厚手のゴミ袋を2重にして口をきつく縛るか、専用の防水袋を使います。袋類の予備数枚も忘れてはいけません。

・55〜65Lのアタックザック
・ザックカバー
・サブザック
・フリーザーパック、厚手のゴミ袋か防水袋


2-1-2.足まわり

5月初ころまでの残雪の多い時期には、日帰りの場合に限りナイロンウェーダーを着用しますが、通常は沢登り用のフェルト底のウェーディングシューズに、ネオプレーン製のソックスを着用するのが一般的です。山越えや高巻きの際は、ウェーディングシューズでは泥の道や草の密生する場所で非常に滑るため、ピンソールまたはピンソールミニを装着して歩くと危険も少なくなり、また疲れません。

ウェーディングシューズでの歩行は、長時間にわたって暖かく濡れた状態で爪に相当な負荷がかかり続けるため、第1〜3指の爪が剥がれてしまうことが良くあります。釣行の直前に足の爪を丁寧に短めにカットしておく必要があります。

登山を兼ねた、或いは登山が中心の釣行の場合には、登山時のみ登山靴を履き、釣り場でウェーディングシューズに履き替える方法が疲れませんが、荷物が重くかさばるため、1泊程度の余裕のある場合に限られます。崖登りの多い釣行時や非常に冷たい水の中を歩く場合は、スパッツを着用します。

・ナイロンウェーダー(早春のみ)
・沢登り専用のフェルト底ウェーディングシューズ
・ネオプレーン製ソックス
・ピンソールまたはピンソールミニ
・スパッツ
・場合により登山靴


  しっかりとした装備が安全と楽しみを約束してくれる   ウェーディングシューズに装着したピンソール(K.K昇栄)

2-1-3.服装

源流釣行では、泳ぎ・岩登り・藪こぎなどが頻繁に行われるため、軽く、すぐに乾き、耐摩耗性に優れた素材の衣類が要求されます。虫や傷対策のため長袖が原則です。源流釣り専用の丈夫なタイツが販売されているほか、多くは登山用の丈夫な化繊の衣類を上着・下着とも利用します。下着は最低限の着用とし、可能な限り軽く動きやすくします。早春の寒い時期は、上半身の防寒着が必要になります。

移動中には釣りベストはザックに収納しておき、釣行時のみ着用します。しかし、釣りベストは重くかさばるため、腰に付ける小さなバッグで代用することが多いものです。源流では、最小限の釣り道具以外は、全てザックに収納しておくのが原則です。

雨対策としてはゴアテックス製などの軽くて丈夫な雨具を用意します。釣行中は雨具のズボンは不要ですが、キャンプサイトで冷え込みを防ぐために利用できます。1泊以上の釣行では、当然着替えの下着類も必要です。キャンプサイトで濡れたまま過ごすのは辛く、夜の冷え込みで体調を壊しかねません。天候が良い場合は焚き火で乾かすか、木にロープを張って乾かすことが出来ます。

移動中は木や岩を手で掴むことが頻繁に起こりますので、手袋は必須となります。滑り止めのついた軍手でも構いませんが、ネオプレン製の釣り専用手袋がお勧めです。汗拭きと虫対策を兼ねて、薄手のタオルを首に巻いて歩きます。また、直射日光を避けるための帽子類も必須です。

・登山用衣類上下、長袖が原則
・源流釣り専用タイツ
・防寒着(早春のみ)
・釣りベスト、または腰ベルトと小バッグ
・雨具上下
・釣り専用ネオプレン製手袋、または滑り止め付き軍手
・薄手のタオル
・帽子・ヘルメット(山岳部の場合)・バンダナなど
・着替え用の下着類をザックの中へ


2-1-4.その他の移動中に必要なもの

(1) 生のブドウ・梨・飴・ブドウ糖錠剤などの体力維持のための食品

特に細身の人では、体力を消耗し過ぎるとシャリバテ(低血糖発作。血糖値が下がり過ぎ、突然全身が全く動かなくなる。甘い物を摂ると15分程度で回復する)を起こすことがあり、命に関わる場合もあります。これは、甘いものを定期的に摂取することで防げます。また、対策には、ウィダーinエネルギーが特にお勧めですが、少々重いのが難点です。

(2) ペットボトル入りのお茶・スポーツ飲料・ジュースなどの水分補給用飲料

現在ではいわゆる水筒は使いません。夏季は歩行5時間あたり1L程度の水分が必要となります。甘いものは体力維持にもなります。ジュース類とお茶・水を使い分けながら歩くと口が渇かなくて良い様です。ただし、山越えでも多くの場合、沢の水が利用できますので、地形図などで水場を下調べしておくことが必須です。カラになったペットボトルは水筒代わりに繰り返し利用します。粉末スポーツ飲料などの予備を携帯しておきます。

(3) その他の必要なもの

・山越えの場合はトレッキングポール(杖)
・予備の粉末スポーツ飲料・粉末ジュース類など
・警笛用の笛で熊よけと仲間との連絡を兼ねる
・熊よけ用の鈴かカウベル
・北海道では、熊撃退スプレー 定価1万円前後のものが強力
・エピペン(山で一番危険なスズメバチ対策用の自己注射器)
・虫よけスプレー、マジックで色を付けたミノー色を取るのにも使う
・高度計・温度計・方位計付きの腕時計、またはGPS端末
・必要に応じて、地形図、磁石、遡行図など
・大型のナイフは藪こぎ時に便利
・ザイル・カラビナ


2-2.キャンプ用品

2-2-1.テントとその周辺

小型の軽いテントでも構いませんが、虫が気にならない人であれば、薄くて小さめのターフか薄手のブルーシートで雨だけをしのげる様にします。シュラフは早春のみ3シーズン用を使いますが、多くは夏用のもので足ります。また、夏季はシュラフカバーだけでも十分です。寒い時は乾いた衣類・防寒着を着たまま寝ます。足が冷える場合は、ザックに足を突っ込んで寝ます。

夏季に雨の降る可能性が全く無い天候の時は、テントなどを一切使わず、地面に草を敷いてシュラフカバーに胸部から上だけナイロン製の網袋(玉ねぎ袋など)を被り寝る場合もあります。枕は通常、ザックに平らになる荷物を少しだけ入れて代用します。

また、夏季のキャンプサイトでは蚊取線香が必須となります。更に、テント・山小屋に関わらず、小型の背中から臀部までの大きさのウレタンマットがあると安眠でき、ほぼ必需品となります。

源流でのキャンプは、電気も水道もガスも何も無い 川の音と小鳥たちのさえずりが聞こえるだけだ

キャンプサイトの付近には大抵の場合、木が多く生えていますので、ロープを張って洗濯物を乾かします。ザイルを代用することも可能ですが、細手の軽いロープを1本用意しておくと、パッキングやザックに荷物をぶら下げたりと、何かと便利に使えます。

キャンプサイトでは足を乾かし休めておく必要があり、また活動性を高めるため、軽いサンダルを利用すると便利です。夜間は可能な限り焚き火の明かりを頼りにしますが、トイレや水汲みなどではヘッドランプが必要となるため、LED方式の軽いものを用意します。

・小型軽量テント、またはタープ、またはブルーシート
・シュラフ、夏季はシュラフカバーのみ
・必要に応じて蚊避けのためのナイロン製網袋(玉ねぎ袋)
・1.2m×0.5m程度以上の小型ウレタンマット
・蚊取線香
・小さな固形石鹸
・細手の軽い化繊製ロープ10m程度、またはザイル
・ビーチ用などのサンダル
・LED方式ヘッドランプと予備電池


2-2-2.調理用具

(1) 可能な限り焚き火を利用する

調理用・明かり取り・暖を取る・虫や熊避け・風情を楽しむなどの目的で、奥地では可能な限り焚き火を利用します。ただし、国立公園内などで焚き火の禁止されている場所が多くありますので、事前に調べておく必要があります。

源流の釣りでは、釣果を上げることよりも遡行の楽しみや自然に触れ合う楽しみの方が遥かにウエイトが高くなるものです。焚き火は釣りを終えた後の最も充実した時間を演出してくれる大事な要素となります。ある意味で焚き火は源流釣りのキャンプでは必須であり、筆者は焚き火の禁止されている釣り場へは殆ど入りません。

焚き火を囲みながらの友との語らいの時間こそが、源流釣りの醍醐味だ

・焚き火の起こし方

まず、良く乾いた草のあまり生えていない場所で適度に風の当る所を選び、10〜20cm程度の石を集めて内径が50p程度になる様に環状に並べます。適当な石が少ない場合は、必ずしも石の環を作る必要はありません。風向きが一定の場合は、風の来る方向に焚口を空けておきます。河原であれば上流側から風が来るのが一般的です。また、石の上にハンゴウや鍋を並べ易い様に、何個かの石は平らな面が上に来る様に並べます。

焚き火用の木材は、多くの場合、河原に打ち上げられた流木として見つかりますが、良く乾いたものだけを最初は利用します。まず、太さ2mm程度の良く乾いた細い枝を長さ30cm程に折って束ね、2掴み分程度用意しておきます。他は細いものから太さ数cmのものまでを長さ50p程度に折って、大まかに太さの順に揃えておきます。

次に石組みの中央に着火剤を置きます。着火剤の代わりに、良く乾いた枯葉か布ガムテープ、或いは少量の新聞紙を丸めたものでも構いません。ライターで火を付け、勢い良く燃え始めたら、その上に上記の一番細い枝をヤグラを組む様に周りから立てかけ、燃やします。また、細い枝をガムテープで束ね、火を付ける方法もあります。適当なウチワになる様なもので風を適度に送り続け、火を大きくします。

風を送りながら、順次、細い枝から太い枝へと、少しづつ燃える枝を太くしてゆきます。15分程度で直径数cmの大きな木に火が回り始めます。火床(燃えた木が赤く木炭となって釜の底に溜まったもの)が出来あがったら、時おり太い木を追加するだけで消えることはありません。

雨などで濡れた環境では、調理用のシングルガスバーナーなどを使って強制的に細い枝に火を付け、これを種にして、やはり順次太い枝へと火を回して行く方法があります。枝は濡れていても、内部は十分に乾燥している場合が多く、多少の雨の中でも一旦大きな火を起こしてしまえば、焚き火は十分に可能なものです。

なお、キャンプ中には包装紙や食べカスなどのゴミが出ますが、塩化ビニールなどの有毒ガスが出るものや金属類を除き、就寝前などに焚き火を使って全て燃やしてしまいます。こうすることで帰りの荷物を少しでも軽く少なくします。

・100円ライター2個
・天気が良ければ乾いた枯葉を着火剤として利用する
・状況により、布ガムテープ少々か新聞紙少々、余裕があれば着火剤
・大人数の時は、木材カット用の小型折り畳み式ノコギリかナタ


(2) 調理用具

強い降雨などで焚き火の不可能な場合もありますし、また時間の無い朝食時には必須ですので、シングルガスストーブ(コンロ)を携行します。ガスボンベは、夏季でも寒冷地用のガスの勢いの良いものを使用します。250cc(225g)の新品のもの1個で概ね2日以上はもちますが、3泊以上では予備のガスボンベが必要になってきます。

焚き火が利用できる場合は、先に述べた平らな石の上に鍋などを置き、お湯を沸かしたり煮炊きに利用します。釣り雑誌などではハンゴウを木などで吊るして調理している写真を良く見かけますが、平らな石の上に鍋などを置き、横からの火力で調理する方が遥かに簡便で作業性にも優れています。

寒冷地用ガスボンベとガスストーブ 石の上に鍋などを置いておくと、自然に火が通る

調理用には、下記の一覧のものがあれば一通りの作業は可能です。コッヘルや保温式マグカップは、軽さと強度および金属臭の全くしない点で、チタン製のものをお勧めします。まな板は、ホームセンターで販売されている厚さ2mm程度の安物で十分です。

箸は付近の木の枝で、真っ直ぐなものを選んで切って使いますが、タニウツギなど有毒な木には気を付けて下さい。邪魔にならないので割り箸を使う手でも構いません。おたまやしゃもじは、コッヘル全体を傾けて注ぐことで、無くても何とかなります。ゴミ袋は必須ですが、コンビニの袋でも代用できます。

・シングルガスストーブ+寒冷地用250ccガスボンベ
・チタン製コッヘル一式(鍋2〜3個・フライパン・カップ・フタ兼皿のセット)
・保温式マグカップは有った方が便利
・調理に耐える小型の包丁かフォールディングナイフ
・割り箸数本、折って着火用やツマ楊枝としても使える
・プラスチック製の薄いまな板(ウチワにもなる)
・ゴミ袋か、コンビニ袋の大きいもの
・必要に応じて、ハンゴウ
・必要に応じて、おたま・しゃもじ


2-2-3.キャンプ用食糧

食糧は好みによって大きく変わってきますので、大よその目安となるもの、便利なものを紹介するにとどめます。一通りの食糧は紹介していますが、ご自分の好みによって使い分けて下さい。

(1) 主食

体力を維持するためには、やはり米飯が理想的です。1食1合が目安となります。ただ、コメとハンゴウを持ち込むのは重くかさばるため、最近は調理済アルファ米+調理済スープ類をお勧めしています。少々値段が張りますが、軽くてかさばらず、オカズ要らずで、山ではこれ以上に頼りになるものはありません。アルファ米と言えば昔は「まずい米」の代表でしたが、最近は技術が進み、非常に美味しくなっています。

お湯を入れて15分ほどでホカホカのピラフや炊込みご飯が楽しめるだけでなく、朝起きた時にお湯を入れてチャックを閉めてザックに入れておけば、お昼ご飯にもなります。好みでフリカケや海苔などを併用すると、飽きずに何度でも食べられます。数社から様々な種類が発売されていますが、ピラフ・ドライカレー・おこわ類・炊込ご飯類がお薦めです。

朝食・昼食や夜食にはインスタントラーメンがお勧めです。数分で調理でき、付近で採取した山菜やイワナの身を少しいれて調理すれば、格別です。また、昼食時はなぜかソーメンや蕎麦が非常に美味しく感じられます。濃縮ツユ少々と乾燥ソーメン・蕎麦を持参しますが、軽くてこちらもお勧めです。

降雨などで調理が出来ない場合を想定して、カロリーメイト・ウィダーinエネルギーなど、主食の代用となるものを1泊につき2食分程度を用意しておきます。もっとも、この様な補助食が必要な場面では、釣りを止めて引き上げるべきです。

・コメに拘る人には、コメとハンゴウ
・お勧めは、調理済アルファ米+調理済スープ類
・インスタントラーメン(袋入りのもの、カップ形式はかさばる)
・お勧めは、乾燥ソーメン・蕎麦と濃縮ツユ少々
・宿泊の場合、余裕を持たせる意味で、釣行全体として3食分程度多い分量とする
・1泊につき2食分程度の補助食品


調理済みアルファ米と調理済みスープ 山での入れたての暖かいコーヒーは格別だ

(2) 副食

副食は全くの好みになりますが、あれば便利なものとして、以下の一覧に示します。お酒を楽しむ人にとっては、キャンプでのアルコールは必須ですが、最大の重くなる原因に成り得ますので、節度を持って持ち込む方が良いでしょう。なお、汗をかいた釣行後はビールが非常にうまいのですが、ザックが異様に重くなるため、筆者はウィスキーを沢の水で割って楽しんでいます。

オカズ類は調理済アルファ米では必要ありませんが、季節により、山菜やキノコなどを採取して楽しむのが源流釣りの基本であり、非常に楽しい時間を演出してくれます。また、釣ったイワナは適度な大きさのものを塩焼き用に1人1尾程度と、刺身や骨酒・イワナ汁用に1パーティあたり2〜3尾程度をキープし、山に感謝しながら有り難く頂くのが良いでしょう。

・ペットボトルにウィスキーを詰めたもの
・体力に余裕があれば、缶ビール適量・日本酒
・粉末コーヒーや粉末ジュース類、筆者はモンカフェを愛用している
・塩・コショウ・砂糖・味噌・ワサビなど適量、醤油はミニペットボトルに詰めたもの
・フリカケ・乾燥ネギ・海苔など、主食に色を付けるものを適量
・季節によっては、山菜テンプラや空揚げ用に炒め油など少々


(3) 源流らしい料理の例

イワナを大量にキープするのは、資源保護の観点から好ましくありませんが、釣れたイワナを節度を持って食するのも源流のキャンプならではの楽しみの一つです。

・イワナの塩焼き

真っ直ぐな木の枝を探して串刺しにし、塩を満遍なくふりかけておきます。焼け焦げるのを防ぐのと見た目を良くするため、ヒレには塩を分厚く塗っておきます。串が勝手に回転しない様に、ペグや木の枝を石で叩いて地面に数cmの穴を空け、串を立てかけます。魚に焚き火の火が直接当らない様に、遠火(遠赤外線)で焼ける様に、魚の位置を石の配置や火力で調節します。

また、時々串を回転して火の通りを均一にします。魚を焼いている間は、タバコや合成樹脂の類を燃やさない様にしないと、嫌な臭いが魚に付いてしまいます。イワナから出る油の滴りが無くなり、腹部にシワが出来るまで2〜3時間かけてじっくりと焼けば、超一級品のイワナの塩焼きが完成です。完全に焼けていれば、新聞紙にくるんで持ち帰ることも可能です。

・イワナ汁

太いネギが必須です。1Lの鍋であれば、水800cc程度・味噌適量・ぶつ切りのネギ1本分・ぶつ切りの25cm程度のイワナ2尾程を入れ、あとはグラグラと煮立てるだけです。煮立てが足りないと生臭くなりますので、徹底的に煮て下さい。付近で採取した山菜やキノコを入れると一層美味しくなります。

イワナ汁 イワナ骨酒 イワナ焼は欠かせない イワナの刺身 テンプラ

・骨酒

20cm程度の小さめのイワナの焼き枯らしを作り、十分に熱くなった日本酒に「ジュッ」と音を立てながら放り込んで下さい。少しだけ火であぶると更に香りが立ちます。イワナのエキスが酒に溶け込み琥珀色になったら呑みごろです。源流の野営で骨酒を呑まないなんて、有り得ません。

・イワナの刺身

ヌメリや生臭さを付けない様に刺身を作るのは、相応の訓練が必要ですが、料理の腕に自信のある方なら、ぜひ挑戦してみて下さい。尺クラスなら調理も簡単です。最源流域に生息するイワナであれば、寄生虫などの心配はまずありません。

・テンプラ・骨せんべい

5月初旬であれば、豊富な山菜が簡単に大量に手に入ります。イワナの切り身と山菜をテンプラにして食するのは、この時期の王道です。大量のテンプラ油を持ちこむのは荷を重くしてしまいますが、フライパンで炒める要領でテンプラを作れば、油はそれほど必要ありません。

2-3.その他の装備

他にも携行すべきものが幾つかあります。カメラ類以外は、いずれも小さく軽いものが多いですので、可能な限り持参する様にして下さい。なお、釣り具については、4.のタックルにて紹介しています。

源流の釣りでは、雄大な山や渓、野草花や釣り人の姿など、実に多くの素晴らしいシャッターチャンスが待ちうけています。現在はデジタル方式で撮り直しも簡単ですし、防水のデジカメやムービーで沢山の記録を撮ることをお勧めします。オフシーズンなどに仲間と酒でも酌み交わしながら見る写真は最高です。

源流の釣りでは漁業組合が必ずしも魚を放流している訳ではなく、これを理由に入漁料を払わない人が見受けられます。しかし、通常は県の条例などで規定されている法律上の義務であり、入漁料の必要無い源流はほとんど存在しません。必ず下流部の河川での入漁料を支払い入渓して下さい。

(1) 記録用機材

・必要であれば、メモ用紙・ノート・ペンなど
・デジタルカメラ・予備電池・予備メモリー・フィルターなど
・三脚代わりに、岩の上にタオルを畳んで置き、上にカメラを据える
・意外と忘れがちなものとして、レンズを拭く布


(2) 医薬品類

・持病のある人は専用の医薬品
・カットバンは傷以外にも、あれこれと使えます
・消毒用に抗生物質軟膏チューブか消毒液小ビン
・余裕があれば、包帯・鎮痛剤・胃薬など


(3) その他

・小銭・遊漁証
・トイレットペーパー半巻き程度を潰しておく
・携帯歯ブラシ、レザー髭そりなど
・タオル2本以上
・超小型携帯ラジオ・携帯電話(山頂のみ)
・余裕があればナタ
・愛煙家は携帯灰皿


3.源流遡行の知識

よりハードな遡行のテクニックに関しては、専門の書物やウェブサイトをご参照下さい。

3-1.入渓の前に

3-1-1.パーティを組む

源流の釣りは、日帰りでの短時間の釣行以外は、単独での釣行は行いません。奥地では何が起こるか判らず、怪我や病気に見舞われた時に、単独ではすぐに命に関わってしまうからです。通常、最低2人、多い場合には10人程度のパーティーを組んで源流に挑みます。ただし、1本の本流だけを遡行するなど、沢分け(支流に数人づつ別れて釣行すること)の無い場合は、4人程度が限界となります。

また、初心者の場合は源流での様々なノウハウや地形が理解しづらいため、数回の経験者との同行を強くお勧めします。幾ら書物を読み、或いは言葉で説明しても、山奥に入ってしまうと何をやって良いのか、さっぱり判らなくなってしまうのが普通です。百聞は一見に如かずです。

・日帰りかつ短時間の釣行では単独釣行も有り得る
・通常、最低2人以上で釣行に臨む
・初心者は、数回の経験者との同行釣行を行うのが望ましい


3-1-2.天候を無視した釣行は厳禁

日帰りの場合には前日夜の天気予報を確かめるだけで概ね問題はありませんが、長期になればなるほど、釣行期間中の天候を良く読んでから入渓する必要があります。悪天候を無視した無理な釣行は、いつ命と引き換えになってもおかしくない事をお忘れなく。

最近は天気予報の技術が発達し、翌日の天気はかなり正確に判る様になりました。しかし2日以上先となると、今でも大きく外れる場合がかなりあります。また、天気予報はあくまで平野部での予報であり、山間部や源流部では全く異なる天気となることが多いものです。長期の釣行の場合は、携帯ラジオや携帯電話(山頂部のみ)でのこまめな天気予報のチェックが必要となります。

・釣行前の天候チェックは入念に
・平野部と山岳部の天候は大幅に異なる
・長期の場合は、携帯ラジオ・携帯電話(山頂部のみ)での天候チェック


3-1-3.地形図、航空写真、遡行図

経験者と同行する場合であれば問題ありませんが、初めての源流へ入る場合には、事前の調査が欠かせません。最低限でも、2万5千分の1の地形図を利用して、距離・高度・地形の細かな確認を行うことをお勧めします。

2万5千分の1地形図の例  現在はネット上でも閲覧できる

また最近は、Google Earth(グーグル社)など、ネット上で航空写真を無料で閲覧できるサービスがあり、場所にもよりますが、高精細な写真を提供してくれている地区では、かなり正確な現場の状況が直接把握できる場合があります。

遡行図の例  実際には地名や移動時間など、様々な情報が書き込まれる

更に、源流釣り雑誌などに掲載された遡行図を利用する方法もあります。ただこの方法は有名でかつ険悪な源流が多く、地元のちょっとした源流での情報を必ず得られるとは限りません。やはり地元の経験者に、話を聞きながら遡行図を見せてもらうなどの必要性が出てきます。

・2万5千分の1の地形図
・場所によっては、航空写真での現場のチェック
・遡行図
・経験者からの地形や遡行に関する情報の入手


3-2.遡行

ゴルジュ・ゴーロ・高巻き・ヘツリなど、渓流釣りの世界には独特の用語が沢山存在します。この手引書では、ごく普通の渓流での釣りの経験のある人を想定していて、用語は簡単な説明にとどめています。用語のより詳しい意味については専門の解説書やウェブサイトをご覧下さい。

3-2-1.行程表と入山届

長期の釣行では、行程表(日付別に釣行・登山のルートの予定を書いたもの)を作る場合があります。登山を兼ねての釣行の場合には、登山道の入口に入山届のためのポストやボックスがありますので、行程表とともに、住所・連絡先などを書いて届け出ます。届け出用の施設が無い場合には、自治体に届け出することができます。

行程表をパーティー全員で共有することで、迷った時の対処や、全員の意識の統一が図れます。また、万が一遭難した場合にも、届け出をしておくことで家族への連絡などがスムーズに行われます。加えて、自治体によっては、届け出がある場合に限り、捜索費用が軽減される場合があります。

3-2-2.登山道・杣道・マタギ道を利用する

徒歩での奥地への移動は、車なら数分の場所でも数時間を要します。通常、河原を遡行しながら歩く速度は、ごく平たんな地形でも、登りで時速1〜2km、下降で時速2〜3km程度です。険悪な地形であれば、ほんの数100mの距離に何時間もかかることもあります。季節により、もっとも魚影の濃そうな場所を見極め、移動には可能な限り山道を利用します。

登山道がある場合は、地図にも掲載されていて、しかも良く整備されているため、迷うことは殆どありません。しかし、源流部へは登山道が利用できない場合が殆どであって、地元の人たちが山菜やキノコ採りに利用して出来た杣道(そまみち)を利用することになります。

杣道は山の中にできた踏み跡だけの道で、普通は地図にも掲載されておらず、遡行図を利用するか、地元の人たちや経験者から教えてもらう以外には手がありません。源流釣り師たちが仲間を作り、別のグループと盛んに交流を行うのは、こういった理由があるからです。

杣道は踏み跡と目印がたより 蛍光ピンク等のビニールテープの目印

杣道は入口が判っても、慣れないと容易に道に迷ってしまいます。多くの場合、木にピンクや黄色のビニールのテープが目印として結ばれています。また、ナタで木を切ったり枝を折ったりして目印にしています。そういった何らかの目印と踏み跡を頼りに移動しますが、特に開けた森の中では、幾つもの通り道が可能になって踏み跡がはっきりとしないため、非常に迷い易いものです。やはり最初は経験者に先導してもらい、杣道の見分け方を体で覚えるのがベストです。

・河原の遡行速度は、想像以上に遅く、時速1〜2km。
・目的地へは可能な限り、登山道・杣道を利用する
・杣道は、経験者や他のグループのとの交流の中で情報を得ることが多い
・杣道の歩き方も、数回の経験者との同行が望ましい


3-2-3.地形と遡行の仕方

(1) 河原・徒渉

河原の歩き方は、渓流釣りの経験のある方であれば説明の必要はないかも知れません。石河原では、平らな安定した石を探しながら平らな部分に足を置きながら移動します。砂地から石の上に移動するときは、トレッキングシューズは滑り易いので注意が必要です。不安定な石(浮き石)を踏み付けると、転倒の危険性があるばかりでなく、近くのポイントのイワナを脅かしてしまい、釣れなくしてしまいます。ジャンプや飛び降りは可能な限り避けます。

源流部では川を歩いて対岸へ渡ることが頻繁に発生し、これを徒渉(としょう)と言います。多くは淵尻の浅い所を探して徒渉しますが、時には激流の瀬や深い淵を徒渉しなければならない場合も発生します。

激流の徒渉   源流の遡行では、こんな風景が頻繁に見られる

激流の徒渉には杖が便利です。河原に落ちている適当な枝を適度な長さに折って杖にします。まず下流側の石の間などの安定した場所に杖を付いて固定し、この杖を支えにし、ゆっくりと足を這う様に歩くことで、より厳しい場所をクリアできます。この様な杖代わりの枝は、通常の遡行中にも左右に力を分散して足の疲れを少なくしてくれますので、徒渉時だけではなく、常に携行されることをお勧めします。

他の方法として、上流側に一人がザイルを持って固定し、このザイルを支えに徒渉し、最後に渡り終えた人が対岸の河原の上流側でザイルを持ち固定し、徒渉する方法があります。激流で川幅の広い場合は、スクラム徒渉(数人が肩を組み、横に並んで徒渉すること)の方法があります。4人程度のスクラムが、最も安定感が増す様です。

(2) 滝・連瀑帯・大堰堤

滝はヘツリ(岸壁にしがみ付きながら横向きになって移動して行くこと)と直登(真っ直ぐに上に登って行くこと)の組み合わせで、多くの場合クリアできます。登り始める前に、滝の両脇を丹念に見て、足場となりうる岩の突起や窪みの状態を確かめ、確実に滝の上部へ登り切れる様なルートを見極めます。稀に滝の水の流れの中を直登(シャワークライミング)しなければクリアできない場合もあります。

壁が急峻で登ることが不可能な場合は、少し下流側の斜面のなだらかなあたりを良く観察すると、高巻き(一旦少しだけ川から離れ、脇の山の中を通って滝などの上へ移動すること)用の道が見つかることが多いものです。多くの場合、目立つ色のビニールテープなどで目印が付けられていたり、ロープなどがぶら下がっていたりします。

魚止めの斜瀑の滝壺で大物を釣る 紅葉時のゴーロ連瀑帯

小さな滝が連続している場所を連瀑帯といいます。特に巨岩がゴロゴロと積み重なって滝が沢山出来ている場所をゴーロ連瀑帯といいます。いずれも単独の滝よりはルートが出来やすく、滝と同様の考え方でクリアできる場合が殆どですが、中には高巻きを要求される場合もあります。

大堰堤は普通には登れませんが、建設された当時は車や重機で入れる立派な道が堰堤上部まで存在していたはずですので、そういった所に多くの場合、高巻きのための道が残っています。滝と同様に高巻きのための道を探し、クリアします。

(3) ゴルジュ・ジッピ

両岸が切り立って川幅が非常に狭くなっている場所をゴルジュといいます。ゴルジュは普通、数十m〜数百mの長さがあり、滝や大きな淵(深くて水が大きく淀んでいる場所)を伴っていることが多いものです。また、岩盤がえぐられたり割れ目となった所から、滝の様になって川が流れている場所をジッピといいます。ジッピは魚止め(これ以上魚が遡上できない場所)の滝となっていることが多いものです。

これらは流域の中でも最も遡行の困難な場所であり、簡単にはクリアできない場合が殆どで、大抵の場合、高巻きを要求されます。夏季の渇水時はヘツリと泳ぎで突破できる場合もありますが、上陸予定地点で確実に上部へクリアできるかが重要です。高巻きの場合は、滝と同様にルートを探します。

廊下状のゴルジュ ジッピの滝壺を釣る トロを伴った廊下

(4) 廊下・トロ・釜

ゴルジュでも比較的水深が浅く、細長く続いている様な場所を廊下といい、水量次第では普通に歩いてクリアできます。深くゆったりと水をたたえている場合をトロ、滝の下などにできた部分的な深い場所を釜といいます。

いずれもまずはヘツリで突破できないかを、両岸の壁の足場となり得る突起や窪みの状態を見て、検討します。見えない場合は行ける所までいってルートを確認しながら突破を試みます。ヘツリと泳ぎでの突破が不可能な場合は、滝と同様に高巻きを要求されることになります。

(5) ナメ・トヨ(トイ)・スラブ

川床が一枚の比較的平たんな岩盤で出来ているところをナメ(滑)と言います。ナメが急な勾配の所にあって、川床が雨ドイの様に窪んで流れを作っている場所をトヨ、或いはトイといいます。また、表面が削られてつるつるになった岩盤が陸上にむき出しになっている場所をスラブといいます。

ナメやトヨは大抵の場合そのまま歩いて遡行を続けますが、非常に滑り易いので注意が必要です。スラブは、川のすぐ脇の山道を遡行する場合に、横切らなければならない時に問題になります。非常に滑り易く、また手で掴むものが何もないため、一旦滑ると川底まで一気に転落して命に関わる場合が出てくるからです。非常に険悪な場所では、ロープなどで確保する必要も出てきます。

ナメの床は魚影が薄いことが多い スラブから一気に落ちる小滝 ゴーロの河原は釣り易い

(6) ゴーロ・ガレ

大きな岩が河原にゴロゴロと大量に転がっている様な場所をゴーロ、崖崩れが起きて、その下部に角の尖った大きな岩が沢山転がっている場所をガレ、或いはガレ場と言います。

いずれも遡行は比較的簡単ですが、ガレでは大きな石が上から転がって落ちてくる可能性が残っていないかを、ガレの上部での草の付き方や土砂の詰まり具合で判断します。最近起きたばかりの崖崩れで出来た新しいガレは、横切る際に細心の注意が必要となります。

新しいガレは通り過ぎる時に気を使う 雪渓は一番ぶ厚い所を乗り越す 雪渓の穴は細心の注意を要する

(7) 雪渓・スノーブリッジ

残雪が大きな塊となって斜面などに残っているものを雪渓、また、川をまたぐ橋の様に残っている雪渓をスノーブリッジと言います。急斜面に残った雪渓は意外と安定していて、上に乗っても比較的安全に通過できますが、暖かい強い風の日や強い雨の日は雪渓が緩んでいて、乗ると突然崩壊する場合があります。スノーブリッジも同様に天候により注意が必要です。通常は、ブリッジ上部の最も雪渓の分厚い部分の少し外側を歩いて通過します。

(8) 藪沢

灌木などが覆い茂っている中を流れる部分を藪沢と言い、比較的高度の低い支流などに多く見られます。危険は殆どありませんが、釣りながらの場合には、ロッドやルアーを枝に引っ掛けてしまい、ロッドを折ってしまう場合があります。ただ、こういった藪の中は餌釣りやフライ・テンカラでは殆ど釣りにならないため、大物が残っていて、流し釣りで良い釣果を上げることができることがあります。

4.タックル

4-1.パックロッド

山越えや高巻き時には、ロッドを持ったままでは片手しか使えず非常に危険なため、通常はザック内に完全に収納して移動します。ザックは日帰り用と宿泊用の最低2種類を誰もが持っていますが、どちらのザックにもすっぽりと収納できるサイズ、つまり、4〜6ピースの振り出し式のもので、仕舞寸法が50cm程度以内、できれば40cm以内のものを選ぶべきです。

ロッドの硬さや長さはごく普通の渓流でのロッドと同様で、5.6〜7.4ft程度の先調子のものを選びます。できれば予備として2本のパックロッドを用意します。

パックロッド2本(左)と自作のフライパックロッド(右)

また、高巻きなどではザックにかかる衝撃も想像以上に大きく、ロッドケースは必須となり、専用のロッドケースが多数販売されています。筆者は別のロッドの購入時に使われていた硬いプラスチックの四角いパイプをロッドの長さに合わせて切り、上下のプラスチック製の蓋をそのまま取り付け、使っています。ルアーロッド2本とフライロッド1本が収納でき、専用のものより格段に軽くて重宝しています。

・5.6〜7.4ft、4〜6ピース、振り出し式、先調子、UL又はL、仕舞寸法50cm以下のロッド、2本
・軽く剛性のあるロッドケース


4-2.ルアー・リール・ライン

リールとラインは普通の渓流用をそのまま流用して差し支えありません。ただし、万が一の場合を考えて、できる限りリールは2個、ラインは予備1巻を必ず携行します。

ルアーも渓流用をそのまま流用しますが、源流での釣行はお天気が良く透明度が非常に高い場合が殆どですので、ナチュラルなカラーのものや緑系統のものを多用します。ギラギラと光る反射率の高いルアーを使うことは殆どありません。東北の源流での対象魚はほぼイワナのみとなりますが、緑やチャート(明るい黄緑)が源流では良くヒットしてくれます。ミノーの場合は鮎カラーが最もお勧めです。

Dコンタクト50S他、チャートも良いナチュラルカラーのミノーブレットン5g

なお、渇水時で透明度が非常に高い場合は、緑の油性マジックを携行し、ミノー全体を着色して使うことでヒット率が格段に高くなります。着色したミノーは、虫よけスプレーを吹きかけることで、簡単に色を落とすことができます。

・1000から2500番程度のスピニングリール、2個
・ナイロン又はフロロカーボン1号(6lb)前後のライン
・予備ライン1巻
・ナチュラルカラーもしくは緑系統のミノー、スピナー、スプーンなど数個
・ミノーは鮎カラーのものがお勧め
・緑と赤の油性マジックインキ
・虫よけスプレー


4-3.その他

2-1-3でも述べた通り、源流では重くかさばるのを避けるため、釣りベストは日帰り以外ではあまり使いません。腰ベルトに小さなバッグを付け、最小限の釣り道具だけを中にいれておき、他の道具類は全てザックに収納しておくのが原則です。

また、魚籠やストリンガーもまず使うことはありません。源流ではキャッチ&リリースが原則であり、1人1〜2尾の食べる分だけをキープします。そのため、キープした魚はその場で内臓を取り出し、蕗の葉などに包んでから適当な袋にいれ、ザックに収納してしまいます。魚籠は藪こきや高巻きでは邪魔になって非常に危険ですし、ストリンガーで魚をぶら下げて持ち歩くなどは論外です。

・腰ベルトとバッグ
・フォールディングナイフなど
・保存用にコンビニの買い物袋やポリ袋


5.源流と渓流での釣り方の違い

以下の内容は、源流でイワナの大物(40cm超)を狙う場合を想定して記述しています。
山そのものを楽しむことを主目的とされる場合は、以下の条件を考える必要はありません。


東北・北関東では、対象となる渓魚は主にイワナのみとなります。尺程度までのイワナであれば、徒歩2時間程度以上の奥地であれば、どこでも適度に釣果は見られますし、技術もそれほど必要ではありません。しかし、源流域で大型のイワナを狙って釣るには、相応の知識が必要となります。

5-1.季節による違い

5-1-1.季節によるイワナの移動

釣り場となる主な流域は、降雪の非常に多い日本海側の山岳地帯か中央部の奥羽山系になります。降雪の少ない他の地域では、山が浅く、また道路が隅々まで開発されているケースが多く、いわゆる源流の釣りの対象とはなり得ないものです。

(1) 早春

降雪の非常に多い山岳部では、山の高さにもよりますが、多くは6月末ころまで雪代(雪融け水)が大量に流れ、これがイワナの行動を大きく規定しています。この時期は水温が非常に低い(通常4℃以下)ため、イワナは遊泳力に乏しく、昼間の強い雪代や雨によるちょっとした洪水で、イワナたちは下流部へ押し流されてきます。

流域の途中に堰堤や滝があっても、大きな止水域が存在しなければ、魚たちはそのまま下流部へと流されていく様です。たとえ巨大な堰堤の上から落下したとしても、殆どの魚は死ぬことは無い様です。源流部から流されてきて、最初の大きな止水域で、魚たちは留まることになります。

その結果、ダム湖や最上流部の堰堤プール、或いは下流部の非常に大きな流れの少ない淵などにイワナたちが溜まることになります。この様な事情から、ルアーフィッシングで大物を狙うには、6月末ころまではダム湖や堰堤プール、或いは下流部の大きな淵などで釣りを楽しんだ方が無難です。

(2) 初夏

山形県の多くの水系では、6月を迎えると水温も急上昇し、遊泳力を得た彼らは源流へ向けて遡上(上流に魚が移動して行くこと)を開始します。特に大物は産卵を行うため、7月後半までに殆どの個体が遡上を始める様です。6月から8月前半ころまでは、イワナたちは遡上の途中であり、ダムや堰堤プールから数km以内の中流部が狙い目となります。最源流部へ入っても、大物はあまり見られません。

(3) 秋

8月末頃ともなると、大小のイワナたちは落差のある堰堤や魚止めの滝(これらを遡上止めと言います)の下へ集まることになり、下流部は25cm程度までのイワナかハヤばかりになってしまいます。春の強い流れで流されてきた魚たちは、遡上止めより上流部へは移動できず、最源流部へは戻れません。

この様な理由で、遡上止めよりも上流部では、春に流されずに源流部に止まっていた魚のみが存在することになり、大物はそれほど見られません。この場合は、最源流部を目指すよりも、下流部のダムや堰堤プールと最初の遡上止めの間を釣った方が大物の確率は高くなります。下流部の止水域と魚止めの滝の間に遡上止めが無い様な場合は、魚止めの滝を攻めるべきです。

ただ、魚止めの滝が支流の水量の極端に少ない場所にある場合は、大物たちは必ずしも魚止めまで移動しているとは限りません。下流部の有る程度水量の多い淵などでとどまり、産卵活動の準備をしている個体も見られる様です。水量が餌の量を決め、餌の量が維持できる個体の大きさを決めています。

(4) 晩秋

9月の中旬ころともなると、産卵活動のためだけに最源流部まで遡上するイワナが小さな沢や魚止めの滝の下に見られる様になります。この時期はほとんど水の無い様な所まで大物が入り込んでいることがあります。恋の季節に入ってしまうと餌の量は関係無くなる様です。

・3〜6月ころまでは、下流部のダム・堰堤プール・大淵などが狙い目
・6月ころより一部のイワナが遡上し始める。止水かその少し上流部が狙い目
・8月末ころまで遡上は続き、次第に狙う場所が上流へ移動して行く
・9月に入ると、堰堤や魚止めの滝などの遡上止めの下流部が狙い目
・禁漁間際になると、産卵活動だけのために最源流部まで遡上するイワナも見られる
・水量のごく少ない支流の魚止めの滝の場合は、下流部の水量の多い淵など
・通常は、水量の多さ=餌の量が、そこに遊泳するイワナのサイズを規定している


5-1-2.早春は釣りにならない

上記の理由で4月から6月ころまでは、源流部では大物のイワナはほとんど釣れません。加えて、5月中旬ころまでは低水温のためイワナの遊泳力が乏しく、ルアーを機敏に追いかけてくることができません。また、イワナたちは流れの少ない淵などの底に集まっています。そのため、流れの強い雪代の渓流のなかでは、小型のものも含め、イワナがヒットする可能性はほとんどありません。

この時期の釣り方は、流れの緩い淵を探して、底付近を非常に遅いルアー速度で丹念に探る方法しかありませんが、強い雪代の流れで、その様なポイントも殆ど見当たりません。稀に非常に良いお天気の日に、お昼ころに水温が5℃以上に上がると、僅かにヒットしてくる場合がある程度です。たとえ釣れても大物は殆ど望めず、この時期は餌釣りに軍配が上がります。

残雪・新緑・雪代の渓 その全てが美しい 春の使者フクジュソウ 春の恵み、山菜 可憐なイワウチワ

ただこの時期は、春の山菜や野草花の美しい時期であり、また、残雪や新緑が山の景色を最も美しく見せてくれる季節でもあります。そのため、無理をして釣果を上げようとはせず、自然を楽しむことを第一目的として源流に入られることをお勧めします。山菜を食し、花を愛で、輝く山や渓の中に歩くことは、それだけで十分に満足できるものが有るはずです。

5-1-3.夏から秋の源流はルアーフィッシングの天国

源流のルアーフィッシングの最盛期は、7月から9月一杯の3ヵ月間となります。この時期はイワナたちの遊泳力も凄まじく、人影をあまり見ていない彼らは、ルアーに果敢にアタックしてきます。加えて、早春に下流の止水にいたイワナたちは、遡上を繰り返し、中流部から源流部へと移動してきています。

源流の釣りは天候の良い日を選んで入渓することから、渓水の透明度が非常に高い場合がほとんどです。小型のイワナは別ですが、大物は警戒心が強く、近づき過ぎなければならない餌釣りに比べ、ルアーフィッシングが格段に有利になります。

加えて、源流部では餌が少ないため、魚たちの餌は川虫(カゲロウの幼虫など)だけではなく、昆虫類・クモ・小動物など多岐にわたります。イワナたちは動くものには非常に敏感に反応する様になっていて、ルアーフィッシングがより適することにもなります。餌釣りで何度もしつこく餌を流しても全く釣れない様な場合に、続いてルアーを投げ込むと、1投目で良型がヒットしてくるなどの現象が良く見られます。

5-2.源流の釣り場の選択

いまや最奥地の源流と言えども、釣り人が全く来ない場所はほとんどありません。技術や装備の発達に加え、林道の建設も手伝い、筆者の様な非力な人間でも奥地へ簡単に入れる様になってしまったからです。20年以上も前の様に、行けば40cmオーバー確実で入れ食い・・・などと言う状況は今では滅多に見られません。

(1) ダムや堰堤プールの存在が重要

5-1で述べた理由により、源流で大物を狙うには、下流部にダムや堰堤プールが存在することが重要になります。巨大な止水域は餌釣りでは全く攻略できず、大型のイワナを温存してくれることになるからです。下流部にダムや堰堤プールが存在しない場合は、イワナたちは大型に育つまでに餌釣り師たちにより下流部で簡単に釣り上げられてしまいます。

特に堰堤プールの上流部では、7月に入ると特有な現象が見られます。堰堤プールは流れ出る水量を人為的に調節している訳ではないため、梅雨空けが近づくと源流部からの水量が減り、水位が大きく下がってきます。場合によっては完全に干上がってしまいます。これは、堰堤のコンクリートに残された穴の大きさで決まり、個々の堰堤によってかなり状況は異なります。

プールに溜まったイワナたちは、6月に入ると徐々に遡上を開始し始めてはいる様ですが、プールが干上がる直前、もしくは干上がったその時に、最後まで残っていたイワナたちが一斉に遡上を開始します。こういった時は、プールから数km以内の上流で大型のイワナが束になって釣れた・・・などと言う話を良く聞くことになります。

(2) 源流でも里と同じ様に情報が大事

現在は釣りショップやネット上で、今年はどこの源流でどのくらい良く釣れている、などと言う情報が氾濫しています。釣り人が殺到すると魚たちは一気に釣り上げられてしまい魚影は薄くなりますが、これは源流でも当てはまる様になってしまいました。そういった情報網を持ち、釣り場を選ぶか避けるかの判断材料にすると良いでしょう。

また、ごく最近に釣り雑誌などに掲載されたばかりの釣り場は、避けた方が良いでしょう。里の渓流では追加の放流などが行われますが、源流部では釣り切られてしまえば補充はありません。沢の奥などに残った小魚が大きくなり産卵するまでは、元には戻りません。里の渓流よりも源流の方が遥かに資源の枯渇はしやすいのです。

(3) 有名過ぎる源流は避ける

非常に有名で釣り人の絶えない釣り場では、大物の可能性が必ずしも高いとは言えません。山形県内で最も有名な源流であるY川では、1990年頃までは超大物が随所に見られたそうですが、最近は大物の話をほとんど聞くことが無くなってしまいました。

こういった有名過ぎる源流の釣り場では、初夏から秋まで常に釣り人が絶えず、イワナたちが大きく育つ前に次々と釣り上げられてしまい、大物が育たないのです。筆者は下流のYダムでルアーフィッシングを何度も試みていますが、大物は思った程には見られていません。

(4) 険悪過ぎる源流は避ける

また、大きな滝が連続している様な非常に険悪な源流では、いたる所に遡上止めが存在することになり、同様の理由であまり大型は望めません。下流部のダムや堰堤プールから容易に魚たちが遡上してこれる様な構造になっている源流の方が、魚影も濃く、大型も多く見られます。

・下流部のダム湖や大きな堰堤プールが大物を育てる
・7月に堰堤プールが干上がると、すぐ上流部で大物が釣れる
・ショップやネットの情報は源流でも大事
・雑誌に頻繁に掲載されている様な有名過ぎる源流は避ける
・険悪過ぎる源流は、大物が遡上できないため避ける


5-3.釣り方の違い

ごく普通の渓流と源流でのルアーフィッシングでは、釣り方そのものはそれほど大きくは変わりません。しかし、イワナの行動や付き場に微妙な違いが見られます。

5-3-1.大物は別

通常、源流部では釣り人が少ないため、魚たちの警戒心は里の渓流ほどには強くありません。中にはすぐそこに見えている尺ほどのイワナが、ルアーのチョウチン釣り(ロッドからラインを2m程度垂らし、ルアーを水中でちょんちょんと動かし誘って釣る方法)で釣れてしまう様な場合もあります。警戒心の強さは釣り人の多さに比例しますので、人が少ない源流ほど、イワナたちは容易に釣れてしまいます。

しかし、35cm程度よりも大きな個体では、事情が異なります。彼らの多くは早春を下流部の止水域で過ごし、水温上昇とともに源流部へと遡上してきたものです。中流部や下流部で人影を多く見ている可能性が高く、そう言った状況下でも釣られずにこれた強い警戒心を持っている可能性が高いのです。

また、大物は目が良く利き、里の大イワナを釣る場合と同じ様な考え方を要求されます。複数の人数でパーティを組んで遡行するため、ポイントを順次交代しながら釣ることが多いものですが、その場合、良いポイントがあっても先に別の釣り人が近づいてしまうと、大物は釣れなくなってしまいます。

・尺程度までのイワナは警戒心が薄く、渓流ほどアプローチに注意する必要は無い
・35cmを超えると、遡上の大物が中心となるため、アプローチには細心の注意を
・同行者も大物を脅かさない努力が必要


5-3-2.付き場

7月から8月中旬ころまでは、イワナたちの多くが源流に向けて遡上中であり、中流域が良いポイントになります。大物は大きな淵の深いところで最も水が集まるところの脇に定位しています。しかし、太い流れの瀬の中にも同様に水の集まるところがあると、そういったところにも意外な大物が遊泳していることもありますので、見逃せません。

8月末以降は、多くのイワナたちが遡上止め下に集結するため、短い距離に魚影の非常に濃い状態が生まれています。この時期は、遡上止めの真下で尺程度までのイワナが連続して多数釣れることは稀ではありません。こういった状況下では、典型的な付き場以外にも、ちょっとした石の裏や淵尻の浅瀬にも沢山のイワナが定位していることが多くなります。そういったイワナが人影を見て走り、大物を脅かしてしまいます。

・7〜8月は中流部の水の集まるポイントの近く
・大物は、大淵・滝壺・大量の水が集まる場所の脇
・8月末以降は、水量の多い遡上止めの下で水の集まる所の近く

5-3-3.釣り方

大物は水が大量に集まる場所に多く遊泳していますが、こういったポイントでは人影が見えやすく、大遠投を試みる必要があります。また、ルアーはできるだけ沈め、底ギリギリをトリッキーにトレースしてくる必要があります。餌釣りでは近づき過ぎなければならず、透明度が高いことも相まって、小物以外はほとんど釣れませんが、大物も随所に潜んでいるのです。

また、遡上止めの下を釣る場合は、滝壺の魚影がまるで釣り堀の様に濃くなっていて、大物が釣れる前に先に小物がヒットしてしまうことが多いものです。水の最も集まる場所のすぐ下の岩の脇などに大物が付いている可能性が高いため、そういった場所を見極め、すぐ近くにルアーを落として1投目で確実に大物を釣らなければなりません。

・底ギリギリをトリッキーにトレース
・大物の付き場を見極め、すぐ近くにルアーを投入