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勝手気ままに書いてます  釣りの コラム


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釣りで出会った災難釣りの話題 2014/10/20

 つまらない思い出話かも知れませんが、皆さんも十分に気を付けて・・と言う気持ちも込めて、少しだけお付き合い下さい。長年、釣りをやっていると当然ですが、怪我をしたり事故に遭ったりと、様々な災難に見舞われることも有るものです。でもそんな苦い経験も、年老いてくると逆にほろ苦い良い思い出となって心に残っています。不思議ですが、楽しかった思い出よりも心地よく心に残っています。

 20代の若い頃は怖いもの知らずでした。就職をした頃から渓流釣りを始めた私は、訳も分からずあちこちを釣り歩いていました。当時は滋賀で琵琶湖に注ぐ小さな河川の源流に入って釣りをしていましたが、それほど山が深く無いこともあって、山奥へ行き過ぎて、気が付くと道に迷って帰って来れなくなってしまった事がありました。汚い胴長を履いたまま、汗だくのまま、バスを乗り継いで真っ暗の中、車まで辿り着いたのを覚えています。あの時のバスに乗っていた隣客の顔が忘れられません。

 ルアーの釣りをしていると、誤って自分を釣ってしまう事が時々あります。投げる瞬間に頭をかすめてしまい、旋毛(つむじ)の付近にトリプルフックが刺さったことがあります。外そうと試みましたが、自分でフックが見えませんし、どうしようもなく諦めて病院に行きました。町の開業医さんでしたが、不思議とそのお医者さんはケラケラと笑いながら手術をします。こちらは痛くて仕方ないのですが、鉤が頭から外れるまで、とにかくケラケラと笑っていたのは、あれは一体何だったんでしょうね。

 手にフックが刺さったことも何度かあります。大抵はフックを外そうとするときに、魚が大暴れしてフックが手に当たり刺さってしまうのです。今は先の長いラジオペンチを使いますが、昔はそれほど大きな魚が釣れなかったので、素手で外そうとして痛い目に合ったのです。まずはフックを魚から外し次にフックの根本をペンチで切断します。針先が貫通して外にある場合はそのまま抜きます。でも、カエシが中にある場合はこれも病院行きです。山奥で医者に行けない場合は、フックベンドに釣り糸を結び、フックを押えながら勢いよく糸を引っ張って無理矢理抜く手もあります。でも、自分一人でそれをやるのは至難の業です。

 怖いもの知らずと言えば、激流に流されたことが何度かあります。でも不思議と何ともないものです。大きな岩などに衝突しない様に気を付けさえすれば、そのうち浅瀬に辿り着いてセーフです。ただ春先は、水量が異様に多いのと、びしょ濡れになると凍えるので、絶対に失敗しない様にしてはいます。それよりも春先は、遠目には判らないのですが、岩の表面が薄く凍っていて、ツルンと滑って痛い目に合う事が良くあります。ボートのバッテリを運んでいて、滑ってそれを落としてダメにした事もありました。

 渓流釣りに行って怖い生き物と言えば、クマとヘビとスズメ蜂でしょう。関西ではクマの代わりにイノシシがいます。どれも何度も遭遇していますが、幸いにもヒドい目には合っていません。ヘビに会うのはしょっちゅうですが、関西のマムシ以外はそれほど怖い存在ではありません。東北ではシマヘビが木の上にいたりしてやっかいですが、向こうから攻撃してくることは殆どありません。ただ一度だけ、岩の上に手をついたら、グニャっと柔らかいので驚いて振り向くと、マムシが昼寝をしていて、間一髪で噛まれずに済んだことがあります。今でも思い出すとゾッとします。

 クマの懐かしい思い出もあります。もう30年も前の事ですが、そのころ私は秋田県でお医者さんを相手にする仕事をしていました。と或る整形外科のお医者さんと良く渓流釣りに行きましたが、ある日釣りをしていると、その先生が「ハーッ!!」と声を出し、後ずさりをしながら転ぶのが見えました。その年は大渇水の夏で、ツキノワグマが水を飲みに河原に降りて来ていた様なのです。その距離約10mでした。幸いにもクマはこちらに気が付いて、一目散に逃げて行ってくれましたが、その整形外科の先生は、転んだ拍子にギックリ腰になってしまいました。でも医者要らずだった、という今でこそ笑えるお話です。

 別に怖くは無いですが、やっかいなものにアブとヒルとダニがあります。真夏の秋田の山奥に行って、車で移動しながら釣っていた時の事です。ウェーダーを履いたまま車から降りると、その場所だけ強烈なアブの大群に取り囲まれ、慌てて車に乗り込んで逃げました。アブの少ない場所まで移動して車から降りてみると、車のシートが真っ黒になっていました。見ると何百匹ものアブがお尻の圧力で失神していたのです。コップ2杯分くらいの蠢くアブの塊を手で掬って捨てました。ヘドが出ました。

 他にも実に沢山の不運や失敗談がありますが、数え上げればキリが有りません。朝早く起きて移動中に居眠りをして車をぶつけた事が何度もあります。ルアーを岩などに引っ掛けて、外そうとしてロッドを折り、その日の釣りを断念させられた事が何度かあります。胃が痛いのに無理をして北海道に行き、最後は胃潰瘍で入院するハメになったこともあります。黒部へ仲間と釣りに行き、途中で膝を痛めてしまい、這うようにしてキャンプ地まで辿り着いた時のビールのウマさが忘れられません。

 思い起こせば、一歩間違えば命が無くなりそうな場面も何度かありましたが、不思議と難を逃れて現在に至っています。そして、こういった苦い出来事は、なぜかその時の情景も含めて、ほろ苦くもはっきりと思い出されるものです。長い人生では色々な事がありますが、なぜか私は楽しい思い出よりも苦しかった時の思い出の方が強く記憶に残っています。ひょっとしたら、こういった経験こそが人生の財産ではないかと思えるほどです。人生って、不思議ですよね。


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